こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このコラムでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回のテーマは「産後の冷やす・温める」です。妊娠中だけでなく、産後もいろいろなマイナートラブルがあるけれど、冷やした方がよいのか、温めた方が良いのか迷うことも多いですよね。それぞれの状況に合ったケアを紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
もくじ
産後のマイナートラブル!冷やす?温める?
ここでは、産後によくあるマイナートラブルについて、冷やした方が良いのか、温めた方がよいのかを紹介します。
腰痛やむくみ、足がつることについては「妊娠中のマイナートラブルはどちらで対処すべき?」を参考にしてください。
会陰の傷の痛み
会陰の痛みは、産後数日程度は炎症を起こしていることによるものなので、まずは冷やしましょう。冷やすことで痛みが少し和らぐと思います。
体全体を冷やしたくないので、できるだけ会陰をピンポイントで冷やすことが大切です。
産前産後の女性のための温冷両用のジェルパッド「ラルルシリーズ」(三重化学工業)は冷蔵庫や電子レンジを使って、簡単に冷やしたり温めたりすることができオススメです。

産後数日が経過すると傷が落ち着いてくるため、今度は会陰を温めた方が気持ちよく感じるようになります。
温めることで血行が促進され、傷の治りが早くなることが期待できます。
腱鞘炎
腱鞘炎は、手首の筋肉を酷使することで起こりやすくなります。
手首のストレッチをすることである程度予防になりますが、腱鞘炎になってしまったらストレッチはやめ、痛い部分を冷やしながら安静にすることが大切です。痛みが落ち着いてきたら、温めると血行が促進され、痛みの緩和や治癒が進みます。
「冷やす」から「温める」に切り替える目安は以下の通りです。
- 3~4週間は強い痛みが続くことが多いので「冷やす」
- 強い痛みが落ち着いて慢性化してきたら「温める」
- 初期は「冷やす」が、温めた方が気持ち良いと感じるようになったら切り替える
子宮収縮
産後すぐは、子宮収縮の状態によっては子宮を冷やすことがあります。これは子宮収縮を促進し、産後の出血を抑えることが目的です。産院で子宮を冷やすよう言われた場合には、必ず従いましょう。
一方で、子宮収縮が順調であれば、必ずしも冷やす必要はありません。むしろ冷やすことで後陣痛を強く感じやすいため、入院中であれば医師や助産師に確認した上でカイロなどで温めると痛みが和らぎます。
痔
産前産後に痔になる方は少なくありません。
肛門周囲を温めた方が良いか冷やした方が良いかは、痔の状態によって変わるため、まずは受診をおすすめしますが、産後に多いいぼ痔や切れ痔は、温めることが一般的です。
また、体全体を温めて血行を良くしておくことで悪化予防になります。
帝王切開の傷
帝王切開の傷跡のかゆみが強くなる場合があります。
強く掻くと傷の治りを悪くする原因となります。かゆみが強いときには、冷蔵したジェルパックなどで冷やしましょう。
また、産後数か月経っても、寒さや低気圧などで傷が痛む方も少なくありません。カイロなどで温めると痛みが和らぎます。
ただし、傷がジクジクしていたり赤みが強くなっている、熱感などの症状がある場合は必ず受診してください。
産後の冷えについては、以下のコラムでも詳しく解説しているので参考にしてください。
↓
【母乳への影響も!?】産後の冷えの原因・チェック・対策 助産師監修
https://lucky-industries.jp/column/11687/
おっぱいの張りや母乳分泌不足、乳腺炎!冷やす?温める?
おっぱいは、冷やした方が良い場合と温めた方がよい場合が少し複雑です。どちらが良いか判断がつかない場合は、早めに母乳外来などで相談しましょう。
張りがつらい、分泌量を減らしたいときは冷やす
産後数日経つと、おっぱいが急に張ってくることがあります。最初の張りは特に強く、かなり痛む方が少なくありません。赤ちゃんにどんどん飲んでもらうことで張りを改善するのが一番ですが、まだ赤ちゃんも飲むのがそんなに上手ではないことが多いため、おっぱいを冷やして、分泌をセーブした方が良い場合があります。
ただし、冷やし過ぎると母乳の分泌量が減ってしまうことがあるため注意が必要です。冷タオルやジェルパッドで冷やす場合、冷凍ではなく冷蔵庫で冷やしたものを使いましょう。
分泌量を増やしたいときは温める
逆に、分泌量を増やしたい場合にはおっぱいを温めるようにしましょう。ただし、産後1週間程度はおっぱいの状態は非常に不安定なので、足りていないと思って温めたら、増えすぎて大変になってしまうこともあります。できるだけ病院のスタッフに相談してからケアしましょう。
また、赤ちゃんが十分な量を飲めていない場合、授乳の直前におっぱいを温めると赤ちゃんが飲みやすくなります。
乳腺炎になってしまったらまずは冷やす
乳腺炎になると、おっぱいの全体や一部がカチカチになります。詰まった部分が赤くなり、痛みも出るので、冷蔵のジェルパッドなどで痛い部分を冷やしましょう。
また、乳腺炎になると、おっぱいが出にくくなりますが、授乳直前におっぱい全体を温めると出やすくなります。乳頭周囲がカチカチになって赤ちゃんが吸いづらい場合は、乳頭周囲を温めた上で少しだけ搾乳をすると柔らかくなり、赤ちゃんが飲みやすくなります。
乳腺炎の予防や改善には、胸を締めつけないことも大切です。
抱っこ紐で胸を圧迫してしまうこともあるため、抱っこ紐選びには注意が必要です。
日本で一番長い歴史を持つ抱っこひもメーカー、LUCKY industriesの抱っこ紐「PULUA BABY CARRIER」は
「抱っこひもを装着すると赤ちゃんが苦しそう」、「胸を圧迫するので付け心地が悪い」といった問題を解決できる抱っこ紐。
サイズ調整は「使用者と赤ちゃんの胸を押し付ける構造」が一般的であるのに対してPULUAは、「おしりから引き上げるだけの構造」なので、胸が締めつけられにくいという特徴があります。
また、乳腺炎の予防や対策については以下のコラムで詳しく紹介しているので、参考にしてください。
↓
【乳腺炎って?】症状や対処方法、先輩ママたちの疑問に答えます! 助産師監修
https://lucky-industries.jp/column/12386/
産後の体を温活で癒そう!
妊娠中は、マイナートラブルの予防や改善、そして出産に向けて温めることがとても大切です。ここでは妊娠中の温活について説明します。
産後の温活の必要性と方法
産後は体を温めることで以下のようなメリットがあります。
- 出産の傷の治癒がスムーズに
- 腰痛などの体の痛みの予防・改善
- 母乳トラブルの予防・改善
- 自律神経を整える
- 免疫力UP
体を温めるには、以下のような方法があります。
- 入浴はシャワーでなく湯船につかる
- 足浴
- カイロやレッグウォーマー、腹帯などのグッズを利用する
- 足や足首が冷えないよう、靴下やレッグウォーマーを使う
- 冷たい食べ物・飲み物を避ける
- シャワーで済ませず湯船につかる
- ウォーキングなどの有酸素運動やストレッチ等をする
湯船にゆっくり浸かることはとても大きな効果がありますが、産後1か月は残念ながらシャワー浴しかできません。特に寒い時期のシャワー浴は体が冷えてしまいがちです。
たとえば浴室の換気扇を止め、湯船の蓋を開けた状態でお湯を張れば、温かい浴室でシャワーを浴びることができます。
食べ物は、生姜をはじめとした根菜は体を温めてくれるためおすすめです。また、カフェインは体を冷やしてしまうため、控え目にしましょう。
出産時には少なくない出血をしている方がほとんどなので、産後は貧血気味の方も多いです。貧血は冷えの原因となります。鉄分の多い食事を心がけましょう。
運動は、筋肉を動かすことで熱が生まれて体が温まり、筋肉が増えれば、冷えづらい体づくりになります。特に、軽めの運動は気分転換や自律神経を整えることにも効果的なのでおすすめです。
時間がないときでも自宅ですぐにできる簡単な運動として、足首回しがおすすめです。裸足になり、足の指の間に手の指を入れこんだ状態で足首を回すと、足の先まで血行が改善されます。足首回しをした足と、していない足の色を比べてみてください。効果がよくわかります。

