子ども一人の子育て費用は、2,000万円以上と言われています。この金額をすべて自分で準備するとなると、負担が大きいと感じる方も多いでしょう。さらに、兄弟姉妹のことを考えると、どのようにして準備したら良いのか悩ましくなります。
国や自治体にはさまざまな子育て支援制度があり、給付金の支給やサービスの提供などを行っています。この記事では、2025年の子育てに役立つ支援制度について解説しています。自己負担額がどれくらいになるのかを知っておくと、準備するための計画を立てられるでしょう。子どもの入学のタイミングなどを見据えて、今からできることをはじめましょう。
子ども1人の出産費用は80万円以上
出産費用は大きく分けて、妊婦健診、マタニティ・ベビー用品の準備、入院費・分娩料がかかります。この3つを全て自己負担すると、標準的な出産費用の合計金額は約80万円になりますが、実際には給付金や公的制度を活用することで、自己負担額は約10万円で済みます。
それぞれの内訳については、こちらの記事を参照にしてみてください。
子ども1人の子育て費用は2,000万円以上
子ども1人の子育て費用は、約2,000~3,500万円と言われています。その差は、幼稚園なのか保育園なのか、公立なのか私立なのかなど、多くの選択肢によって大きく変わってきます。子どもが大学まで進学する場合、もっとも費用がかからないパターンでも2,000万円は準備しておきたいものです。
住んでいる地域や家庭環境によっても違いますが、大きくは子どもの成長の段階に応じて子育てにかかる費用が違っています。
子育て費用のシミュレーションの方法もお伝えしていますので、こちらの記事も参考にしてみてください。
子育てに役立つ支援制度
現在、少子化対策として、以前と比べて多くの子育て支援制度が充実しています。では、実際にはどのような子育て支援制度が整備されているのでしょうか。
国からの支援
まずは国からの支援制度についてみていきましょう。以下の4つの制度を活用することで、子育て費用の自己負担軽減が見込まれます。
- 育児休業給付金
- 児童手当
- 幼児教育・保育の無償化
- 高等学校等就学支援金制度
それぞれの制度について詳しく解説していきます。
育児休業給付金
育児休業給付金とは、出産前に雇用保険に加入し、いくつかの条件を満たして仕事をしていた方を対象に、育休中の家計を支えるために雇用保険から支給される給付金です。
育児休業給付金の支給額の月額は、以下の計算式によります。
育児休業開始後6か月まで 休業開始時賃金日額×67%×支給日数(30日)
育児休業開始後7か月以降 休業開始時賃金日額×50%×支給日数(30日)
育児休業開始前6カ月間における1カ月あたりの賃金によって休業開始時賃金日額が決まり、育児休業給付金の支給額が変わってきます。
産後8週までは出産手当金が支給されますが、育休中も育児休業給付金があると、赤ちゃんとの生活に充てることができ、十分役立ちます。もちろん産休後に育休を取らずに働くことも可能です。その場合には育児休業給付金は支給されずに、給与が支払われることになります。
児童手当
児童手当は2024年10月分より制度が以下のように変更になりました。
第1子の場合、児童手当の支給総額は約240万円になります。「第3子以降」の数え方については、22歳年度末までは子どもとしてカウントされることとなり、子どもが3人以上いる家庭では、支給額が大きく増額されることとなりました。
幼児教育・保育の無償化
幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3~5歳までの全ての子どもたちの利用料が無料になります。子育て費用2,000万円を算出する際に、幼児教育・保育の無償化分を考慮して計算していますので、ここからさらに自己負担額が軽減されるわけではありませんが、誕生月が年度の初めの4月の子ども場合は約4年間保育料が無償化されることになります。保育料月額40,000円で誕生月が4月の場合、約190万円が無償化されるのは、非常に大きい負担軽減になっていることがわかるでしょう。
高等学校等就学支援金制度
高等学校等就学支援金制度では、高等学校の授業料の負担軽減を目的として、返還の必要がない支援が受けられます。家族の人数や年齢、働いている人の人数等で年収制限があり、一般的には高等学校の種類によって支援額が変わります。
