産後

【実例で学ぶ】初めての母乳育児もこれで安心!授乳のコツや乳腺炎、NG食材など徹底解説! 助産師監修

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更新日 2024/04/15

こんにちは!助産師のkumikoです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!

今回のテーマは「母乳育児」です。母乳育児の基本や「痛い」「足りない」「吸い付かない」などのトラブル予防&対策をここでは紹介します。新ママも経験者さんも、これでみんな授乳上手に!!

授乳上手は基本が大切!よくある実例から母乳育児をおさらいしよう

母乳育児で大切なのはトラブルを起こさないことと、少しでもおかしいと感じたらすぐに軌道修正することです。ここではよくある実例を元に、授乳が上手になる方法を学びましょう!

【実例1】母乳があまり出ないうちは吸わせてもしょうがないと言われたけど…?

「母乳が出始めてから飲ませればいい」という話をよく耳にします。でも、正解は真逆です。実は、母乳分泌のスイッチは赤ちゃんに吸われることです。まだ出ていないから、と吸わせなければ母乳分泌のスイッチは入りません。また、「赤ちゃんがおっぱいを吸うのがあまり得意でないタイプ」という場合もあります。もし分泌開始したにも関わらず吸えなければ、おっぱいはパンパンに硬くなり痛みます。そして吸い取られないことで「こんなに必要ない」と体が判断し、作られる量が減ってしまうこともあります。

出る・出ないに関係なく、生まれて早期からおっぱいを吸うことに赤ちゃんが慣れておくと、本格的に母乳が作られ始めたらすぐに飲み取ることができるでしょう。母乳をあげたいと考えているならば、分泌開始前からどんどん吸ってもらいましょう!

【実例2】頻回に授乳しすぎると乳首が痛くなると言われたけど…?

母乳は吸ってもらうことが分泌のスイッチになるため、頻回に飲ませた方が分泌が良くなりやすいです。新生児なら24時間で8回以上が目安です。ミルクに比べて消化が良いため、赤ちゃんが欲しがるたびにあげていると15回程になることも珍しくありません。そして、周囲から「そんなにあげていると痛くなるよ!」と言われることもよく聞く話です。確かに母乳育児を始めてすぐの頃は、まだ皮膚が弱いため痛くなりやすいことは否定できません。でも、以下のように授乳時の赤ちゃんの姿勢に注意することでトラブルをある程度予防することも可能です。

おっぱいトラブルを予防する!授乳時の赤ちゃんの姿勢のポイント

ポイント1:授乳クッションなどで赤ちゃんと胸の高さをほぼ同じにする

母乳トラブルを回避するために最も重要なのは、乳頭・乳房を赤ちゃんの口に深く含ませることです。赤ちゃんがおっぱいよりも低い位置にいると、おっぱいが遠すぎて浅い飲み方になり、乳房・乳頭の痛みの原因になります。授乳クッションなどを使って、赤ちゃんの位置をお母さんの胸の高さにすることが重要です。赤ちゃんが小さいうちは授乳クッションだけでは足りない場合がほとんどです。その場合はバスタオルなどを重ねて十分な高さを確保しましょう。

NGな実例

・赤ちゃんを太ももの上に直接乗せているので、赤ちゃんがおっぱいから遠すぎる

・授乳クッションを使っているけれど、クッションが小さすぎて赤ちゃんの高さが足りない

ポイント2:赤ちゃんの姿勢を正しくセットする

授乳クッションなどの上に赤ちゃんを寝かせたら、赤ちゃんのお腹とお母さんのお腹が向かい合わせになるように赤ちゃんの姿勢をセットします。正しい授乳姿勢は、おっぱいに余計な負担がかからない上に作られた母乳を飲み取りやすくします。

NGな実例

・赤ちゃんのお腹は天井を向き、頭だけおっぱいの方向を向いている

・赤ちゃんが大きくなってくると姿勢が適当になってしまう

頭から足まで全身がお母さんの方を向き、お母さんのお腹に赤ちゃんが巻き付くようなイメージで授乳しましょう。

ポイント3:赤ちゃんをおっぱいに近づける

赤ちゃんをおっぱいに近づけ、赤ちゃんの口がしっかり開いたら口に深く含ませます。おっぱいを赤ちゃんに近づけるのではなく、赤ちゃんをおっぱいに近づけるのです。

NGな実例

・おっぱいを赤ちゃんに近づけて、お母さんが猫背になってしまう

・授乳しているうちにだんだん浅飲みになって、乳首が痛くなる

【実例3】赤ちゃんがおっぱいに吸い付くのを嫌がる!

