産前

【総まとめ】妊娠中のサプリメント~3つのポイント 薬剤師監修

  • #薬剤師

更新日 2023/12/04

「妊娠中は、薬だけでなく、サプリメントにも気をつけないといけないの?」

「赤ちゃんのためにも、妊娠中の栄養補給にサプリメントをのみたい」

ママは、”お腹の赤ちゃんにとって良いもの・悪いもの”に気を付けながら、毎日生活していますよね?特にママが口に入れるものには、細心の注意を払っています。妊娠したら、薬だけでなくサプリメントにも注意が必要です。また妊娠前から積極的にのんでおきたいサプリメントもあるので、妊娠を希望する方は要チェックです。

この記事では、薬剤師であるひかりが、妊娠中のサプリメントについて、3つのポイントをお伝えしていきます。楽しいマタニティライフを安心して過ごすために、参考にしてみてください。

サプリメントとは

サプリメントは、その見た目などから薬の仲間だと思っている方も多いでしょう。しかし実際には、サプリメントは食品に分類されています。

本来”サプリメント”には”補う”という意味があることからわかるように、”栄養バランスのとれた食事”をとることが大前提にあります。サプリメントは、食事から上手に摂取しにくい成分を補うために活用しましょう。サプリメントによっては、過剰摂取に注意しないといけないものもあります。また、薬とののみ合わせもあるので、薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談しましょう。

妊娠とサプリメント

妊娠中は、エネルギーだけでなくビタミンやミネラルなどの栄養素の中にも、必要量が増加するものがあります。

妊娠初期から中期に、つわりでなかなか食事がとれない方もいるでしょう。だからといって、サプリメントで補おうと、いくつもサプリメントをのむのはおすすめできません。サプリメントには、複数の栄養素や成分が入っているものがあり、重複すると予想外に過剰摂取になってしまう場合があります。

妊婦検診に行くと、体重測定や血液検査・尿検査などを行いますよね。つわりで食べられないことを伝えると、体重や検査結果を踏まえて、産婦人科では点滴や食事のアドバイスをしてくれます。検診まで待てないという場合は、早めに病院を受診し、相談しましょう。

ポイント1:妊娠中に葉酸がすすめられる理由は?

妊娠初期に葉酸を充分に摂取すると、赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」のリスクが減少すると言われています。

妊娠6週頃に形成される赤ちゃんの神経管は、その後は脳や脊髄に発達していきます。ところが、神経管が閉鎖できていないと、神経管の先天異常が原因となって、様々な神経障害が起こる可能性があります。

妊娠6週というと、まだまだ妊娠に気づいていない人もいるかもしれません。妊娠を希望する人が妊娠前から葉酸を摂取した方がいい理由は、”妊娠6週”という時期にあったのです。

葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンB群の1種であり、食事からも摂取できます。野菜や果物などに含まれているので、普段からバランスのとれた食事を心がけるのは大切です。

妊娠中は、葉酸の必要量が増えるため、いつもより多く葉酸を摂取しましょう。普段の食事にプラスすべき葉酸の推奨量は、400μg/日です。葉酸は食事から摂取するよりもサプリメントからの方が、効率良く体内で利用されると言われています。各サプリメントの成分表を確認し、推奨量を守ってのむようにしましょう。

葉酸は水溶性ビタミンなので、過剰に摂取しても体内に蓄積はしませんが、過剰摂取の状態が続くと、かゆみ・じんましん・発熱・吐き気・下痢などの症状があらわれる場合があります。飲み忘れたからといって数日分のサプリメントをまとめてのもうとしたり、サプリメントを複数合わせてのむのはやめましょう。

ポイント2:妊娠中に葉酸以外におすすめのサプリメントは?

