こんにちは!
助産師のユイです。
これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどでたくさんの相談を受けてきました。
このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回のテーマは「白斑と乳首の傷」です。
母乳育児のトラブルは起こってしまうととてもつらく、授乳が怖くなってしまう方も少なくありません。
この記事では白斑や乳首の傷について原因や症状、対処方法の紹介、先輩ママたちから聞いた母乳育児の疑問に答えます。ぜひ知識を増やして、早期に対処できるようにしましょう。
【白斑とは?】できてしまったらどうする?
ここでは、白斑について、原因や症状、対処方法を紹介します。
もくじ
白斑とは?
白斑とは、乳頭にできる白~黄色の斑点です。
原因はさまざま言われていますが、赤ちゃんが上手におっぱいに吸いつけていないと起こりやすく、上手に対処しなければ、何か月も治らないこともあります。また授乳時に強い痛みを感じるため、授乳が嫌になってしまう方も珍しくありません。
白斑が水ぶくれで覆われると母乳の出口が塞がれてしまい、詰まりや乳腺炎につながることもあります。
白斑ができてしまったらどうする?
白斑ができてしまったら、授乳方法やお母さん自身の生活を見直してみましょう。
特に授乳方法が間違っていると、なかなか治らないだけでなく、白斑を繰り返すことがよくあります。
①授乳方法を見直す
赤ちゃんが上手におっぱいに吸いつけていないと、授乳のたびに乳首に余計な圧がかかり炎症を起こしてしまいます。
授乳方法を見直すポイントは、「抱き方」と「赤ちゃんの口」です。
【抱き方のポイント】
下の図のように赤ちゃんがおっぱいに十分近くなるようクッション等を活用することや、赤ちゃんの体がお母さんの体としっかり向き合うように抱っこすることなどです。
引用:【実例で学ぶ】初めての母乳育児もこれで安心!授乳のコツや乳腺炎、NG食材など徹底解説!
【赤ちゃんの口のポイント】
赤ちゃんのお口は、しっかり大きく開いて、特に下あごがおっぱいに押しつけられていることがポイントです。
「抱き方のポイント」がしっかりできていないと、赤ちゃんのお口も上手くいかないので注意しましょう。
これらのポイントに注意して授乳をすることで、白斑があることで赤ちゃんが乳首に吸いつくときには痛みがあっても、飲んでいる最中には痛みをほとんど感じなくなるはずです。
もし、飲んでいる最中も痛みが続く場合は、母乳外来や助産院で授乳方法を相談してみましょう。
また、痛みが強くて授乳がつらいときには、一時的に搾乳に切り替える場合もあります。
②お母さんの生活を見直す
白斑は、疲れや睡眠不足などがあると、なかなか改善しません。以下のようなことに注意しましょう。
- 十分な睡眠や休息
- 栄養をしっかりとる(バランスの良い食事)
- きついブラジャーは白斑を刺激してしまうので避ける
- 入浴等、体を温める
③受診を検討する
授乳方法や生活を見直すことで、1週間程度で徐々に改善していることを感じられると思います。
もし、変わらない場合や、痛みが悪化している場合、乳腺炎の兆候がみられる場合には、早めに受診しましょう。
乳腺炎については、以下のコラムを参考にしてください
【乳腺炎って?】症状や対処方法、先輩ママたちの疑問に答えます! 助産師監修
【乳首の傷】できてしまったらどうする?
ここでは、母乳育児のトラブルのひとつである乳首の傷について、原因や予防方法、対処方法を紹介します。
(1)乳首の傷ってどんなもの?
母乳育児をしていると、乳首が痛くなってくることがあります。目に見えない程度の擦り傷でも、普段からヒリヒリ痛んだり、授乳の際は「飛び上がるほど痛い」と表現される方も少なくありません。
また、乳首の根本がパックリと切れてしまう方もいます。
原因としてよく言われることは、「授乳時間が長すぎる」「授乳回数が多すぎる」ことですが、もっとも大きな原因は授乳方法です。
授乳時に赤ちゃんとお母さんの距離が遠すぎることで、赤ちゃんが乳首に十分深く吸いつけず、浅い飲み方になってしまうことで乳首に大きなストレスがかかり、傷ができてしまいます。
正しい授乳方法を再確認することが乳首の傷の予防・改善につながります。
乳首の傷ができてしまったらどうする?