公立高校の場合、年間118,800円を支給され、実際には授業料の負担は実質0円になります。私立高校の場合には、最大で年間396,000円を支給されます。実際には授業料以外にも制服代や教材費、施設費などがかかり、私立高校では費用が高くなる傾向にあります。
子育て費用2,000万円を算出する際に、高等学校等就学支援制度を考慮して教育費を算出していますので、ここからさらに自己負担が軽減するわけではありません。また、学校以外に塾に通うことも考えられるため、学校の授業料が実質負担0円になるのは、子育て費用の自己負担軽減に非常に役立っています。
自治体からの支援
国から以外にも、各自治体単位で特徴のある子育て支援制度を設けています。今後住む場所を検討している方は、地域ごとの子育て支援制度に関する情報も参考にしてみましょう。子育てしやすい都市や街を選ぶのも、家族と毎日を楽しく生活するのに重要なポイントになります。
子どもの医療費助成制度
本来、公的医療保険を利用することで、就学前は医療費の2割を自己負担し、それ以降70歳になるまでは3割を自己負担します。子どもの医療費助成制度を利用すると、対象期間によって自己負担なしもしくは一部自己負担ありで、病院を受診できます。
子どもの医療費助成制度の対象年齢は、0歳からはじまり、就学前や中学3年生、高校3年生までなどさまざまで、助成金額や期間・対象年齢にばらつきがあるのが現状です。
子育て費用を2,000万円と算出する際に、子どもの医療費助成制度を活用したうえでの医療費を使用していますので、ここからさらに自己負担の軽減が見込まれるわけではありません。ただし、もし医療費助成制度がなく、2~3割負担をした場合の医療費との比較は以下のようになります。
引用:厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額)(平成24年度実績に基づく推計値)」
所得制限などが設けられている自治体もありますが、子どもが対象年齢にある場合はしっかり制度を利用することで、自己負担を大きく減らせることがわかります。
ファミリーサポートセンター
ファミリーサポートセンターでは、地域で子育て支援を行うサービスです。子どもが発熱したけれど仕事が休めない場合やお迎えが間に合わない場合など、子育てを支援してくれる協力会員の方に代理を依頼できます。
パートナー以外に近くに頼れる方がいない家庭が増えている中で、より家庭の事情に寄り添いサポートをしてくれるため、子どもが生まれたらサポートを依頼できるように登録しておくと困ったときに役立つでしょう。
子育て支援パスポート
子育て支援パスポートを店舗などで提示することにより、さまざまなサービスを受けられる制度があります。「子育て支援パスポート事業」に協力している店舗で、商品の割引や無料サービスの提供などを受けられます。
自治体によって配布されるパスポートを提示する場合もありますが、特に申請は不要でスマートフォンなどによって自治体のパスポートを提示するだけでよい場合もあります。協力店舗にはステッカーが貼ってある場合も多いですが、各自治体の子育て支援パスポート協力店舗の情報もチェックして楽しみましょう。
まとめ
2025年現在、多くの子育て支援制度が充実しており、給付金によって自己負担を軽減したり、現物やサービスによって子育てを支援したりしています。
子育て費用は、さまざまな子育て支援制度を利用しても2,000万円程度は必要と考えられています。児童手当の制度がいつまで継続されるかはわかりませんが、2025年1月現在の制度では、すべての子どもに支給される児童手当の総支給額は、第1、2子の場合約240万円です。これらを子育て費用に充てるとしても、1,800万円以上は準備しておいた方が良いでしょう。
今後も新たな制度が整備されてくる可能性はありますが、以前に比べると自己負担はかなり抑えられるようになりました。制度の内容がリニューアルされていくことも考えられるため、常に最新の情報に耳を傾け、手続きを怠らないようにしておきましょう。
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