「妊娠中のつらい便秘をどうにかしたい」「自分でできる妊娠中の便秘対策を知りたい」
妊娠していない時は便秘ではなかったのに、妊娠して便秘になる方は少なくありません。お腹に赤ちゃんがいるので、どんなことに注意して便秘解消したら良いのか悩みますよね。ここでは、妊娠中の便秘の原因から解消法について解説します。自分でできることからはじめてみましょう。
妊娠中のつらい便秘
普段から、自分の排便状況を把握していますか?毎日排便がある方もいれば、3日に1回程度の方もいるでしょう。日本消化器学会のガイドラインでは、自然排便が週に3回未満の場合は便秘症とされています。ただし、毎日排便があった方が2日に1回の排便になると、お腹がパンパンに張ってスッキリしないということもあるでしょう。そういった場合にも、便秘症として薬が処方されることがあります。
妊娠初期から妊娠後期までの妊娠のすべての期間で、便秘のトラブルは発生します。「便秘で相談してもいいのかな?」とひとりで悩まずに、便秘かもと思ったら、産婦人科で相談してみましょう。
妊娠中の便秘の原因
妊娠中の便秘の原因は、主に5つあげられます。
- プロゲステロンの影響によって、子宮の収縮だけでなく、腸管の蠕動運動も抑えられる
- つわりによって、水分や食事摂取量が減る
- 運動量が減る
- お腹が大きくなることで、大腸を圧迫する
- ストレスや疲れによる自律神経の乱れ
妊娠すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えてきます。プロゲステロンは、子宮収縮を抑えお腹の中で赤ちゃんを育てるために大事な働きをすると同時に、腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう)も抑えてしまうため、便が出にくくなってしまいます。また、水分を体にとどめておく働きもあり、大腸内の水分が奪われ便が固くなってしまいます。
それ以外にも、上記のような理由で妊娠中は便秘になりやすい傾向があります。では、もし妊娠中に便秘になったらどんな解消法があるのか見ていきましょう。
妊娠中の便秘解消法
妊娠中の便秘解消法を、3つのポイントで解説します。食事と運動に関しては、便秘になってから始めるというより、予防的に取り組むようにするといいでしょう。
便秘薬に関して、そもそも妊娠中に薬を服用していいのか不安になる方もいらっしゃるでしょう。妊娠中の薬の服用については「【必見】妊娠中の薬について:安心なマタニティライフを送るためのポイント 薬剤師監修」でも解説しています。そちらも参考にしてみてください。
食事・水分
お腹の赤ちゃんのためにも、栄養バランスの取れたメニューにしようと考え、工夫されている方も多いでしょう。便秘解消のために取り入れるべき食材としては、
- 食物繊維(さつまいも、ごぼう、バナナ、海藻類など)
- 乳酸菌(ヨーグルトや味噌など)
があげられます。便秘解消のためにこれらの食材ばかりを摂取するのではなく、少しずつ上手に組み合わせて取り入れていきましょう。
さらに、食事の量も重要です。食事量が十分あると、便のかさが増え腸管の蠕動運動が促され、排便につながります。食事量が少なくいつまでも便が大腸の中にとどまっていると、便の水分が奪われて、硬い便になり便が出にくくなってしまいます。
スムーズな排便には水分摂取も欠かせません。つわりなどで、水分も受け付けないときもあるかもしれませんが、できるだけ1日あたり1.5から2Lの水分摂取をこころがけましょう。
運動
無理のない範囲で運動をするのも便秘解消につながります。つわりが落ち着いて体調が安定し、安定期に入ったら、軽い運動をはじめてみましょう。ヨガやスイミングなど、妊婦さん向けの教室が開かれているものも多くあります。医師や助産師に相談して、ケガに注意しながら気分転換もかねて楽しみましょう。
便秘薬の服用
妊娠中でも使える便秘薬もあります。便秘に悩んでいる場合は、産婦人科で相談してみましょう。
便秘薬は、非刺激性下剤と刺激性下剤に大別されます。その中でも、非刺激性下剤の一つである塩類下剤の酸化マグネシウムは、妊娠中によく使用されます。酸化マグネシウムを使用しても効果が見られない場合には、大腸刺激性下剤のピコスルファートなどが検討されます。
それ以外の便秘薬に関しても、通常量であれば赤ちゃんへの影響や、流産や早産につながるような子宮収縮の危険性はほとんどないと考えられています。しかし自己判断をせず、便秘の状況に応じて産婦人科で相談してみるようにしましょう。
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムは、服用後、腸内で難吸収性の化合物となり、腸壁から水分を吸収することで、大腸内にある便に水分を与えてやわらかくします。その結果、蠕動運動も促され、排便が起こります。
腎機能に異常がない場合、余分なマグネシウムは腎臓から排出されるため、マグネシウムの影響はほとんど問題になりません。酸化マグネシウムには、刺激に慣れるといった習慣性はなく、急にお腹が痛くなるような副作用が起きにくいといわれています。不安な場合は少量から開始してみて、処方された1日用量の範囲内で自分に最適な量を検討してもいいでしょう。
酸化マグネシウムには錠剤も粉薬もあり、1錠に含まれる酸化マグネシウムの量も250mgや330mgなど様々です。市販薬の場合は、しっかり説明を受けてから使用し、不安な場合は産婦人科で医師に処方してもらうのをおすすめします。酸化マグネシウムの服用のポイントは、コップ1杯以上の水と一緒に服用することです。腸管から水分を奪ってしまうので、脱水を予防するために、同時に十分な水分摂取をこころがけましょう。
ピコスルファートナトリウム
ピコスルファートナトリウムは、大腸を直接刺激して蠕動運動を促したり、大腸内の水分吸収を抑えて便を出しやすくします。作用はやや強力で、酸化マグネシウムと違って習慣性があり、お腹が痛くなることもあるため、便が出ないときだけ服用するような使い方をします。酸化マグネシウムが効かない場合に使用することが多いでしょう。
錠剤と液剤があり、おおよその換算では
ピコスルファートナトリウム2.5mgの1錠=ピコスルファートナトリウム内用液0.75%の 5滴
になります。錠剤のほうがのみやすい方もいれば、液剤のほうが調節しやすいという方もいると思います。ご自身のライフスタイルに合わせて薬の形を選択してもらいましょう。
まとめ
妊娠中のトラブルの1つである便秘について、原因から解消法について解説してきました。食事や運動だけでは便秘が解消されない場合は、薬を上手に使ってコントロールしましょう。「便秘の話をしてもいいのかな」とひとりで悩まずに、気軽に相談してみてくださいね。
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