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【専門用語でしっかり解説】臨月の過ごし方|腰痛・むくみ・尿漏れ…不調を改善して快適に過ごそう 助産師監修

  • #助産師

更新日 2024/01/08

こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!

今回のテーマは「臨月の過ごし方」です。臨月は医学用語ではありませんが、一般的に36週0日~40週0日(予定日)を指していて、医学的には「正期産(37週0日~41週6日)」が臨月に近い意味をもっています。この記事では、臨月を安心・安全に過ごすためのポイントをご紹介します。

臨月に多い不調と過ごし方のコツ

ここでは、臨月に多い不定愁訴や心配な症状とその対応方法をご紹介します。

腰痛や股関節痛

妊娠すると、関節をゆるめるホルモンが分泌され、さらにお腹が重くなっていくことで特に臨月には腰や股関節への負担が大きくなります。腰痛・股関節痛を予防・改善するには以下のような方法があります。

お風呂やカイロで温める

冷えは血行を悪くし、痛みを強く感じます。体を冷やさない、意識して温めることが大切です。

適度な運動をする

ウォーキングなど安全性の高い運動で筋力をつけておくことは、体のさまざまな痛みの予防になります。ほかにも、次章でご紹介する腰痛・股関節痛予防のエクササイズもおすすめです。

骨盤ベルトを利用する

ホルモンによって緩んだ骨盤を、骨盤ベルトで骨盤をしっかり固定することで痛みが改善することもあります。

体重増加

子宮が大きくなるにつれて胃が圧迫されていたため、食欲が低下する妊婦さんも少なくありません。しかし、さらに妊娠週数が進むと赤ちゃんが生まれる準備で下に下がってくるため、胃の圧迫が解除されて食欲旺盛になることもあります。体重を増やし過ぎないよう制限されている場合は注意が必要ですが、逆につわりや胃の圧迫感から思うように体重を増やすことができなかった方はしっかり栄養を摂って、お産や育児のための体力をつけましょう。

尿漏れ・トイレが近い

妊娠すると、大きくなった子宮やホルモンの影響でトイレが近くなることが珍しくありません。また、妊娠中は子宮の重みやホルモンによって骨盤底筋群(膀胱・子宮・直腸を支えている筋肉)が弱ってくるために尿漏れに悩む妊婦さんも多いです。くしゃみや咳、重いものを持ったとき(例えば上の子を抱っこしたとき)など、腹圧がかかったときが尿漏れしやすいタイミングです。次章でご紹介する骨盤底筋群を引き締める体操で改善が期待できる上、分娩時や産後にも役に立ちます。ぜひ練習しましょう。

むくみ

妊娠するとホルモンの影響で体内の水分量が増え、むくみやすくなります。臨月は分娩時の出血に備えてさらに水分を蓄えようとするため、むくみがかなり強く表れることがよくあります。上半身もむくみますが、妊娠中は子宮が大きくなり足の血流が心臓に戻るのを妨げることがあるため、足のむくみが特にひどくなることがよくあります。以下では臨月のむくみを予防・改善する過ごし方を紹介します。

※むくみは妊婦さんに起こりやすい一般的な症状ですが、妊娠高血圧症候群の前駆症状(先立って起こる症状)である場合もあります。セルフケアも大切ですが、急激に症状が出た場合はすぐに受診しましょう。

減塩を心掛ける

特に外食やスナック菓子、インスタント食品には塩分が多く入っています。

冷えに注意

夏でも湯船に浸かる、仙骨あたりをカイロで温める、レッグウォーマーで足首を温めるなど。

靴下は締め付けによって血流が悪くなったり、汗がこもって逆に冷えたりすることもあるため、吸湿性・放出性が高く締め付けないものを選びましょう。また、足が冷えると寝付きづらくなります。やけどには注意が必要ですが、湯たんぽなどで足を温めると良いでしょう。レンジで加熱して使用するタイプなど、簡単で扱いやすいタイプがおすすめです。

