産後

【赤ちゃんの鼻水対策】ホームケアと病院に行く目安とは? 薬剤師監修

  • #薬剤師

更新日 2024/02/19

「赤ちゃんの鼻水が詰まって、息が苦しそう」

「赤ちゃんの鼻水で病院に行ってもいい?」

赤ちゃんの鼻水が止まらないのを見ると、息が苦しそうで何とかしてあげたくなりますよね。数日で良くなればいいけれど、治るのに何日もかかったり、治ったと思ったらまたすぐ鼻水が出始めたり。この記事では、薬剤師であるひかりが「赤ちゃんの鼻水対策」についてお伝えしています。自分でできるホームケアから、病院に行く目安まで解説しているので、参考にしてみてください。

赤ちゃんの鼻水を理解しよう

鼻の粘膜についたウイルスやアレルゲンなどの異物を外に出そうとして、大量の粘液が排出されます。その粘液が、鼻水です。

鼻の内側には、空気の通り道である「鼻腔」という空洞があります。赤ちゃんの鼻腔は、大人に比べて狭いため、鼻水が大量に出ると、鼻詰まりを起こしやすくなります。鼻詰まりを起こすと呼吸が苦しくなるので、おっぱいやミルクの飲みが悪くなったり、寝ていても何回も目が覚めて機嫌が悪くなったりします。少しでも症状を和らげるために、鼻水はこまめにとってあげましょう。

赤ちゃんの鼻水の原因

赤ちゃんの鼻水は、透明・白色・黄色と、よく観察すると色も違います。鼻水の色は、鼻水の原因や鼻水が出始めてからの時間によっても変わってきます。

アレルギー

花粉やホコリなどの異物に対してアレルギーをおこすと、透明の鼻水がいつまでもだらだらと出ます。アレルギーによる鼻水の場合、目がかゆくなったり、くしゃみをしたりといった鼻水以外の症状が見られることもあります。また異物に対するアレルギーだけでなく、寒暖差や乾燥に対するアレルギーもあります。アレルギーで鼻水が出ているときは、ほとんどの場合、熱はありません。

かぜ症状のひとつ

赤ちゃんは抵抗力が弱いので、かぜをひきやすく、治るのに時間がかかります。さらにウイルスは種類が多いので、せっかく治ったと思っても、またすぐ別のウイルスに感染して鼻水が出始めます。鼻水の色は、かぜのひきはじめには透明や白色ですが、徐々に黄色になっていきます。かぜの症状のひとつとして鼻水が出ている場合は、発熱や倦怠感といった症状も見られます。

赤ちゃんの鼻水をホームケアしよう

赤ちゃんの鼻水に気づいたら、まずはホームケアからはじめてみましょう。

鼻水を拭き取る

鼻の穴から出てきた鼻水を、ティッシュで優しく拭き取ります。何回も拭いているうちに、擦れて赤くなってしまうので、ワセリンで保護しておくといいでしょう。ただし、鼻水を拭き取るだけでは、なかなか鼻の奥に詰まった鼻水まではとれません。ティッシュでこよりを作ってくしゃみとして鼻水を出す方法もあります。そのとき、粘膜を傷つけないように注意しましょう。

ティッシュを縦4つ折りにして、鼻の穴に当てながら上に引き抜くと、手前にたまっていた鼻水と一緒に奥の鼻水までスルスルと出てくることもあります。なかなかじっとしていられない赤ちゃんには少し難しい方法かもしれませんが、可能ならば試してみましょう。

鼻水を吸引する

赤ちゃんはまだ鼻水をかめないので、鼻水を吸引してあげると、呼吸が楽になります。鼻水を吸引するには、鼻水吸引機を使うのがおすすめです。種類もたくさんあり、手動タイプと電動タイプがあります。

手動タイプは値段も安く手軽に試せますが、吸引力が電動タイプより弱いと言われています。電動タイプの置き型は、吸引力が強く、鼻水が良く取れますが、洗浄する部品が多く手間がかかったり、作動音が大きいというデメリットもあります。赤ちゃんができるだけ嫌がらないように、自分にあったものを選ぶようにしましょう。

また、鼻水を吸引するとき、先端のノズルを上に向けたくなりますよね。実際は、鼻の穴から水平方向に鼻水が溜まっている可能性が高いので、ノズルの先端は水平方向に向けましょう。できるだけ水平方向を向けたまま、少しずつ動かして鼻水が良く吸引できるポイントを探しましょう。このとき、小鼻の少し上を外側に向かって優しく引くと、鼻腔が広がって鼻水を吸引しやすくなります。

