「赤ちゃんがお薬を嫌がって飲んでくれない」「赤ちゃんのお薬の飲ませ方と注意点を知りたい」
大人でも薬を飲むのが苦手という人は結構いますよね。赤ちゃんが薬を飲むのを嫌がるのはよくあること。「こんなに嫌がるのは、自分の子どもだけかな・・・」なんて心配しないで大丈夫です。
この記事では、薬剤師であるひかりが、赤ちゃんの薬の飲ませ方のポイントや注意点についてお伝えしていきます。薬の種類によっても違うので、それぞれの赤ちゃんに合った方法を見つけていきましょう。また、赤ちゃんの薬についてのよくある質問にもお答えしています。ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんの薬の種類は?
赤ちゃんの薬には次のような種類があります。
- 粉薬
- シロップ剤
- 坐薬
- 目薬
- 塗り薬
- 貼り薬
薬の種類ごとに、赤ちゃんへの飲ませ方や使い方に注意点があります。ここでは、粉薬・シロップ剤の飲ませ方について、詳しく解説していきます。
粉薬とシロップ剤に共通するのは、できるだけ薬のかさを増やさないように注意すること。水に溶かすと、薬のかさが増えて、赤ちゃんは何回も薬を口に運ばないといけなくなります。はじめは良くても、段々飲まなくなってくる場合があるので、最小限の水に溶かして、少ない回数で飲み残しのないよう飲ませるように心がけましょう。
粉薬
粉薬のおすすめの飲ませ方は3通りあります。
- 粉薬を水で溶かして、スポイトで口の端から少量ずつ飲ませる
- 粉薬に少しの水を加えて練ったものを団子状にして、頬の裏側や上あごに貼り付け、水分と一緒に飲み込んでもらう
- 粉薬を服薬ゼリーではさんで、そのまま飲み込んでもらう
スプーンの上で粉薬を溶かしてそのまま飲ませる方法もありますが、どうしても口からこぼれやすく、薬を全て飲んでもらうのが難しくなります。スポイトで少しずつ入れてあげると、飲み残しが少なく上手に飲んでくれますよ。
離乳食中期の7~8カ月頃から使える服薬ゼリーもあります。粉薬を包み込んだゼリーを口の中で潰してしまうと、中から薬が出てきて苦みを感じるかもしれません。1口で飲み込めるような大きさにして口に入れてあげましょう。
シロップ剤
シロップ剤もスポイトで少しずつ口の中に入れてあげると、こぼれにくくなります。月齢の低い赤ちゃんには、哺乳瓶の乳首をくわえさせて、中にシロップ剤を入れて吸ってもらう方法もあります。いろいろと試して、できるだけ嫌がらない方法を探していきましょう。
シロップ剤は、冷蔵庫で1週間を目安に保存してください。ほとんどの場合、シロップ剤にはそのままで飲みやすいように甘い味がついていますが、それでも飲みにくくて嫌がる赤ちゃんもいます。そのときには、水や他の飲み物に混ぜても構いません。ただし、薬によっては効果がおちる場合もあるので、薬剤師に相談しましょう。
赤ちゃんに薬を飲ませるときの注意点は?