産後もおすすめ!いろいろな温活グッズ
温活グッズは、カイロや腹帯、レッグウォーマー以外にも、レンジで簡単に準備できて繰り返しさまざまな部分に使えるジェルパッドもおすすめです。お腹を温めるのはもちろん、肩や腰も温められ、血行促進が期待できます。

産後は目の疲れから肩こりや頭痛に悩む方も少なくありません。寝る前などのちょっとした時間に目をホットパックすることで、目の疲れの改善だけでなく、頭痛や肩こりの緩和、安眠にも役立ちます。
体を温めることは、副交感神経を活性化し、リラックスモードに入ることができます。
また、お腹から下は特に冷えやすいため、意識的に温めるようにしましょう。
たとえばレンジであたためるだけで使えるジェルパッドなどで股関節や下腹を温めることもおすすめです。授乳中に使うようにするなど一日に何度も温めれば、下半身の血流改善が期待できます。

足の冷えには足湯がおすすめです。特に産後1か月以内のシャワー浴の時期は、体が冷えがちです。大きめのバケツなど足が入る容器を使ってひざから下を温めると、自分でも驚くほど気持ちが良いと思います。
また、ご家族の入浴用に沸かした湯船で足湯をするのも特別な準備が要らないので手軽です。シャワー浴直前の足湯も、体がポカポカの状態で入浴できるのでおすすめです。
まとめ
産前のマイナートラブルや母乳トラブルでは状況に合った適切な対処が大切です。でも、基本はいつも体を温かく保つことです。
食べ物や飲み物、入浴、いろいろなグッズ…さまざまな物を活用して、元気な体で過ごしたいですね!
ラッキーインダストリーズについて
本コラムを運営するラッキーインダストリーズは1934年から続く日本の抱っこ紐メーカーです。POLBAN,pittoresk,Lucky 1934ブランドを展開し、子育てをサポートしています。このコラムを通じて、さらに多くの方々の子育てを支援できれば幸いです。
「無料オンライン相談」、試して購入できる「レンタルサービス」、実際の商品を確認できる「自由が丘直営店」等、より多くのユーザー様をサポートしてまいります。お気軽にご利用ください。