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【実例がさらに充実!!】帝王切開・無痛分娩・コロナ対応のバースプラン 助産師監修

  • #助産師

更新日 2023/07/03

こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!

今回のテーマは「バースプラン」の第2弾です!第1弾ではバースプランについての基本的なお話から、自分らしい出産のために何をどのように考えたらよいのか、パートナーと気持ちを分かち合うためにバースプランを一緒に考える方法などを盛りだくさんの実例と共にお話ししました。第2弾となる今回は、第1弾ではお伝えしきれなかった帝王切開や、ここ数年で急激に増えている無痛分娩について、そしてコロナ禍だからこそ確認しておきたいバースプランをご紹介します!この記事を読んで、出産についてより具体的に考えてみましょう。

帝王切開のバースプラン

 帝王切開はあらかじめ決定した上でおこなう「予定帝王切開」と、自然分娩や無痛分娩中に急遽帝王切開に変更する「緊急帝王切開」があります。お産の20%が帝王切開で、その内訳は予定帝王切開と緊急帝王切開が半分ずつです。どんなに順調な妊娠生活でも、どんなに注意していても帝王切開に切り替えなければならないときはあります。自然分娩や無痛分娩の予定でも、帝王切開についてしっかりとイメージを持っておくことでいざというときに冷静でいられるかもしれません。バースプランにも帝王切開になった場合について併記しておきましょう。

帝王切開でバースプランを考慮してもらえるの?

帝王切開になったらバースプランは必要ないのではと思っている方も多いかもしれません。帝王切開は手術なので、施設の方針に従うしかないことも確かにたくさんあります。一方で施設によって方針が大きく違うからこそ、施設選びの段階で帝王切開についても考慮することでいざというときにも希望のお産に近づけるかもしれません。すでに帝王切開のことを考えずにすでに出産施設を決めてしまった!という方も、まずは施設の方針に囚われずに帝王切開についてのバースプランを考え、施設スタッフに伝えてみましょう。できないこともあると思いますが、スタッフがあなたの気持ちに近いケアをするための大切な情報になります。

先輩ママたちの実例!帝王切開をするときのバースプラン

【帝王切開をするときのバースプラン実例】

・帝王切開でも立ち会ってほしい

「帝王切開=立ち合いNG」と思いがちですが、実は帝王切開でも立ち合いが可能な施設はあります。もし帝王切開でも立ち合いを希望したい場合は、施設選びの段階でその旨をよく確認しましょう。

・立ち合いができなくても手術室までは夫に付き添って手を握っていてほしい

・夫以外の付き添いは断ってほしい

・BGMやアロマグッズなど、手術室をリラックスできる環境にしたい

・とても怖いので、手術中は手を握って励ましてほしい

・処置の内容を説明しながら進めてほしい(次は〇〇するよ、この処置には△分くらいかかるよ…など)

・赤ちゃんが生まれる瞬間を教えてほしい

・夫に産声を聞かせてあげたい(手術室には入れなくても聞こえる場所にいてほしい、録音してほしい、など)

・手術室に眼鏡を持ち込みたい。赤ちゃんに会うときは眼鏡をかけさせてほしい

・赤ちゃんが生まれたら、写真や動画を撮ってほしい

・生まれたらできるだけ早く抱っこしたい。帝王切開でもカンガルーケアをしたい

・赤ちゃんが手術室から出ていく前に触りたい

・パパにカンガルーケアをしてほしい

・夫は手術室のすぐそばに待機してもらい、赤ちゃんが手術室から出てきたら写真や動画を撮ってほしい

・胎盤を見たい、触りたい

 

【帝王切開後~退院までのバースプラン実例】

・帝王切開の場合は個室にしたい

・夫や上の子も病院に一緒に泊まりたい

・とにかく術後の痛みが少なくすむようにしたい(痛み止めなどはしっかり使ってほしい)