適度な運動

ウォーキングは安全性が高く負荷もちょうどよいため妊婦さんに人気です。特にふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるほどの血管に対するポンプ機能があり、歩くことで筋肉を動かすと血流が良くなります。次章で紹介するエクササイズも、むくみはもちろん腰痛などの改善も期待できるので一石二鳥です。

十分な睡眠

臨月は夜間に何度か目が覚めてしまうことも多いですが、昼寝をするなどして睡眠不足にならないよう注意しましょう。また、寝る際には足の下にクッションや丸めたバスタオルなどを置いて足が少し高くなるようにすると足に溜まった水分が戻りやすくなります。

背中の右側には心臓に戻っていく太い血管があり、妊婦さんは上向きで寝ると子宮がその血管が圧迫して気分が悪くなることがあります(仰臥位低血圧症候群)。左を向いて横向きで寝ると仰臥位低血圧症候群を予防できます。横向きで寝るのが苦手な場合は抱き枕を使うのがおすすめです。

むくみ対策のツボ

むくみに効くツボを刺激することもおすすめです。強く刺激する必要はありません。優しく気持ちが良い程度に押してください。

また、むくみが強くなって指輪が外れなくなることがあります。例えば緊急で帝王切開が必要になった際には、電気メスを使用するため指輪を外す必要があります。むくみで指輪をはずすのに時間がかかってしまうと、赤ちゃんやお母さんのリスクが大きくなってしまうかもしれません。妊娠中は早めに外しておくと良いでしょう。

前駆陣痛

前駆陣痛とは、出産につながる本格的な陣痛ではない不規則な陣痛です。夜間だけ起こるケースや、数日間続いて消失するケースなどさまざまです。まったく起こらない場合もあれば、前駆陣痛からそのまま規則的な陣痛に移って出産に至る場合もあります。

継続時間が不規則で続いたと思ったら消えた、という感じであれば前駆陣痛だと思われますが、はっきりと区別することは難しいです。正期産の時期(37週以降)であっても心配であれば遠慮なく受診しましょう。また、37週未満であれば早産の危険があります。すぐに受診しましょう。

妊娠高血圧症候群の症状が急に出てくることがある

それまでは特に問題がなかった妊婦さんでも、臨月に入るころに急に妊娠高血圧症候群の症状が出てくることがあります。妊娠高血圧症候群は症状を自覚しにくく、急激に悪化します。最悪の場合は赤ちゃんとお母さんの両方の命が危険にさらされる非常に怖い病気です。妊娠高血圧症候群のハイリスクは以下の通りですが、実際には誰に起こるか予見することはほとんどできません。

・高齢妊婦

・妊娠高血圧症候群の既往

・妊娠高血圧症候群の家族歴

・肥満

・多胎

・妊娠前からの内科疾患

自覚症状はないケースが多いと言われていますが、次のような症状を感じられることもあります。

・むくみ

・頭痛、目がチカチカする

・お腹の急激な痛み

・吐き気や嘔吐

妊娠を機に自宅でも血圧を計測する習慣づけをするのも良いでしょう。体調で気になることがあれば、すぐに受診することが大切です。

常位胎盤早期剝離

常位胎盤早期剝離とは、赤ちゃんがまだ胎盤を必要としている(生まれていない)にも関わらず、胎盤が子宮からはがれてしまうことです。赤ちゃんは胎盤を通して酸素と栄養を受け取っているため、常位胎盤早期剝離となると十分な酸素を受け取ることができず危険な状態になります。また、妊婦さんは大量出血によって命の危機となります。

突然のお腹の強い痛みや、お腹が硬くなる(通常の陣痛と違って休みなく痛い・硬い)、突然の性器出血(血液が子宮に溜まり、出血していることに気づけない場合もある)、胎動の急激な減少など、おかしいと感じたらすぐに受診する必要があります。時間との勝負になります。

