こんにちは!
助産師のユイです。
これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどでたくさんの相談を受けてきました。
このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回のテーマは「妊娠中の腰痛対策」です。
妊娠に腰痛は付きもの?そんなことはありません!妊娠中に腰痛になりやすい原因や対策方法、エクササイズまでくわしくご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
1.先輩ママに聞く!「お腹が張る」ってどんな感じ?
ここでは、妊娠中に腰痛になりやすい理由を紹介します。
もくじ
(1)ホルモン
妊娠すると、赤ちゃんを体内で育てるためにさまざまなホルモンが分泌されます。なかでも「エストロゲン」「プロゲステロン」「リラキシン」は靭帯を緩ませる働きがあり、その結果、関節が緩みます。
そして、実は骨盤にも関節があります。骨盤は上半身を支えるという重要な役割がありますが、ホルモンの影響で骨盤の関節も緩むと腰への負担がかかり腰痛につながります。そこにさらにお腹の赤ちゃんの重みがかかるため、赤ちゃんの成長とともに骨盤への負担もどんどん大きくなっていきます。
(2)体形の変化
お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれ、お腹の重みで重心が前に移動します。その分腰を反りやすくなるため、腰痛が起こります。
また、腰を反るとバランスをとるために背中は丸まりがちです。すると猫背となり、肩こりにもつながります。
お腹が大きくなっても姿勢を崩さないよう注意することやそのための筋力をつけることが大切です。
(3)血行不良
お腹が大きくなると子宮が邪魔して下半身の血行が悪くなります。また、反り腰などで腰の筋肉を使いすぎると筋肉自体が硬くなることでさらに血行が悪くなり、痛みにつながります。
(4)ストレス
妊娠中はつわりに始まり、さまざまな体の不調や心配事などストレスが大きくなります。ストレスは自律神経のバランスを崩し、呼吸が浅くなり、体幹の働きを弱め、腰への負担が大きくなります。
また、ストレスは体の痛みを感じやすくするため、痛みを強く感じるようになります。
2.妊娠中の腰痛対策
ここでは妊娠中の腰痛を予防・改善するポイントを紹介します。
(1)姿勢に注意
腰痛対策の基本は正しい姿勢です。ここでは正しい姿勢の作り方や、歩くときや前かがみになるときのコツを紹介します。
①正しく立とう
まずは以下のように壁際に立ち、腰の反り具合を確認しましょう。
1. かかと、お尻、肩、頭を壁につけて立つ
2. 壁と腰の間に手を入れてみる
壁と腰の間に手がやっと入るくらいであればOK!スッと簡単に手が入ってしまう場合は反り腰になっている可能性が高いです。
反り腰を矯正するには、壁際に立った状態で一息吸って、細く長く吐きながら壁と腰の隙間を潰すトレーニングを5~10回、無理のない範囲で繰り返します。
立った状態で腰の隙間を潰すのが難しい場合は、膝を曲げた仰向けになって試してみましょう。床に向かって腰の隙間を潰します。
※特に妊娠後期以降は、仰向けになると吐き気や動悸などの症状が起こる「仰臥位低血圧症候群」になることがあるので注意しましょう。
②正しく座ろう
正しい姿勢で座るときのポイントは、床に対して座骨がまっすぐ立っていることです。
お尻の下に手のひらを入れてみると、座骨が手に刺さる感覚がわかります。
座るときは、椅子に座ったりあぐらをかくことがおすすめです。正座から両足を片側に崩した座り方は骨盤が歪みやすく、腰も痛めやすいので注意しましょう。
③正しく歩こう
歩くときのポイントは、後ろ足の母指球~小指球をしっかり使って蹴りだすことです。この部分でしっかり蹴りだすことで、お腹を締め、お尻の筋肉を使って歩くことができるため、腰への負担を減らせます。
足を前に出す意識よりも、後ろ足でしっかり蹴る意識を持ちましょう。
靴は、足の裏がしっかり使えるウォーキングシューズなどがおすすめです。ハイヒールやサンダルは足裏が十分に使えず腰への負担が大きくなることが多いため、注意が必要です。
