「妊娠線の予防って何をするの?」
「妊娠線クリームとオイルって何が違うの?」
妊娠すると、お腹が大きくなるだけでなく、体のさまざまな部分に変化が生じます。その一つが妊娠線で、多くのママたちが悩まされる症状です。まったく妊娠線ができない人もいますが、妊娠初期から予防しておくと、症状を軽くできるかもしれません。この記事では、薬剤師であるひかりが、妊娠線の予防とケア用品の使い方についてお伝えします。クリーム剤とオイルやローションの違いについても解説していますので、妊娠線対策の参考にしてください。
妊娠線とは
妊娠線とは、妊娠によって急激に体型が変わることであらわれる、ひび割れのような線のことを言います。妊娠線をよく見かけるのは、大きくなったお腹ですが、腕や足の付け根や太もも、バストやお尻にも妊娠線ができます。
妊娠線予防の重要性
皮膚は外側から、表皮・真皮・皮下脂肪の3層で構成されています。表皮は比較的柔軟性がありますが、真皮や皮下脂肪は伸びにくく、体型の変化によってひび割れしやすいのが特徴です。妊娠によって真皮がひび割れてしまい、皮膚が断裂してしまったところから毛細血管が透けて見えるようになります。妊娠中は、赤紫色やピンク色から黒ずんだ色の線に変わっていき、産後は次第に白色になっていきます。目立ちにくくなりますが、完全に消えるわけではないので、妊娠線をできるだけ予防したいと思うママも多いでしょう。
妊娠すると、産まれてくる赤ちゃんのためにあれこれ準備をして、自分のことが後回しになりがちですが、ひとたび妊娠線ができると元には戻りにくいため、妊娠初期から妊娠線予防の対策が重要になってきます。
妊娠線の効果的な予防法とは
ここでは、妊娠線の効果的な予防法について解説していきます。できることから取り入れてみましょう。
急激な体重増加を抑える
皮膚が断裂するのを防ぐためには、急激な体重増加を抑えることが効果的です。特につわりがおさまって食欲が出てくる妊娠中期頃からは、定期的に体重を測定し、望ましい体重増加に抑えるようにしましょう。
妊娠前の体格 | 体重増加の目安 | |
低体重 | BMI 18.5未満 | 12~15kg |
普通 | BMI 18.5以上25.0未満 | 10~13kg |
肥満1度 | BMI 25.0以上30.0未満 | 7~10kg |
肥満2度以上 | BMI 30.0以上 | 個別に相談 (上限5kgまでが目安) |
妊娠線予防マッサージ
皮膚の乾燥を防ぎ柔らかく保つために、マッサージをするのもおすすめです。妊娠線クリームなどのボディケア製品を使いながら、優しくマッサージをしましょう。ただしお腹が張るなど体調が悪い時には、お腹のマッサージを避けた方がいい場合もあります。産婦人科で相談して、体調を優先するようにしましょう。
ボディケア製品の使用
妊娠線予防にマッサージをするとき使用するボディケア製品には多くの種類があり、どれにしようか悩んでしまうかもしれません。選ぶポイントとしては、以下の3点に注目してみましょう。
- 保湿力
- 塗りやすさ
- ベタつきなどの使用感
ここで注意したいのは、クリーム剤などが浸透するのは皮膚の表面にある表皮までです。皮膚の断裂を起こす真皮より下には浸透しないため、必ずしも保湿が妊娠線の予防に有効とは限りません。ただし保湿によって肌の乾燥を防ぎ柔らかく保つことで、妊娠線ができにくい肌にできる可能性があります。
また、大きくなったお腹の下の部分や、足の付け根、お尻など自分では見えにくい部分は、塗り広げやすいかどうかが重要です。べたつきなどの使用感に関しても、個人の好みや季節に応じた選択をしましょう。
妊娠線予防のケア用品には、クリーム剤やオイル、ローションなどがあります。ここでは、一般的なクリーム剤、オイル、ローションの違いについて解説します。
クリーム剤
クリーム剤は、水と油を乳化して作られており、水中油型(O/W型)と油中水型(W/O型)の2つのタイプがあります。水中油型のクリーム剤は、外相が水で中に油を含んでいるので、水で簡単に流れ落ちます。油中水型のクリーム剤は、外相が油のため、簡単に水で流れ落ちることはありません。
妊娠線にクリーム剤を使用する場合、手のように頻繁に洗う部分ではないので、どちらのタイプでも問題ありません。少しでもさらっとした使い心地を希望するのであれば、水中油型をおすすめします。汗をかく季節などは、簡単に汗で流れ落ちてしまわないように油中水型を選択しても良いでしょう。どちらのタイプもしばらくすると水分が蒸発し、油分のみが肌に残って乾燥から守ってくれる働きをします。
クリーム剤のデメリットとしては、個人差はありますが、皮膚への刺激性が出る場合があります。特に妊娠中は肌が敏感になっている方も多く、はじめは少量塗ってみて使用感を確認してから全体に塗り広げるようにしましょう。
オイル
オイルは、使い方によって保湿効果が高くなります。お風呂上りなど、肌が水分を吸収した後に使用すると、オイルが水分の蒸発を防ぎ、肌を乾燥から守ってくれるでしょう。その分、クリーム剤よりべたつきを感じるかもしれません。液状で塗り広げやすいため、広範囲に使用するときに便利ですが、油分のシミが洋服に残らないように注意しましょう。
ローション
ローションには、水分だけでなく保湿成分が含まれていることが多く、少しとろみを感じるものもあります。ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分には、保水力を高める効果があるため、肌への保湿効果が期待できます。ローションの保湿効果をあげるために、オイルやクリーム剤をあとから重ね塗りするとより効果的になります。
まとめ
妊娠線は、皮膚の表面にある表皮よりも下の真皮でひび割れが起こり、毛細血管が透けて見えている状態です。妊娠中は赤い線が走っているように見えますが、次第に黒ずんでいき、産後には白くなっていきます。ただし、妊娠線が消えることはないため、できないように予防に注力することが大切です。
ここでは、妊娠線の予防法からボディケア用品の選び方までを解説してきました。一般的なクリーム剤やオイル、ローションなどの違いを、水分と油分に注目して詳しく説明しています。使用感や肌の乾燥の程度を踏まえて、自分に合ったボディケア用品を選ぶようにしましょう。
監修:ラッキーインダストリーズ
ラッキーインダストリーズは創立1934年の日本で一番歴史ある抱っこひもメーカーです。長い歴史の中、多くの子育てをサポートしてきました。私たちの想いである「AMAZING LIFE WITH BABY」を元に、多岐にわたる社会貢献活動を実践しています。本コラムでの情報発信を通して豊かで実り有る子育てのサポートにつながれば幸いです。
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