「妊娠したら保険に入った方がいい?」「妊娠や出産で保険があると助かることはある?」
妊娠したら保険に入った方がいいのか悩む声をよく耳にします。その理由は、一般的に妊娠は病気ではないため、公的医療保険の保険適用外になるからです。普段は健康なママであっても、妊娠中は予想もしないトラブルが起こる可能性があるため、保険に入っておくと安心できます。
この記事では、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)のひかりが、妊娠中の保険の必要性と選び方のポイントについてわかりやすく解説しています。「保険に入っていると助かる」というケースを紹介しますので、妊娠中の保険が自分に必要かどうか考えるための参考にしてみてください。
妊娠中に保険は必要?
妊娠中に必ず保険が必要とは言いきれません。しかし、妊娠前どんなにママが健康であっても、予想もしなかった体の変化やトラブルが起こる可能性があります。何のトラブルもなく妊娠期を過ごせれば、それが1番良いのは言うまでもありません。あくまで「保険はお守り」です。保険に入るべき理由や妊娠中でも入れる保険があるのかについて解説します。
妊娠中に保険に入るべき理由
妊娠中に保険に入るべき理由は、主に3つあります。
- ママの医療費の自己負担が軽減される
- 保障対象が充実している
- 非常時の家族の生活費に充てられる
切迫早産、妊娠高血圧症候群などが原因で入院した場合、公的医療保険が適用されます。しかし、高額療養費制度を利用しても、1か月の医療費の自己負担限度額はほとんどの方が35,000円から80,000円程度です。出産準備で支出が増える中、急に入院費用も必要となると大変ですよね。入院だけでなく、自宅安静で通院中の場合でも、保障の対象となる保険があり、保障対象が充実しているのも理由の1つです。
また、ママの入院中や自宅安静中は、家事や上の子どものお世話ができず支援が必要になる場合もあり、非常時の家族の生活費についても考えておかなければなりません。公的医療保険だけでは十分とは言いきれず、妊娠中に保険に入っておくと安心です。
参照:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
妊娠中でも入れる保険
妊娠中でも入れる民間の医療保険があります。しかし、妊娠週数によっては加入できないケースもあり、妊娠19から27週までを加入条件としている医療保険が多いようです。加入できても、妊娠や出産に関して一定期間は保障しないという条件がついている医療保険もあるため、契約前に条件を必ず確認することが大切です。
妊娠を考えているならば、できれば妊娠する前に医療保険に加入しておくと良いでしょう。
妊娠から出産まで 保険があると助かるのはどんなケース?
妊娠から出産までの間、実際にどんなケースで保険があると助かるのか解説していきます。この5つのケースは、どの妊婦さんにも起こる可能性があります。
- 妊娠高血圧症候群・切迫早産
- つわり
- 妊娠うつ
- 乳腺炎
- 帝王切開手術
「私は大丈夫」と考えずに、もし自分がなった場合の、家計のシミュレーションと対策をしておきましょう。
妊娠高血圧症候群や切迫早産
妊娠高血圧症候群や切迫早産では、自宅安静で症状がコントロールできない場合、入院管理が必要となります。2~3か月ずっと入院になる場合もあるのです。妊娠高血圧症候群の方に、けいれん予防のためや重症の高血圧に対する薬を使うこともあれば、切迫早産の方に、お腹の張りを抑える薬を使うこともあります。
入院だけでなく、自宅安静中の通院も保障対象となる保険もあるため、すでに医療保険に加入している方は、妊娠期間だけ上乗せで加入を検討してもいいでしょう。
つわり
つわりも、水分や食事がとれないなど、症状がひどい場合は入院管理が必要になりますが、自宅安静になるケースがほとんどです。つわりでの通院も保障してくれる保険があります。
妊娠うつ
妊娠による急激なホルモンバランスの変化や、自分の体や気持ちの変化により、妊娠中にうつになる方もいます。妊娠うつでの通院も保障対象となる保険があります。
乳腺炎
産後しばらくして乳腺炎になる方も多く、乳房マッサージのために何回も通院が必要になるケースがあります。医師によって乳腺炎と診断されれば公的医療保険が適用になりますが、出産したばかりの体で何回も通院するのは、精神的にも肉体的にもつらいものです。乳腺炎も保障の対象となる保険があるため、加入しておくと自己負担がさらに軽減されることになるでしょう。
帝王切開手術
帝王切開は、赤ちゃんやママの状態によって急に決まる場合もあれば、前回の出産が帝王切開だったからなどの理由で予定を立てて行われる場合もあります。年々、分娩件数に占める帝王切開手術の割合が高くなってきています。2020年は21.6%で、およそ5人に1人が帝王切開によって生まれてきていることがわかります。
いずれの場合も公的医療保険が適用され、ほとんどの場合、高額療養費制度を利用することになります。1か月あたりの自己負担限度額も35,000円から80,000円程度になる場合がほとんどです。赤ちゃん用品の準備などで出費が重なる時期だからこそ、帝王切開手術を保障対象としている保険に加入しておくと安心ですね。
参照:厚生労働省「令和2(2020)年医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」ページ20
妊娠から出産まで 保険の選び方とは?
妊娠から出産までの様々なトラブルを保障してくれる保険を選ぶとき、注意すべき選び方のポイントは2つです。
- 保障範囲
- 保険金の支払いタイミング
保障範囲
保障範囲は、保険によって様々です。もし働いている方であれば、切迫早産などで自宅安静になり働けなくなった場合でも、傷病手当金が支給される可能性があります。標準報酬月額の2/3程度が支給されるため、家計上その金額で十分という方は、入院や帝王切開手術を保障してくれる一般的な医療保険への加入のみで十分でしょう。
働いていない方の場合、自宅安静になっても傷病手当金は支給されません。妊娠中に、妊娠高血圧症候群や切迫早産などで自宅安静にしながら通院になるケースも多く見られます。入院や帝王切開手術に備えた医療保険だけでもいいですが、妊娠や出産に関する通院も補償の対象となる保険に加入しておくと安心でしょう。
一般的には、個室に入院すると、個室料としての差額ベッド代は公的医療保険の適用外となり、差額分は全額自己負担になります。妊娠中の入院では、個室で過ごしたいという方も多く、そのような場合に保険に加入しておくと、差額ベッド代を保険金で補填することも可能です。
保険金や給付金の支払いのタイミング
予想していなかった妊娠中のトラブルのために、医療費の負担が増えて困っているとき、保険金がすばやく支払われると、非常に助かりますよね。保険金は、ほとんどの場合、申請書類が受理されてから5営業日以内に支払われます。ただし、保険会社によって規定が異なるため、契約時に確認するようにしましょう。
まとめ
妊娠中の保険の必要性と、保険選びのポイントについて解説してきました。特に初めての出産の場合、あれこれ不安に考えてしまいがちです。ママの不安が、お腹の中の赤ちゃんに伝わってしまうかもしれません。保険はお守りです。保険を使用する事態にならないことが1番ですが、加入していると、もしもの場合の費用面での不安は軽減されるかもしれません。
妊娠から出産に関わる公的制度についても解説していますので、そちらも参考にしつつ、自分に必要な保障内容の保険への加入を検討してみましょう。
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