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【実例つき!】バースプランとは?納得のお産のための考え方・書き方のヒント 助産師監修

  • #助産師

更新日 2024/04/15

こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!今回のテーマは「バースプラン」です。「バースプランって何??」という方から、「病院からバースプランを書くよう言われたけれど、何を書いたらいいの?」という方まで、この記事が自分らしいお産について考えるきっかけになったら嬉しいです!

バースプランとは

バースプランとは直訳すると「出産計画」。分娩から産後の入院までをどのように過ごしたいのか考え、計画します。あなたがどんな出産を希望しどんなことをして欲しくないのかを分娩施設のスタッフに知ってもらうことで、ケアに活かしてもらうことができます。中にはバースプランを提出するよう特に言われない施設もあると思います。それでも、自分がどんな出産にしたいかを考えることは、自分のお産を大切にするために、そしてパートナーも一緒に赤ちゃんを迎えるために大切なことです。そして、せっかく考えたら健診日や助産師外来などに持っていき、スタッフに伝えると良いでしょう。バースプランを考えて、あなたらしいお産をスタッフと二人三脚で実現しましょう。

【実例!】みんなバースプランにはどんなことを書いているの?

バースプランを記入する際、してほしいことを考えるのはもちろんですが、してほしくないことについて考えるのも重要です。

自然分娩も帝王切開も!陣痛・分娩中についてのバースプラン例

・夫の立ち合いを希望したい(立ち会いを断ってほしい人がいる場合も明記!)

・立ち合いができなくてもビデオ通話などオンラインでつながっていたい

・好きな曲を流して欲しい

・好きなアロマを焚いてほしい

・お産の進み具合をできるだけ詳しく説明してほしい

(あとどのくらいで生まれそうなのか、今赤ちゃんはお腹の中でどんな状態なのかなど)

・不安になりやすいので、できるだけスタッフにそばにいて欲しい

・陣痛が強いとき、不安なときは手を握っていてほしい

・マッサージなどのサポートをお願いしたい

・陣痛中は動き回りたい

・陣痛中の内診はできるだけ少なくしてほしい

・声掛けは強い口調でしないで、優しく話しかけてほしい

・静かな環境で出産したいので、実習などの見学はしないでほしい

・呼吸法をリードしてほしい

・できるだけ医療処置(会陰切開や陣痛促進剤など)はしないでほしい

・赤ちゃんが生まれる瞬間を教えてほしい

・生まれた直後におっぱいを吸わせてカンガルーケアをしたい

・(帝王切開などで抱っこやカンガルーケアが難しくても)生まれた直後の顔をしっかり見せてほしい、少しでも顔や体に触れたい

・帝王切開の手術時に眼鏡NGでも、赤ちゃんの顔を見るときにはつけてほしい(オペ室に眼鏡をもっていきたい)

・産声を録音してほしい

・生まれてすぐの母子(立ち合い可なら親子3人)の写真を撮ってほしい

・一番はじめの抱っこは自分がしたい(夫にしてほしい)

・胎盤を見たい

自然分娩も帝王切開も!産後についてのバースプラン例

・痛みはできるだけ感じないよう、積極的に薬を使いたい

・産後はゆっくり寝たいので赤ちゃんを預かってほしい

・産後ゆっくり眠れるよう、必要なら薬を処方してほしい

・赤ちゃんとできるだけ離れずに過ごしたい

・母乳の指導をどんどんしてほしい

・おっぱいが痛くならないようケアしてほしい

・ひとりで過ごすのが苦手なので、たくさん声をかけてほしい

・赤ちゃんのお世話が不安なので、どんどん指導してほしい

・マイペースに過ごしたいので、声掛けは必要最低限にしてほしい

・帝王切開の傷痕ができるだけ残らない方法があったら教えてほしい

・退院後も無理をしてはいけないことを家族に説明してほしい

自分らしい出産にするためのバースプラン

陣痛などで入院すると、施設スタッフはバースプランを見ながらケアを進めます。お産の状況によってできないこともありますが、スタッフもあなたらしいお産を応援したい気持ちで臨んでいます。できるだけ詳しく、具体的に書くことでより良いケアに近づけます。ここでは自分らしい出産にするためのバースプランのポイントを紹介します。

安心できる条件をよく考える

バースプランを考えるコツは、何に対して不安があるのか、どのように対応してもらえたら安心できそうかをよく考えることです。

分娩台に乗るまでの長い時間、陣痛室で過ごすのが不安だと感じるなら、スタッフが近くにいたら安心できそうなのか、スタッフにはどのように対応してもらいたいかなどを自分の性格を振り返りながら考えてみましょう。不安は痛みを増強するため、自分が安心できる環境づくりができるよう考えることがポイントです。大きな声で言われると萎縮してしまう性格なら声掛けは静かにしてもらえるように、痛みに弱い性格なら陣痛中のマッサージをお願いしたり、産後は痛み止めなどの薬をしっかり使ってもらえるように書きましょう。中には、「名字でなく下の名前で呼んでもらった方が安心する」とバースプランに書かれた方もいらっしゃいました。また、もし途中で帝王切開に切り替わったときのために「帝王切開なったらこうしてほしい」ということを書き加えても良いでしょう。痛み止めは躊躇してしまう妊産婦さんが多いですが、痛みは体の回復を遅らせ、腰痛など新たな痛みを作ってしまうこともあります。分娩施設で処方される薬は特別な事情が無い限りあかちゃんや母乳に影響が無いものです。