加湿する

乾燥すると鼻水の粘度が増すので、鼻水はなかなか出てこなくなります。できるだけ加湿するように心がけましょう。お風呂からあがったあとは、蒸気で鼻粘膜が潤って鼻水が出やすくなりますよね。蒸しタオルを使って鼻を温めてあげるのもいいでしょう。

体を縦向きにする

体を縦向きにすると、鼻腔の途中にたまっていた鼻水が流れやすくなります。縦向きまでしなくても、タオルや枕を使って頭を高くするだけでも変わりますので、調節してあげましょう。

生理食塩水を点鼻する

水道水ではなく生理食塩水を使うのは、ツーンとしみるのを防ぎ、粘膜を傷つけないようにするためです。生理食塩水は自分でも作れますが、薬局で購入もできます。使う時は、人肌程度に温めてから、スポイトを使って1滴ずつ様子を見ながら点鼻しましょう。生理食塩水が、鼻の粘膜についた花粉やウイルスを洗い流し、粘度の高い鼻水を柔らかくして出しやすくします。

ヴイックスヴェポラッブ

指定医薬部外品の「ヴイックスヴェポラップ」は、胸や背中に塗ると、鼻詰まりやくしゃみなどのかぜに伴う諸症状を和らげます。メントールなど6種類の有効成分が配合され、スースーとした清涼感があり、生後6か月以降の赤ちゃんから使えます。塗るときは、パパやママの手の平で温めてから使うと、ひんやりせずに赤ちゃんも安心するでしょう。

赤ちゃんの鼻水から起きる注意すべき症状

赤ちゃんの鼻水が原因で、「中耳炎」や「後鼻漏による咳や吐き戻し」が起きる場合があります。

中耳炎

赤ちゃんは、大人と比べて耳と鼻をつないでいる耳管が太く短く、また喉までの傾斜もゆるやかです。そのため、鼻水と一緒にウイルスや細菌が耳の中耳腔に入りやすくなり、中耳炎になる可能性があります。かぜ症状と一緒に、耳だれがでていたり、耳を痛がったりするときは、中耳炎を疑って病院で診察を受けましょう。

後鼻漏による咳と吐き戻し

粘り気のある鼻水が鼻の奥を通り、喉に向かって流れていく症状を「後鼻漏(こうびろう)」といいます。喉に流れてきた鼻水に反応して、咳がでたり、咳き込んで吐き戻したりします。中耳炎や後鼻漏を予防するには、こまめに鼻水をとる必要があります。鼻水が出始めたら、早めにホームケアをはじめましょう。

赤ちゃんの鼻水で病院に行く目安

赤ちゃんの鼻水が出ているとき、どんな症状があったら病院に行った方がいいのか悩むことがあるでしょう。次のような症状が、病院に行く目安になります。

  • 食欲がなく(ミルクや母乳の飲みが悪い)、機嫌が悪い
  • 咳で眠れない、2週間以上の長引く咳
  • 咳き込んで吐き戻してしまい、食事や水分がとれない
  • 急にケンケンと変な咳をしはじめ、声がかれている

赤ちゃんは、食事や飲み物から水分が取れなくなると脱水になりやすいので、注意が必要です。おしっこがしっかり出ているのか、おむつを見て確認するように心がけましょう。

急にケンケンと変な咳をして、声がかれているときは、クループ症候群かもしれません。急に症状が悪化する可能性もあるので、泣かせないように注意しながら、早めに病院で診察を受けましょう。

まとめ

赤ちゃんの鼻水は、呼吸が苦しいだけでなく、中耳炎や後鼻漏といった別の病気を引き起こしやすくなります。こまめなホームケアを行って、悪化を予防しましょう。咳き込んで食事や水分がとれない場合や、変な咳をして声がかれているような場合は、早めに病院で診察を受けるように心がけてください。赤ちゃんのつらい症状が少しでも和らぐように、鼻水対策をはじめていきましょう。

監修:ラッキーインダストリーズ

ラッキーインダストリーズは創立1934年の日本で一番歴史ある抱っこひもメーカーです。長い歴史の中、多くの子育てをサポートしてきました。私たちの想いである「AMAZING LIFE WITH BABY」を元に、多岐にわたる社会貢献活動を実践しています。本コラムでの情報発信を通して豊かで実り有る子育てのサポートにつながれば幸いです。

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