・できるだけ早く母乳をあげたい

・傷が痛みにくい抱っこや授乳の仕方を教えてほしい

・傷の痛みで授乳が難しいときは手伝ってほしい

・傷の痛みや疲れ、寝不足に応じて赤ちゃんを預かってほしい

・傷痕ができるだけ目立たなくなるケアの方法を教えてほしい

無痛分娩のバースプラン

無痛分娩を希望する場合はその旨をバースプランに記入しておくことはもちろんですが、それでも意外と思うようにいかなかったという声も多いです。ここでは先輩ママたちの実例も踏まえて無痛分娩のバースプランのポイントを解説します。

無痛分娩の失敗実例とその対策

無痛分娩は施設によって適用条件が様々です。無痛分娩を希望する場合は、その施設で無痛分娩が適用されるための条件を確認しておくことが大切です。無痛分娩をできなかった先輩ママたちの実例から、希望通りに無痛分娩を行うための対策を考えましょう。

実例1)土日・祝祭日や夜間は無痛分娩を行えない施設だった

実例2)麻酔科医がお休みの日など、無痛分娩のためのスタッフが揃わない日は行えない施設だった

無痛分娩が行える日や時間帯が限られているケースは珍しくありません。絶対に無痛分娩にしたい場合には、24時間365日いつでも無痛分娩が可能な施設や、計画無痛分娩(出産日を決めて陣痛促進剤などで出産を進める)ができる施設を選ぶと、無痛分娩ができる可能性がグッと上がります。

実例3)お産の進行が速すぎて無痛分娩の処置が間に合わなかった

お産の進行が速いと無痛分娩の処置を行う余裕がない場合があります。また、処置はできたけれど麻酔が効いてすぐに生まれたので無痛の時間はほとんど無く費用だけかかってしまった、というケースもあります。例えば上の子の分娩時間がとても短かった方などは、その事や無痛分娩の希望をバースプランに書いておき、早めの麻酔開始を検討してもらいましょう。また、絶対に間に合わせたい!という方はできるだけ早いタイミングでの麻酔開始を希望している事をバースプランに記入すると良いでしょう。自然に陣痛がきた場合には、自宅で我慢し過ぎないことも大切です。

実例4)無痛分娩は計画分娩のみなのに、予定していた日よりも早く陣痛がきてしまった

計画無痛分娩しか行っていない施設で予定していた日よりも早く陣痛が来てしまった場合、無痛分娩を行えないことがあります。無痛分娩に決めるのが遅くなるほど、分娩予約日の空きが少ないために遅めになりがちです。分娩予約日が予定日に近いほど陣痛が先に来てしまう可能性が高くなります。分娩予約日よりも早く陣痛がきた場合に無痛分娩が可能かどうかも施設に確認しておきましょう。対策としては、計画分娩以外でも無痛分娩を行っている病院を選択したり、早めに無痛分娩の予約を行うよう注意しましょう。

実例5)無痛分娩をしないつもりだったけれど、想像以上に陣痛がつらくて途中で無痛分娩に変更したくなった

自然分娩の予定でも途中で無痛分娩に切り替えたくなるかも、と思う方はその旨をバースプランに記入し、急な無痛分娩の希望が可能かどうかを確認しましょう。また、ギリギリまで我慢してしまうと、やっぱり無痛分娩でお願いします!となったときにはすでに麻酔の処置が難しい状態になってしまっているかもしれません。陣痛中、「無痛分娩に切り替えるならそろそろ…」というタイミングをスタッフと相談したいという事も併記しておくことでタイミングを逃してしまうことを予防できるかもしれません。

実例6)麻酔の効きが悪くて無痛分娩なのに痛みがかなりあった

麻酔を入れているはずなのに陣痛の痛みがほとんど変わらなかった、という方もいます。麻酔の効き方は個人差があり、中には効きづらい人もいます。もし、今までの経験から麻酔が効きづらい体質ということがわかっているなら、バースプランにもその旨を記入しスタッフに伝えておきましょう。分娩中に痛みが無くならないと感じたら、遠慮せずスタッフに相談しましょう。