おっぱいを吸うのが得意ではない赤ちゃんは、授乳を嫌がることも珍しくありません。その場合は以下のことを試してみて下さい。

対策1:お腹がすいていない機嫌の良いときにおっぱいと触れ合う

お腹がすいていない機嫌が良いときに、お母さんと素肌どうしで触れ合うことを楽しんでもらいましょう。おっぱいを探している様子があれば、優しく、控えめに誘導してみても良いでしょう。決して無理やり吸わせることはしません。まずはお母さんの素肌との触れ合いが気持ち良いということを思い出してもらうことがポイントです。

NGな実例

・お腹がすいたタイミングでおっぱいを吸わせようとして、吸うのが得意でない赤ちゃんが怒ってしまう

対策2:少しお腹がすいてきたかも?くらいのタイミングで授乳する

対策1で肌の触れ合いを楽しめるようになったら、「そろそろお腹すくかな?」というタイミングで対策1のように授乳を勧めてみましょう。お腹がすく前に始めることがポイントです。

NGな実例

・赤ちゃんがお母さんの素肌になじむのを待たずにいきなりおっぱいを吸わせようとする

・お腹がすきすぎると、赤ちゃんに余裕がなくなってしまう

対策3:授乳の前に少しだけ搾乳しておく

もしおっぱいが張っているなら、対策1・2の前に少し搾乳して乳首や乳輪を柔らかくしておくと吸いつきやすく、しかも母乳が出てくるまでの時間を短縮できるかもしれません。

NGな実例

・吸い付こうとしても、張りが強くて滑ってしまう

これって乳腺炎!?病院に行くべき??

 

母乳育児をしている限り、乳腺炎になる可能性は誰にでもあります。ここでは乳腺炎の症状や対処方法についてご紹介します。

先輩ママたちが乳腺炎に気づいた症状

乳腺炎を経験した先輩ママたちは、乳腺炎の始まりを以下のように説明しています。

・おっぱいがなんだかチクチク痛いと思っていたら、寒気と共に38度の熱が出て、インフルエンザみたいに関節が痛くなった

・最近赤ちゃんがしっかり飲まないなぁと心配していたら、おっぱいがガチガチで熱を帯びて赤くなってしまった

・乳首に白斑や傷がだいぶ前からできていて授乳のたびに痛かったのですが、急に熱が上がってしまった

・しこりがあるのは分かっていたけど痛みも無いから放置していたら、詰まっておっぱいがパンパンになってしまった

おっぱいがなんか変、ちょっと痛いかも…それは乳腺炎の始まりかもしれません。すぐに対処しましょう!

乳腺炎かも!?おかしいと感じたらすぐに対処!

対策1:溜まった母乳をすべて出し切る

赤ちゃんに頻回に飲み取ってもらうことで出し切る場合

・飲む前に入浴・温タオルなどで乳房を温めると母乳が出やすい

・乳頭周辺がパンパンになっている場合は飲む前に軽く搾乳

「授乳時の赤ちゃんの姿勢のポイント」を参考に正しい姿勢で授乳しましょう←基本が重要!!