まずは、1章「白斑ができてしまったらどうする?」 の授乳方法や生活の見直しを確認しましょう。白斑同様、乳首の傷も正しい授乳方法と生活の見直しで改善を目指します。
また、乳首に傷があると、傷からばい菌が入り感染性乳腺炎になる可能性があります。授乳方法によってはうっ滞性乳腺炎になる可能性もあります。
早めに対策し、難しい場合には受診して授乳方法をチェックしてもらうと良いでしょう。
万が一乳腺炎になってしまった場合に早めに気づけるよう、下記の乳腺炎についてのコラム も参考にしてください。
【乳腺炎って?】症状や対処方法、先輩ママたちの疑問に答えます! 助産師監修
【母乳トラブルを予防したい!】先輩ママから聞いたよくある疑問Q&A
ここでは、先輩ママから聞いた、母乳育児についての疑問に答えます。
(1)授乳後は搾乳で母乳をカラにした方が良い?
母乳は、基本的には赤ちゃんに必要な量だけ作られます。
赤ちゃんが乳首を吸うと、それが刺激となって体は母乳を作ります。逆に、おっぱいに母乳が残ったままになっていると、体は「作り過ぎた」と判断して分泌量を減らします。
もし、赤ちゃんに母乳をたくさん飲ませたいけれど分泌量が少ない、と感じているのならば、赤ちゃんが飲み残した母乳は搾乳してカラに近づけた方が分泌増加が期待できます。ただし、やり過ぎるとたくさん作り過ぎるようになる可能性もあるので気を付けましょう。
逆に、母乳をたくさん作り過ぎてしまう体質(分泌過多)であれば、たくさん残った母乳を搾乳してカラに近づけてしまうと、体は「足りなかった」と勘違いしてさらに分泌量が増加してしまう可能性があります。分泌過多の場合、胸が張って痛いときの搾乳はラクになる程度にとどめておきましょう。
また、乳腺炎の際にはしこりや溜まり過ぎた部分の母乳を排出することが大切です。赤ちゃんに吸ってもらうことが一番ですが、難しい場合には、しこりや詰まりの改善を目的に搾乳すると良いでしょう。
搾乳は、目的や状況に合わせて行うかどうか、どの程度搾るかを決めることが大切です。
(2)脂肪の多い食事は乳腺炎などのトラブルが増える?
昔は、脂肪の多い食事は母乳育児には良くないと言われていました。
実は、このことには根拠となる研究がありません。
母乳育児の支援のための医師による世界的組織であるABMでは、乳腺炎の予防としての食事には言及していません。また、WHO(世界保健機関)では、授乳中の女性が特別なものを食べたり避けたりする必要はないとしています。
(引用:乳腺炎ケアガイド ライン2020)
ただ、乳腺炎が疲れやストレスも原因のひとつであることを考えると、体調不良時や乳腺炎の兆候を感じたときには、消化のよい食事をおすすめします。
脂肪の多い食事は、消化のために胃腸への負担が大きくなるためです。
ほかにも、乳製品や甘い食べ物など、さまざまな食品が母乳育児と相性が悪いと言われてきましたが、脂肪同様、根拠となる研究はありません。
まとめ
母乳育児のよくあるトラブルである「白斑」「乳首の傷」について、原因や症状、対処方法などを紹介しました。
母乳育児は、抱っこ方法や赤ちゃんの吸い方をチェックすることがとても大切です。これらが上手にできることで、白斑や乳首の傷だけでなく、乳腺炎など授乳にまつわるほかのトラブルの予防にもなります。
母乳育児が順調なうちに、正しい授乳方法をマスターしましょう。
また、母乳育児の代表的なトラブルである乳腺炎については、以下のコラムで説明しています。
【乳腺炎って?】症状や対処方法、先輩ママたちの疑問に答えます! 助産師監修
ぜひ、チェックしてみてください。
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