④前かがみの姿勢に注意しよう
前かがみ姿勢は、反り腰とは反対に腰が丸まった状態で重さがかかるため、痛みにつながりやすい姿勢です。
例えば、掃除機をかける、物を拾う・持ち上げる、上の子を抱っこする、オムツ替えなどで腰が丸まりやすいため腰痛を引き起こしやすい動作と言えます。
物を拾う・持ち上げるときは、一度しゃがんだ状態になってから拾う・持ち上げるようにしましょう。普段から下図のようなトレーニングをして、股関節の正しい動きを身につけましょう。
(2)血流をよくする
腰痛対策には、適度な運動や体を冷やさないことで血流を良くすることも重要です。
どの程度が「適度な運動」になるかは個人差があります。気持ちよく疲れる程度のストレッチやウォーキングなどから始めて、体調を確認しながら決めましょう。
動くことが大切と言っても、立ちっぱなしや歩きすぎはかえって血流が悪くなりやすいです。注意しましょう。
また、暑い時期でもエアコンなどで案外体は冷えています。入浴はシャワーで済まさずできるだけ湯船につかるようにしましょう。湯船につかることで体が温まったり水圧で血流が良くなるだけでなく、自律神経も整いやすくなります。
お腹の冷えには腹帯がおすすめです。
(3)グッズの活用
腰痛の対策には、骨盤ベルトがおすすめです。骨盤ベルトは恥骨と大転子(お尻の横側の出っ張り)の高さで固定するものを選ぶと効果を感じやすいでしょう。
恥骨と大転子を締めることで骨盤の上半身を支える機能が改善し、腰への負担を減らすことができます。
ただし、骨盤ベルトに頼り過ぎてしまうと必要な筋肉が使われなくなってしまうので使い過ぎには注意が必要です。なんとなく腰に不安を感じるときや、腰が痛いときに使いましょう。
デメリットは、お手洗いのたびに着脱しなければならないのが手間だったり、ベルトが当たる部分がかゆくなってしまうことがある点です。
また、就寝時は抱き枕を使って横向きで寝ると、腰が楽という方が多いです。
腰の筋肉が硬くなってしまったら、マッサージグッズ等を使ってほぐすのもおすすめです。分娩時にはパートナーにテニスボールやゴルフボールで腰や仙骨、お尻のあたりを圧迫してもらうと痛みを和らげたりいきみ逃しに効果的です。その練習も兼ねて、ボールを使ってマッサージしてもらうのも良いでしょう。
3.妊娠中の腰痛対策におすすめのエクササイズ2選!
ここでは妊娠中の腰痛対策におすすめのエクササイズを紹介します。
※運動は、必ず医師の許可を得てから始めましょう。
※運動中にお腹が張るなどの異変を感じたら、すぐに中止しましょう。
(1)腰痛対策エクササイズ1
骨盤の動きと共に股関節の動きをスムーズにするエクササイズです。
(1)四つ這いになり、下腹を締めます。腰はリラックスします
(2)一息吸い、吐きながら、座骨を斜め上方向に向けます。目線は前方を向きます。
(3)もう一息吸い、吐きながら、座骨を斜め下方向に向けます。恥骨を顔の方向へ入れこみ、目線は恥骨をのぞき込みます。
息を細く長く吐き切りながらゆっくりと繰り返しましょう。
練れないうちは3~5往復、慣れたら5~10往復程度を目安に行ってみてください。
また、下腹を締めるときは、お腹の赤ちゃんを背中側にしまい込んであげるイメージで行ってみてください。
(2)腰痛対策エクササイズ2
股関節をさまざまな方向に動かしやすくするエクササイズです。関節の動きが悪いと腰への負担が大きくなります。グルグルと気持ちよく回しましょう。
肩や回している足と反対側のお尻が、床から浮かないように注意しましょう。
また、内側方向へ回す際はお腹に負担がかからない程度にしましょう。
特に妊娠後期以降は、仰向けになると吐き気や動悸などの症状が起こる「仰臥位低血圧症候群」になることがあります。仰向けが負担なときは、横向きでもできます。
まとめ
妊娠するとホルモンや大きくなるお腹などによって、半数近い妊婦さんが腰痛になるとも言われています。無理は禁物ですが、体調が許すのであればできる範囲で予防に努めることが大切です。
今回ご紹介した腰痛の予防と対策は、産後にも使える内容ばかりです。ぜひ妊娠中から続けて、産前も産後もラクな体で過ごしましょう。
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