妊娠中のおすすめは、葉酸以外に、鉄・カルシウム・ビタミンB群が一緒に入っているサプリメントです。

鉄は1日の推奨量が100mg以下の微量ミネラルです。20~40代女性の鉄の平均摂取量は、推奨量より少ない上に、毎月月経のたびに経血とともに鉄を失います。

妊娠中の鉄は、初期でプラス2.5mg/日、中期以降でプラス9.5mg/日が推奨されています。妊娠すると、赤ちゃんの成長やママの循環血液量の増加などに伴い必要量が増加するためです。

また鉄には、動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が吸収率がいいといわれています。しかし、私たちが食品から摂取する鉄の大半が非ヘム鉄であるため、鉄の吸収をあげる工夫が必要です。鉄と一緒にビタミンCを摂取すると、非ヘム鉄の吸収率があがるので、ぜひビタミンCも一緒に摂取するように心がけましょう。

  • カルシウム

カルシウムは、本来妊娠中にプラスするミネラルではないのですが、実はこれには落とし穴が・・・。普段からカルシウムの推奨量をきちんと摂取できていればいいのですが、20~40代女性のカルシウムの平均摂取量は、推奨量よりも100~150mg/日程度不足しているのです。

結果、普段の食生活のままだと妊娠中に必要なカルシウムが不足するので、カルシウムもサプリメントで摂取しましょう。

また、ビタミンDはカルシウムの吸収率を上げてくれるので、ビタミンDもサプリメントに一緒に入っているのをよくみかけます。食事からの摂取だけでなく、日光浴でもビタミンDは作られるので、少しの時間のお散歩などもおすすめです。

  • ビタミンB群

ビタミンB群は、炭水化物・タンパク質・脂肪の代謝に関係しているビタミンで、赤ちゃんにとってもママにとっても大切な役割を果たしています。

水溶性ビタミンなので、余分なものは尿中に排泄されてしまうため、毎日継続的に摂取する必要があり、ビタミンB群もサプリメントで一緒に摂取するよう心がけましょう。

ポイント3:妊娠中に注意したほうがいいサプリメントは?

ビタミンAは、妊娠中の摂取に注意が必要です。妊娠初期に過剰に摂取すると、赤ちゃんに先天異常が起きる可能性があると言われています。うなぎやレバーなどに多く含まれているので、妊娠を希望する場合や妊娠初期は、毎日続けて食べ過ぎないように注意しましょう。

ビタミンAには、植物由来のビタミンAと動物由来のビタミンAがあります。植物由来のビタミンAは、必要時にβ-カロテンから変換されてつくられるため、過剰摂取を心配する必要はないでしょう。

妊娠後期には赤ちゃんもビタミンAを必要とするため、ビタミンAの推奨量が増えてきます。β-カロテンを多く含む緑黄色野菜で補うようにしましょう。

まとめ

妊娠中のサプリメントについて、3つのポイントをお伝えしてきました。

妊娠中や産後におすすめのサプリメントには、複数の成分が一緒に入っているものがほとんどです。サプリメントをのむタイミングに特に決まりはありませんが、いつも同じタイミングにのむと、のみ忘れ防止につながるし、誤って重複してのむことも防げます。自分のライフスタイルに合わせて、のむタイミングを決めておきましょう。

また、サプリメントをのむときは、水か白湯がおすすめです。他の飲み物だと吸収が阻害される可能性もあるので、注意しましょう。サプリメントは薬ではありませんが、重複による過剰摂取や妊娠中に注意しないといけない成分もあります。不安な場合は、サプリメントをのむ前に、医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。

出産を終えたら、今度は授乳がはじまります。赤ちゃんに栄養を届けるために、授乳中もママは栄養のバランスに心がけ、妊娠中と同じように必要なときはサプリメントで補うのもいいですよ。

妊娠中も産後も、毎日の生活の負担にならないように、3つのポイントを抑えてサプリメントと付き合っていきましょう。

監修:ラッキーインダストリーズ

ラッキーインダストリーズは創立1934年の日本で一番歴史ある抱っこひもメーカーです。長い歴史の中、多くの子育てをサポートしてきました。私たちの想いである「AMAZING LIFE WITH BABY」を元に、多岐にわたる社会貢献活動を実践しています。本コラムでの情報発信を通して豊かで実り有る子育てのサポートにつながれば幸いです。

ラッキーインダストリーズのサポート
「無料オンライン相談」、試して購入できる「レンタルサービス」、実際の商品を確認できる「自由が丘直営店」等、より多くのユーザー様をサポートしてまいります。お気軽にご利用ください。


この記事をシェアする

Instagramでも情報発信してます!

Instagram

更新日
     インスタグラムロゴ Instagram