こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回のテーマは「母乳が出る人と出ない人の違い」です。「私は母乳が出るかしら?」と心配に思うこともあるかもしれません。今回は、どんな要因が母乳分泌に関係するのか、そして妊娠中からできる母乳育児準備を紹介します。
母乳育児は、まずは知識がとっても大切!この記事をぜひ参考にしてください。
もくじ
母乳が出る人と出ない人の違いって?

ここでは、母乳が出る人と出ない人の違いを紹介します。
ホルモンの違い
母乳に関係する主なホルモンは4種類あります。

妊娠中は、ホルモンの影響で胸が大きくなります。乳房の中にある「乳腺」という「母乳を作る場所」が発達することで、乳房が大きく変化するのです。
逆に、乳腺を発達させるホルモンの分泌が不足した場合は、十分な量の母乳を作ることは難しい可能性があります。
下図の、赤いフワフワしたものが乳腺です。

ちなみに、妊娠前の乳房の大きさは脂肪の量で決まるので、母乳分泌量にはまったく関係ありません。
また、産後に母乳に関わるホルモンは、「母乳を作るホルモン(プロラクチン)」と「作った母乳を外に出すホルモン(オキシトシン)」の2種類があります。
つまり、「作るホルモン」だけでは作ってもうまく出せず、赤ちゃんに十分な栄養をあげられないかもしれません。逆に「外に出すホルモン」だけでは、そもそも十分な量を作っていないので、出せる量も少なくなります。
このように、母乳を「作って出す」ためにはさまざまなホルモンが十分に機能する必要があります。もし、ホルモンの分泌がうまくいかないと、母乳の量にも違いが出る可能性があります。
ホルモン分泌がうまくいかない原因を、以下に紹介します。
①ストレス、栄養不足、疲れ、睡眠不足
ホルモン分泌全般に影響する原因として、ストレスや栄養不足、疲れや睡眠不足が挙げられます。これらは体の機能を整える働きをする「自律神経」に影響を与え、ホルモン分泌がうまくいかなくなる可能性があります。
妊娠中から、できるだけゆったりした生活をこころがけ、十分な栄養をとっておきたいですね。
②授乳方法の問題でホルモン分泌がうまくいかなくなることもある
授乳方法は「母乳を作るホルモン(プロラクチン)」と「母乳を外に出すホルモン(オキシトシン)」に大きな影響を与えます。
プロラクチンとオキシトシンをたくさん分泌させるためのコツは以下の通りです。

逆に、以下のような場合、母乳の出が悪くなる可能性があります。
- 産後すぐに授乳を開始しない
- 授乳間隔が長い
- 赤ちゃんが上手に吸いつけない
母乳育児を希望する場合は 、これらのホルモンが十分に分泌できるよう、入院中に授乳方法を助産師さんなどによく相談しましょう。
赤ちゃんと乳房の相性
母乳が出るか出ないかはお母さんの問題と思いがちですが、赤ちゃんと乳房の相性もかなり大きな影響があります。
例えば、乳頭が大きめのお母さんのもとに、小さめの赤ちゃんが生まれたとしましょう。
小さめの赤ちゃんはお口も小さく、飲む力も弱いことが多いです。1章の【ホルモンの違い】では、「作った母乳を外に出すホルモン(オキシトシン)は、赤ちゃんに上手に吸い付いてもらうことが必要」と説明しましたが、口が小さく、飲む力が弱い赤ちゃんには上手に吸い付くことが難しいケースがあります。
また、乳頭が短い場合も、苦手であることが多いです。
一方で、同じ「大きい乳頭」や「短い乳頭」でも、生まれたのが大きくて力の強い赤ちゃんであれば上手に飲める可能性が高くなります。
でも、大きくて力の強い赤ちゃんだと母乳育児はラクかというと、そうとも限りません。大きく力強い赤ちゃんはたくさん飲みたがる子が多いので、上手に吸い付いたとしても「もっと欲しいよ〜」と泣くことが多かったりして、お母さんは「おっぱいが足りない」と悩むかもしれません。
母乳育児は、お母さんの責任に感じてしまうことが多いですが、このように、赤ちゃん側の要因もいろいろあります。
もし赤ちゃんと乳房の相性がピッタリ合ったら、それはとてもラッキーなことだと思います。
出産前からできる母乳育児の準備