自分の体を第一に考え、楽に過ごせるようにしましょう。産後を体調良く過ごせることは、お産による身体のダメージの回復のためにもとても大切です。産後だからしょうがないと思わず、不快症状を改善できないかまずは聞いてみましょう。

パートナーとバースプランを話し合う

バースプランをパートナーと一緒に考えることで、妊娠中の妻が出産や育児についてどんなことを考えているかを知る良い機会になります。何を話せばよいのかわからない場合には、以下を参考にインタビューしてもらい、おしゃべりしながらバースプランを書くと良いでしょう。

・陣痛中、病院ではどのように過ごしたいですか?

・施設のスタッフにはどんなふうに対応してほしいですか?されたくないことはありますか?

・生まれてすぐにやりたいこと、してほしいことはありますか?

・産後の入院中はどんなふうに過ごしたいですか?

・入院中にしてほしくないことはありますか?

今はコロナの影響で立ち合い出産ができない施設が増え、男性は分娩についてよりイメージしにくくなっています。だからこそ一緒に話し合う時間を大切にしましょう。

もっと初期に確認しておくべきこともある

実現可能かどうかで分娩する施設選びに影響することもあります。「これだけは絶対に譲れない!」と決めていることがある場合は、初期の段階で確認しましょう。出産が近づいてからではなく、できるだけ早い時期に確認しておきたいことは以下の通りです。

無痛分娩や計画分娩を行っているか

無痛分娩は、希望者の増加に合わせて実施施設も増えているものの、2022年の段階で全分娩取扱い施設の26%程度となっています。無痛分娩を希望する場合には、早い段階で実施の有無や条件を確認しましょう。また、特に2人目以降の出産では上のお子さんを預ける関係などで、分娩日を決めて薬などで陣痛を起こす計画分娩を希望される方もいらっしゃいます。計画分娩を希望する場合には、実施している施設かどうかの確認も必要です。

ラマーズ法やソフロロジー法などを行っているか

ラマーズ法やソフロロジー法などの分娩を希望する場合は、分娩時の呼吸法だけであれば対応している施設は多いと思われます。一方で、もし分娩時の呼吸法だけでなく産前から各方法のトレーニングや講習等を行っている施設を探している場合は、できるだけ早く確認する必要があります。また、分娩台を使わないフリースタイル分娩や水中出産などを希望される場合には、対応できる施設はかなり少なくなるので注意しましょう。

バースプランは状況に応じて変わるもの

バースプランは、産む人にとっても、医療者にとっても絶対的なものではありません。状況に応じて柔軟に変化するものであることも理解しておきましょう。

最も優先されることは母子の安全

出産では、緊急に医療の力が必要になることもあります。お腹の赤ちゃんの元気がなくなってきた場合や、お母さん側が危険な状態になる恐れがある場合などです。できるだけ医療処置を行わない予定でも、赤ちゃんとお母さんの命を守るために必要になれば様々な処置を行います。また、危険を回避するために予防的に医療的な介入が必要になることもあります。希望していたお産と違うことで、残念な気持ちが残ることもあるかもしれません。出産後落ち着いたタイミングでスタッフとよく話し合い、起きたことに対する理解を深めることが大切です。

あなたもバースプランを変更していい

バースプランの内容を変更するのは医療者サイドだけではありません。いざお産となれば、バースプランを変更したい部分が出てくるでしょう。あなた自身も「やっぱりコレ!」と変えていいのです。例えば実際にお産が始まってみると以下のように思うかもしれません。

・そばに人がいると緊張してしまうと思っていたけれど、やっぱり不安だからついていてほしい

・赤ちゃんと同室が良かったけれど、お産で思った以上に疲れたからまずはひとりで休みたい

自分がどうしたいのかを感じ周囲に伝えたり頼ったりすることは、育児においても大きな力になります。すべてが叶うわけではないかもしれませんが、まずは伝えてみましょう。

まとめ

バースプランは、自身の気持ちを確認するツールであり、パートナーやスタッフと気持ちを共有するツールでもあります。状況によっては、思い描いていた出産とはまったく違うものとなってしまうかもしれません。書いてはみたものの、断られることの方が多い場合もあります。それでも、自分の気持ちに想いを馳せてみることが大切なのです。あなたのお産はあなたと赤ちゃんのもの。バースプランを考えることをとおして、まずはあなた自身であなたのお産を大切にしてみませんか?

バースプラン第2弾【実例がさらに充実!!】帝王切開・無痛分娩・コロナ対応のバースプラン 助産師監修を追加しました。是非ご覧ください!

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