・しこりのある部分を、乳房の付け根から乳頭に向かって優しくさすって母乳を流す

・赤ちゃんが嫌がる場合、ウトウトしているときや寝起きでボーっとしているときなどに授乳してみる

・授乳時の抱っこの向きを変えると、まんべんなく飲み取れる

搾乳で出し切る場合

・飲み残しは搾乳で出し切る

・温めたりしこりをさすって流しやすくしながら搾乳

・入浴時など体が温まっていると効率良く搾乳できるかもしれません

対策2:授乳後は乳房を気持ちよい程度に冷やす

冷やせば冷やすほど良いわけではありません。冷凍ではなく冷蔵した保冷剤など、気持ちが良い程度にしましょう。

対策3:自分の体をしっかり休ませる

睡眠不足や疲れ、ストレスなどは乳腺炎の原因や悪化の要因になります。

対策4:お母さんの熱が上がってきたら、母乳外来などを早めに受診する

抗生剤など医療的な処置が必要な可能性が高いです。対策をしても改善しないと感じたら、母乳外来等に早めに相談しましょう。

母乳育児中は食べてはいけないものがある!? 必要な栄養はどの程度??

妊娠中の食事については注意点がたくさんありましたが、授乳中はどうなのでしょうか?ポイントを押さえて、赤ちゃんにも自分にも優しい食生活を目指しましょう。

お酒とたばこは原則禁止!注意すべきはカフェイン

厚生労働省は、授乳中のお酒、たばこは控えるべきカフェインは過剰摂取に注意が必要としています。

授乳と飲酒

アルコールは母乳に分泌されます。また、アルコールによって母乳分泌量が減ってしまうこともあります。授乳中のお母さんがアルコールを摂取すると、赤ちゃんは眠りがちになったり筋緊張が低下するなどの影響が出ることがあります。

授乳と喫煙・受動喫煙

母乳育児中の喫煙は、母乳分泌を低下させたり、赤ちゃんはおう吐や下痢、脈拍数の増加、眠りにくく落ち着きがないなどの影響が出る可能性があります。お母さんは非喫煙者でも、同居家族などに喫煙者がいると受動喫煙によって同様の症状が出ることもあります。

授乳とカフェイン

日本では授乳中の方のカフェイン摂取量の上限は決まっていませんが、カナダ保健省では授乳婦は1日あたりドリップコーヒーならマグカップ2杯分(カフェイン300mg程度)までとしていることを厚生労働省は紹介しています。母乳を通じて体内に入った有害成分が体の中で代謝されるまでにかかる時間は、赤ちゃんの月齢などで変わります。たとえばカフェインなら、新生児だと濃度が半分になるまでに90時間かかりますが生後6か月になると2.6時間という研究もあります。例えばお酒は赤ちゃんが小さいうちは我慢して、ある程度大きくなったらたまに少しだけ楽しむ、と工夫するのも良いでしょう。その場合は授乳の直後に飲むようにすると、赤ちゃんへの移行をより減らすことができます。

母乳育児中に食事で気をつけるべきことは?

母乳育児中は栄養の片寄りがないように食事をすることが大切です。豪華である必要はまったくありません。野菜、たんぱく質、炭水化物を簡単にバランス良く摂れるよう、妊娠中から考えておきましょう。

・お弁当を頼む(できるだけ野菜が多いものを選びましょう)

・半調理済みのキットを利用する

・冷凍野菜や冷凍麺、カット野菜、パックご飯などを利用する

産後は休息が大切なので、パートナー等が食事の準備ができるととても助かります。授乳育児中の摂取カロリーの目安は、平常時(妊娠・授乳していないとき)が1700~2000kcal/日であるのに対し、350kcal/日多く食べる必要があるとされています。350kcalはご飯ではお茶碗1.4杯分、食パン6枚切り2.2枚分、うどん1.5人分、ラーメン0.7人分が目安です。妊娠後期の摂取カロリーは平常時+500kcalが目安なので、それよりも150kcal少なくなることに注意しましょう。

まとめ

母乳の悩みは尽きることがないかもしれません。でも基本に忠実に授乳を行うことで、トラブルの予防が期待できます。授乳上手になって母乳育児を十分に楽しみましょう!

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本コラムを運営するラッキーインダストリーズは1934年から続く日本の抱っこ紐メーカーです。POLBAN,pittoresk,Lucky 1934ブランドを展開し、子育てをサポートしています。このコラムを通じて、さらに多くの方々の子育てを支援できれば幸いです。

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