元保育士のひなた葵です!
プライベートでは小学4年生になる娘が1人います。
妊娠中期から後期にかけて、「血圧が少し高めですね」と言われたことはありませんか?
妊娠中は体にさまざまな変化が起こります。
血圧の変化もそのひとつで、なかには「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)」と関係している場合もあります。
とはいえ、正しい知識と日々のケアで、リスクを減らすことも十分可能です。
この記事では、妊娠高血圧症候群について、どんな症状があるのか、どんな人がなりやすいのか、赤ちゃんへの影響や予防のヒントまで、わかりやすくお伝えします。
安心して妊娠生活を送るためのヒントに、ぜひお役立てください。
もくじ
1.妊娠高血圧症候群とは?
「妊娠中毒症」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
これはかつて使われていた呼び名で、現在では「妊娠高血圧症候群」と呼ばれています。
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降に高血圧やたんぱく尿などの症状が現れ、出産後には自然と改善していくのが特徴です。軽い症状のまま経過する方も多いですが、重症化すると、お母さんにも赤ちゃんにも命に関わる深刻な影響を及ぼす可能性があります。
実際、日本では妊婦さん100人のうち約4人がこの病気になるとされており、そのうちの約2割は重い症状を伴うことがわかっています。多くは妊娠20週以降に発症するので、特に妊娠後期にかけて注意が必要です。
そのため、妊婦健診での定期的な血圧測定や尿検査などによって、早期発見と適切な対応を行うことがとても重要となります。
2.なぜ妊娠高血圧症候群が起きるの?
妊娠高血圧症候群がなぜ起こるのかは、まだはっきりとはわかっていません。
ですが、最近の研究では、胎盤がうまく作られなかったことが関係しているのではないかと考えられています。
胎盤は、赤ちゃんに栄養や酸素を届けるための“命綱”のようなものです。
妊娠初期に、赤ちゃんのための胎盤が子宮の中に根を張るようにして作られていくのですが、この過程で何らかのトラブルが起きることがあります。
胎盤がうまく根を張れないと、赤ちゃんへの血流が少なくなってしまい、体はそれを補おうとして血圧を上げようとします。これが、妊娠高血圧症候群の原因のひとつとされています。
また、胎盤の調子が悪いと、体にとってよくない物質(血管を縮めるものや炎症を起こすもの)が出てきて、むくみや尿たんぱくなどの症状が出ることもあります。
つまり、胎盤がしっかり作られていないことで、お母さんの体が無理をしてがんばりすぎてしまう状態になるのが、妊娠高血圧症候群なのです。
3.妊娠高血圧症候群はどういう人がなりやすい?
妊娠高血圧症候群は、すべての妊婦さんに可能性がありますが、
- 初産婦
- 35歳以上または18歳未満の妊婦さん
- 多胎妊娠(双子や三つ子など)
- 肥満傾向のある方
- 高血圧、糖尿病、腎臓病などの持病がある方
- 家族に妊娠高血圧症候群の既往歴がある方
- 妊娠中に急激に体重が増加した方
などの方は注意が必要とされています。
体質や生活習慣が影響すると考えられているので、自分のリスクを知っておくことが予防の第一歩に繋がっていきます。
4.妊娠高血圧症候群になると子どもに影響が出る?
妊娠高血圧症候群が進行すると、お腹の中の赤ちゃんにも様々な影響が及ぶ可能性があります。
たとえば、赤ちゃんがお腹の中で十分に成長できなくなる「胎児発育不全(IUGR)」が見られることがあります。IUGRとは、赤ちゃんが妊娠週数に比べて小さく、十分に成長できていない状態のことを指します。IUGRになると、赤ちゃんが十分な栄養や酸素を受け取れず、体重が増えにくくなったり、体の機能が未熟なまま生まれてしまうことがあります。
また、お母さんや赤ちゃんの状態が悪化した場合には、安全を最優先に考えて、予定より早く出産を行う「早産」が選択されることもあります。
さらに、まれではありますが「胎盤早期剝離」といって、本来なら出産時まで子宮にしっかりとついているはずの胎盤が途中ではがれてしまうこともあり、これは母体と胎児の両方にとって非常に危険な状態となります。ごく稀なケースではありますが、適切な対応が遅れることで赤ちゃんの命に関わる状況になりかねないため、気を付けなければいけません。
妊娠高血圧症候群にならないためには?