無痛分娩の途中で帝王切開になることもある

無痛分娩をおこなっていても、赤ちゃんやお母さんに危険が迫れば緊急帝王切開になる可能性があることは自然分娩と同じです。無痛分娩でも帝王切開になるかもしれないことを想定してバースプランを考えておくことで、いざというときに必要以上に慌てたり不安になったりせずにすむかもしれません。無痛分娩の予定でも、「帝王切開になった場合にはこうしたい!」ということをあらかじめよく考え、バースプランに併記しておくと良いでしょう。

どんな分娩方式でも確認しておきたい!コロナ時代のバースプラン

ここではバースプランを新型コロナウイルスによる出産への影響を踏まえて考えたいと思います。5類への変更で制限が緩くなった施設が多いとは言え、対応はさまざまです。また、感染の状況に合わせて、途中で施設の対策が変わることもあります。分娩方式に関係なくバースプランに大きく関わってくる問題です。こちらを読んでよく考えてみましょう。

それぞれの施設のコロナ対応はさまざま!納得できる施設選びが大切です

どの施設もどうすることがお母さんと赤ちゃんにとって最善なのかを考え、対応を模索しています。感染対策を厳しくすれば感染リスクは低くなるかもしれませんが、立ち合い出産ができないなどバースプランへの影響は大きくなるでしょう。一方で、対策が緩ければバースプランへの影響はそれほどないかもしれませんが、感染の心配は残ります。感染症流行の程度によって対策がかわる可能性はもちろんありますが、あなたにとってバースプランとコロナ対策のバランスがちょうど良くとれた状態とはどんな状態なのか、それに近い施設はどこなのかなどをよく検討することが大切です。

実例!分娩施設のコロナ対策

ここでは先輩ママが実際に体験した分娩施設でのコロナ対策を実例を使って紹介します。

・産婦さんは入院前や陣痛中にコロナの検査を行う

・入院の付き添いは施設の玄関までで、立ち合い出産はできない

・立ち合い出産のための入館のタイミングは、有効な陣痛が続き子宮口〇センチ以上になってから(それまで施設近くで待機)

・立ち合う人が途中退出した場合、再入館は不可

・立ち合えるのは夫またはパートナーのみ

・立ち合う人は抗原検査で陰性が証明できていること

・立ち合う人は1週間以上の健康チェック(体温や問診票への記入など)を行っていること

・立ち合う人はマスク着用

・立ち合う人は体調不良がなく、濃厚接触者にもなっていないこと

・産婦やその家族が新型コロナウイルスに感染している場合は、別施設への搬送や帝王切開での分娩となる

・出産直後の面会は2時間以内

・産後の面会は予約制

・大部屋の場合、面会用の個室でのみ産後の面会を行える

・産後の面会の時間制限・回数制限

・産後の面会は夫またはパートナーのみ(上の子も入館禁止)

例えば、どうしても立ち合い出産をしたい場合は、夫やパートナーが抗原検査を受けるなど一定の制限をかけている施設の方が、制限なしの施設より安心できるかもしれません。もし上のお子さんの立ち合いや面会を希望するならば、施設の選択肢は狭くなるかもしれませんがそれらが可能な施設を探し、他の面についても納得できるかどうかをよく確認しましょう。また、コロナのリスクをできるだけ下げるため、立ち合いを一切行っていない施設を選ぶこともあるでしょう。その場合でも、立ち合いの代わりにビデオ通話など近い形でできる限りあなたの理想に近づけるようスタッフと話し合うことが大切です。(バースプラン第一弾が参考になると思います!)

まとめ

どうしても自然分娩!どうしても無痛分娩!どうしても立ち合い出産!出産は一生のうちに数回しか経験しない、大切な時間なのでさまざまな希望があるのは素敵なことです。だからこそ、もし希望通りにいかなくなったときにもその状況なら自分はどうしたいのかを広く想像してバースプランを立てることで、どんな形になったとしても「自分らしく産めた!」と思えるかもしれません。お産は赤ちゃんとお母さんのもの。素敵な出会いの日になることをお祈りしています!

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