胎動の変化

臨月に入ったころには赤ちゃんは大きく育って子宮内で大きく動き回るだけのスペースがなく、さらに予定日に近づくと骨盤に頭がはまるため胎動が弱くなったと感じることがあります。しかし胎動を感じづらくなったとしても、臨月だからと言って胎動がまったくなくなることはありません。もし胎動をまったく感じないのならば赤ちゃんに異常が起きている可能性があり、早急に受診する必要があります。ここでは、胎動について判断する「10カウント法」をご紹介します。

【10カウント法】

方法:10回胎動を感じるのに何分かかったかを計ります。

胎動を10回感じるのにかかる時間の平均は15分で、90%が35分以内と言われています。胎動を10回カウントするのに35分以上時間がかかる場合は胎動が少ないと判断します。実際、胎動の減少で受診した妊婦さんの9割近くは問題なかったという報告があります。それでも1割以上の赤ちゃんが問題のある状態でした。胎動が少ないと判断したら、すぐに受診しましょう。

臨月を快適に過ごすためのエクササイズ

臨月でもできる運動はたくさんあります。特にウォーキングは安全で効果の大きい運動なので人気があります。運動の制限がなければ、お腹が大きくなる前から慣れておくことで臨月になっても安心して行うことができるでしょう。ここでは、臨月でもできる腰痛や股関節痛や尿漏れ等を予防・改善するエクササイズをご紹介します。※安静が必要な場合は行わないでください。必ず医師の許可をとってから始めましょう。

臨月を快適に過ごすための腰痛対策

腹式呼吸:腹式呼吸によって体幹を鍛え、腰への負担を軽減します

息を細く長く、吐き切ることがポイントです。

ストレッチ:腰や背中の筋肉をほぐして血流を改善します

臨月を快適に過ごすための股関節痛対策

股関節の動きをよくすることで血流が改善されむくみや痛みの予防・改善に役立ちます。

股関節の動きをよくする運動1:脱力して気持ちよく回しましょう

最初は弱く小さく、感覚を確認しながらだんだんと大きく気持ちよく回します。

股関節の動きをよくする運動2:股関節を動かす筋肉も鍛えます

臨月は仰向けが大変なこともあるので、右足を回すときは左向きに、左足を回すときは右向きになって行っても良いでしょう。

臨月を快適に過ごすための尿漏れ対策

尿漏れは産後にも続くことが少なくありません。効果を感じるまでに時間はかかりますが妊娠中から骨盤底筋群のエクササイズを続けることが大切です。

お尻を持ち上げると、重力の働きで骨盤底筋群を引き上げやすくなります。腰を反らないよう注意してください。お腹を持ち上げるのが難しい場合は、仰向けの状態で息を吐きながら骨盤底筋群を引き上げる練習をしましょう。

骨盤底筋群を意識的に引き上げることは、慣れないうちは難しい場合が少なくありません。それでも息を長く吐き切る練習を続けることで、呼吸に使われる横隔膜と骨盤底筋群が連動し、尿漏れ対策になります。続けているうちに少しずつ骨盤底筋群の動きを感じることができるようになります。

まとめ

いかがでしたか?臨月はもうすぐ赤ちゃんに会える喜びはもちろんですが、さまざまな不調や不安も少なくない時期です。この記事を読んで、できる範囲で対策をし、少しでも安心で快適な妊娠生活を送っていただけたら嬉しいです。また、心配事は積極的にかかりつけ医に相談しましょう。

監修:ラッキーインダストリーズ

ラッキーインダストリーズは創立1934年の日本で一番歴史ある抱っこひもメーカーです。長い歴史の中、多くの子育てをサポートしてきました。私たちの想いである「AMAZING LIFE WITH BABY」を元に、様々な社会貢献活動に取り組んでいます。本コラムでの情報発信を通して豊かで実り有る子育てのサポートにつながれば幸いです。

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