1章で触れたように、母乳分泌量に関係する要素は、「自分で対策できるもの」と「自分ではどうしようもないもの」があります。
ここでは、自分で出産前からできる母乳育児の準備について紹介します。
母乳育児についての知識をつける
出産したそのときからどのように進めれば母乳育児が軌道に乗りやすいのかを知っておくことはとても大切です。
残念ながら、産院のスタッフだからといって母乳についての十分な知識がある方ばかりとは限りません。
例えば以下のような知識を持っておけば、バースプランにも書くことができ、順調なスタートを切れるかもしれません。
- 母乳育児にはカンガルーケアが重要であること(ただし安全には十分な配慮が必要)
- 母乳分泌がスタートする前から赤ちゃんに吸い付いてもらうことが大切
- 母乳育児では、赤ちゃんの抱き方や赤ちゃんの口に含ませるタイミングなどコツがたくさんあるので、詳しいスタッフからの十分なケアや確認が必要
- 夜中の授乳が分泌を促進する
バースプランについては、以下の記事で詳しく解説しています。
https://lucky-industries.jp/column/11236/
母乳についての知識は以下のページでも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
https://lucky-industries.jp/column/11370/
https://lucky-industries.jp/column/12386/
https://lucky-industries.jp/column/12400/
母乳の相談機関を見つけておく
母乳の状況は母乳育児期間を通じてどんどん変化します。
例えば、突然赤ちゃんが母乳を飲まなくなってしまったり、乳腺炎で強い痛みに襲われたり…
そんな時に、相談できる場所があるととても安心です。
以下のような中から、いざというときのための具体的な候補をいくつか決めておきましょう。
- 出産した医療機関
- 出産した医療機関以外の産婦人科
- 助産院(施設ありの助産院と、出張専門の助産院がある)
よくわからない場合は、自治体(市町村)の保健センターなどで母乳相談可能な機関を保健師さんに教えてもらうことをおすすめします。
おっぱいのケアをする
妊娠中のおっぱいのケアは必ず必要というわけではありませんが、やっておくと安心かもしれません。
ただし、乳房ケアはお腹の張りにつながることがあるため安定期に入る妊娠20週以降を目安に、医師に確認してもらってから始めましょう。
また、早く始めることが大切というわけではないので、医師のOKが出ても「今日はちょっと張るな」と思ったらやめておくなど、ご自身の体調に注意しながら行ってください。
具体的なケアを、以下に紹介します。
①母乳のカスを洗う
20週ごろには母乳がじんわりと出始めるため、乳頭にカスがたまってしまうことがあります。入浴前にオリーブオイルやベビーオイルなどを乳頭にたっぷり塗ってふやかし、入浴時によく洗い流しましょう。
洗いすぎは乳頭を弱くしてしまうので、数日~1週間に1回程度、またはカスが気になったときに行えば十分です。
洗った後は保湿をしておきましょう。
②乳頭を柔らかくする
赤ちゃんがおっぱいに吸い付いてくれるようになれば、乳頭はどんどん柔らかくなり、吸い付きやすいおっぱいへとどんどん変化していきます。
一方で、乳頭周辺が硬いことで、赤ちゃんが吸い付くことが難しい場合があります。生まれたての赤ちゃんでも吸い付きやすいよう、少しでも柔らかく、伸びの良い乳頭にしておくと安心です。
方法は以下の通りです。

- ①乳頭のすぐ脇(根元付近)を親指と人差し指の腹で押す
- ②そのまま外側に広げる
- ③乳頭の根本を親指と人差し指で挟んで乳頭を伸ばす
入浴中や入浴後の、体が温まって皮膚が伸びやすくなっているタイミングがおすすめです。入浴後の場合は、保湿剤等でケアしてからが良いですね。
ちなみに、いざ授乳が始まると赤ちゃんは驚くほどの力で吸うため、乳頭が痛くなったり傷ができてしまうことがあります。このときに「妊娠中におっぱいのケアをしていなかったから…」とおっしゃる方が多いですが、授乳による乳頭の痛みはケア不足というよりは授乳方法(抱っこのやり方や赤ちゃんの吸い方)で改善することがほとんどです。ぜひ専門家のケアを受けてください。
③ゆったりした下着をつける
妊娠中は、母乳を作る組織である「乳腺」が発達し、乳房が大きくなります。
強く締め付ける下着や、大きくなった乳房に合わなくなった下着などを使っていると、乳腺の発達を妨げてしまいます。
また、乳頭がこすれて痛みにつながる原因にもなるため、肌に優しい素材のゆったりした下着を着用すると良いでしょう。
ゆったりした気持ちで過ごそう
妊娠中は、仕事がある方も少なくありません。さらに、妊婦健診や赤ちゃんを迎える準備など、何かとあわただしいものです。
また、妊娠に伴う体調不良や出産・育児への不安など、気持ちの面でもストレスが溜まりやすい時期です。
心配事はパートナーや家族、友人などに聞いてもらったり、睡眠時間をしっかり確保するなど、心身共にストレスをできるだけ減らしてゆったり過ごすことも、妊娠中にできる母乳育児の準備と言えます。
妊娠中のストレス対策にはさまざまな方法があります。
以下に参考になる記事を紹介しますので、自分に合いそうなものから始めてみてください。
・冷え性があるなど、温活でストレスを減らしたい方向けの記事
https://lucky-industries.jp/column/12446/
・マイナートラブルを減らしてストレス解消したい方向けの記事
https://lucky-industries.jp/column/12433/
・体を動かしてストレス解消したい方向けの記事
https://lucky-industries.jp/column/11706/
・不安が大きいなど、メンタルの不調が心配な方向けの記事
https://lucky-industries.jp/column/11719/
まとめ
母乳育児は始めてみないとわからないことがいっぱいあります。どれだけ準備をしても、どうにもならないときもあります。
希望通りに母乳育児ができたのなら「本当によかった!」と思いますが、母乳育児をしたかったけれどさまざまな状況の中でミルクに決めた方も、一生懸命に考えて出した結論に拍手を送ります。
育児の方法はたくさんあります。どの方法を選んだとしても、あなたも赤ちゃんもハッピーならそれはきっと正解です!
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