赤ちゃんに粉薬やシロップ剤を飲ませるときの注意点6つあります。安心して赤ちゃんに薬を飲ませられるように、ポイントをおさえておきましょう。
上体を起こして飲ませる
薬を飲ませる時は、支えながら上体を起こしてあげましょう。寝かせたままだとむせてしまうかもしれません。
薬に水などを混ぜた状態で保管しない
薬を水などに混ぜたままにしておくと、薬が変質したり苦味が増したりする場合があります。手間はかかりますが、その度ごとに1回分ずつ混ぜるようにしましょう。
ミルクやお粥に混ぜない
ミルクやお粥に薬を混ぜると、薬の味を感じて、嫌いになってしまう可能性があります。ミルクやお粥に薬を混ぜずに、授乳や食事の前に、薬を飲ませるようにしましょう。
熱いものに混ぜない
熱いものに薬を混ぜると、薬が変質してしまう可能性があります。湯冷しや水に混ぜるようにしましょう。
酸味の強いジュースやスポーツドリンクに混ぜない
酸味の強いオレンジジュースやスポーツドリンクなどに薬を混ぜると、薬のコーティングがはがれて、苦味が出たり、効果がなくなってしまう可能性があるため、混ぜないようにしましょう。
はちみつに混ぜない
はちみつは甘いので、薬を混ぜたら味がコーティングされて良さそうですよね。でも、赤ちゃんは「乳児ボツリヌス症」が発生する危険があるため、1歳になるまではちみつを食べてはいけません。
よくある質問
赤ちゃんに薬を飲ませるときのよくある質問にお答えします。
粉薬とシロップ剤は混ぜて飲んでもいいの?
薬を嫌がるときは、できるだけ飲む回数を減らしたいですよね。病院で処方された薬の場合、同じタイミングで飲むように指示された粉薬とシロップ剤は、ほとんどの場合混ぜて飲んでも問題ありません。ずらして飲んだ方がいい場合は、薬をもらう時に説明があるので、その時は別々に飲むようにしましょう。
市販の薬を飲ませるときは、成分が重複している可能性もあり、薬の種類によってはタイミングをずらした方がいい場合もあります。購入する時に、薬剤師などの専門家に相談しましょう。
また粉薬をシロップ剤に混ぜると、溶けきれずに残る場合があります。溶け残りの薬も、最後まできれいに飲めたか確認するようにしてください。
薬を飲んだ後に吐いたら?
薬を飲むときに泣いてしまうと、せっかく飲んでもその後せき込んで吐いてしまうこともあります。薬を飲んだ後に吐いた場合、30分以内だったら、ほとんどの薬が吸収されていないのでもう一度薬を飲んでも問題ありません。30分以上経過していたら、薬はほぼ吸収されたと考えて、新たに飲ませる必要はなく、様子を見ましょう。
薬の飲み忘れに気づいたら?
赤ちゃんは“食後”として処方された薬でも、1日の服用回数と間隔を守れば、授乳前でも問題ありません。飲み忘れに気づいたら、そのときすぐに飲んで、次に飲む時間を遅らせるか、もし次に飲む時間が近いときは、1回分は飲まずに次の時間に飲むようにしましょう。
飲み忘れたからといって、絶対に一度に2回分の薬を飲まないようにしてください。
病院に行く目安は?
市販薬は、3か月以降の赤ちゃんからしか飲めないものが多く、しかも2歳までは病院での受診を優先しやむを得ないときのみ飲ませるようにとされています。
これは、薬の成分的には赤ちゃんが使用しても問題ないけれど、赤ちゃんは急に症状が悪化したり、別の病気が隠れていたりする場合があるので、受診を勧めているということです。手足が冷たく顔面蒼白になっていたり、けいれんしている場合はすぐに病院に行きましょう。
- 38℃以上の発熱
- 夜間のせきで眠れない
- 鼻水が詰まって呼吸が苦しそう
- 食欲がなく水分がとれない
このような症状があるときも、この後症状が悪化していく可能性があるので、病院に行くようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんの薬の飲ませ方のポイントと、薬を飲ませるときの注意点について解説しました。なかなか赤ちゃんが薬を飲んでくれずに困ったときには、ぜひ参考にしてみてください。できるだけ薬を飲まずに過ごせるように、日々の体調管理にも十分気を付けて過ごしましょう。
監修:ラッキーインダストリーズ
ラッキーインダストリーズは創立1934年の日本で一番歴史ある抱っこひもメーカーです。長い歴史の中、多くの子育てをサポートしてきました。私たちの想いである「AMAZING LIFE WITH BABY」を元に、多岐にわたる社会貢献活動を実践しています。本コラムでの情報発信を通して豊かで実り有る子育てのサポートにつながれば幸いです。
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