妊娠高血圧症候群を完全に防ぐことは、まだ原因が解明されていないため難しいですが、日常生活の中でリスクを減らすことは可能です。
リスクを減らすためにポイントをまとめていきます。
〇塩分過多に気を付ける
まずは、塩分を摂り過ぎると血圧上昇に繋がりやすいので、日々の食事を工夫して、塩分を控えめにすることが大切です。
食事の味付けを薄くし、加工食品や外食を控えめにするなどして、可能な限り塩分の摂取を少なくしましょう。
〇体重をコントロールする
体重を増やし過ぎなければ大丈夫と思われがちですが、急な体重の減少でも妊娠高血圧症候群
のリスクが生まれます。
体重の増減が著しい場合、医師の指導のもとで適正な体重増加となるようコントロールしていきましょう。
〇適度に体を動かす
妊娠高血圧症候群の予防には、適度な運動も大切です。
無理のない範囲で散歩やマタニティヨガなどを取り入れることで、血液の循環を良くすることが期待できます。こちらも医師の指導のもとで許可された運動を無理のない範囲で行ってみてください。
〇妊婦健診をしっかり受ける
定期的な妊婦健診を受けることが最も重要です。
定期健診で行う血圧測定や尿検査を通じて、早期に異常を発見することができ、早い段階で適切な対応を取ることができます。
妊娠高血圧症候群のリスクを減らすためには、これらの日常的な工夫を意識することが効果的です。
どんな症状が出たら受診すべき?
妊娠高血圧症候群は自覚症状が少ないこともありますが、
- 頭痛や目のチカチカ(視界の異常)
- むくみ(特に顔や手足)
- 急激な体重増加(1週間で2kg以上など)
- 上腹部の痛みや圧迫感
- 高血圧(健診で指摘された数値を超える値)
- 胎動が急にいつもより少なくなる
上記のような変化があれば、次の健診時まで待たずに、すぐに医師に相談しましょう。
妊娠高血圧症候群と診断されたら?
もし妊娠高血圧症候群と診断された場合、まずは焦らず、冷静に医師の指示に従うことが非常に大切です。
軽度の症状であれば、食事指導や安静、通院での経過観察が中心となります。
生活習慣の見直しや適切な休息を取り入れ、症状が進行しないように注意深く経過を見守っていく流れになります。
一方で、症状が中等度以上である場合や悪化している場合は、入院管理が必要となることもあります。
また、状況によっては、早期に分娩を行う選択肢が検討されることもあります。
特に、赤ちゃんやお母さんの健康にリスクが生じた場合は、安全を最優先にして、最適なタイミングでの出産が行われることになると覚えておきましょう。
最近は、母子ともに安全を守るための医療体制が整っており、早期の発見と適切な対応によって、多くの妊婦さんが無事に出産を迎えることができています。妊娠高血圧症候群が発覚した際も、専門的な医療ケアを受けることで、お母さんと赤ちゃんの安全を守り、良好な結果を導くことが十分可能なので、医師の指導に従って、安全な出産を目指してくださいね。
まとめ
妊娠高血圧症候群は、誰にでも起こり得る可能性のある病気です。しかし、リスクを理解し、早めに気づくことができれば、赤ちゃんもお母さんも安心して出産を迎えることができます。
妊娠期間は不安なことも多いですが、決して一人で抱え込まず、周囲の人や医療機関と連携しながら、穏やかに過ごせるようサポートを受けてくださいね!
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