産後

赤ちゃんの発達|見たい、触れたい、伝えたい…原動力は好奇心! 助産師監修

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更新日 2023/02/22

こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このコラムでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!今回のテーマは「赤ちゃんの発達」です。赤ちゃんの発達は強い好奇心に支えられ、その動きにはたくさんの「やりたい!」が詰まっています。ここでは運動発達と手の発達を通して、興味・関心が赤ちゃんの育ちの原動力になっている様子や、赤ちゃんの好奇心にマッチした、コミュニケーションが育つ遊びなどをご紹介します。

0~2か月の赤ちゃん


この時期は、子宮の外の世界で生きていくため飲んで排泄することが生活の中心になる一方、発達を支える土台となる「興味・関心」が芽生える時期でもあります。母子手帳の成長曲線によると、最初の3か月間の体重は平均約1kg/月程のハイペースで増えます。

0~2か月の赤ちゃんの運動発達

「新生児って意外と良く動くのですね」そんな声をよくお聞きします。その動きは支離滅裂に見えますが、よく動くことで3~4か月頃には体の軸や首すわりが完成し、ハイハイや歩行などの基礎となります。手足が動きにくくなる服などに注意し、赤ちゃんが存分に体を動かせる環境を作ってあげましょう

0~2か月の赤ちゃんの手の発達

赤ちゃんは、手足をバタバタとよく動かしているうちに自分の手を見つけます。そして2か月前後になると、手の発達にとって重要な「手しゃぶり」が始まります。口は赤ちゃんの体の中で最も感覚が鋭い部分です。興味を持ったものを口で確認することで、赤ちゃんは世界と出会っていきます。その第一歩として、自分の手をしゃぶってその動かし方や感覚を学び、手を使いこなすための基礎を獲得します

0~2か月の赤ちゃんとの遊び方

✔顔を20~30センチ程の距離に近づけて、目を合わせてお名前を呼んでみましょう。

✔上の遊びで目を合わせたまま、少しだけ自分の顔を左右にゆっくり移動してみます。赤ちゃんが目で追おうとします。

✔赤ちゃんが声を出したら、「楽しそうね」「おしゃべりが上手ねー」などお返事を返してみましょう。

赤ちゃんの目と耳

新生児の頃の視力は0.01~0.02程度で焦点は合いにくく、色の区別もつきません。それでも顔には興味津々。「見続けたい!」という強い好奇心から、目が合ったり、顔を追えるようにもなります。また、耳はお腹の中にいたときからよく聴こえているので、特に慣れ親しんだ人の声や、逆に新しいおもちゃの音などに反応して目で見ようとします。

赤ちゃんの脳の発達

生まれたばかりの赤ちゃんの脳細胞数は私たち大人とほぼ同じと言われていますが、生まれてからは脳細胞同士を繋ぐネットワークが急速に複雑化するため、目や耳から刺激を入れることは脳にとって良い刺激になります。また、2~3か月頃になると「自分の意思で笑いかける」というような能動的なコミュニケーションが見られるようになりますが、それは脳細胞のネットワークの繋がりが順調に進んでいることの現れです。

3~5か月の赤ちゃん


この時期の一番のチェックポイントは首すわりです。首すわりが土台となり、赤ちゃんは様々な身体の動きを次々と体得していきます。

3~5か月の赤ちゃんの運動発達

3~4か月頃は、首すわりがほぼ完成する時期です。うつ伏せに余裕が出てくると見る力にも余裕が出てくるため一層しっかりと周囲を見ようとし、それと共に視覚も発達します。5か月頃になると寝返りができる赤ちゃんが増えます。自分の横におもちゃを見つけ「それが欲しい!」と思った赤ちゃんは、おもちゃに向かって手を伸ばします。その勢いで横向きや寝返りができることもあります。まずは手を伸ばして横向きになるなど、おもちゃを取ろうとする意欲が見られることがスタートです。

3~5か月の赤ちゃんの手の発達

おもちゃなどを「触りたい」という気持ちが芽生えてくる時期です。おもちゃに手が伸び始めますが、はじめのうちは上手く触れられることは稀です。試行錯誤しながら目で見たものに対してどのように腕を動かせば触ることができるのかなど、手と目を対応させて使うことを学んでいます

3~5か月の赤ちゃんとの遊び方

✔うつ伏せ遊び

・うつ伏せになった赤ちゃんの目の前に、パパやママもうつ伏せになって目を合わせます。

・うつ伏せが苦手な場合は、大人が座った状態で赤ちゃんを縦抱きにし、そのまま仰向けに寝そべると赤ちゃんはお腹の上でうつ伏せになります。しっかり目を合わせ、お名前を呼んだり歌を歌ったりしてみましょう。

✔おもちゃを口に運んでしゃぶる遊び

・赤ちゃんが握りやすいおもちゃを用意しましょう

・うつ伏せだと手は体を支えるためおもちゃを触る余裕がないかもしれません。その場合は仰向けで行いましょう。

おもちゃをしゃぶる

赤ちゃんは手にしたおもちゃは、その感触・形などを調べるために最も感覚が鋭い口へと運ぼうとします。手しゃぶりの応用です。手しゃぶりとは違う距離感を目を使って測ることや、予測した距離感に合わせて腕を動かすこと、手で触った感触と口にした感触の違いを照らし合わせることなど多くを学んでいます。一方で誤飲事故の可能性もあるので、危険な物が無いか常に気をつけましょう

6~8か月の赤ちゃん


床上でゴロゴロしながら自由にたくさん遊ぶ中で、首すわりに続いて体幹もしっかりしてきます。食べ物をモグモグするという慣れない動きをするためには、体の安定が不可欠です。段々と固形に近づいていく食べ物をしっかりと咀嚼できるよう、たくさん動き回って遊びましょう。

6~8か月の赤ちゃんの運動発達

赤ちゃんが動き出す時期です。動き出すと言っても、後ろに下がったりおへそを中心にその場でクルクルと回転移動したり、始めから前に進めるわけではありません。生まれて初めて「自分の力で」移動する赤ちゃんにとっては、どんな動きも大切な学びです。なかなか前に進まないと歯がゆく感じるかもしれませんが、赤ちゃんを応援しながら待ちましょう。ずり這いを十分に経験する中で手で体を支えることが上手になっていくと、少しずつハイハイに切り替わります。

6~8か月の赤ちゃんの手の発達

うつ伏せで過ごし手のひらで体重を支えることで手のひらの筋肉が緩み手を開きやすくなる分、おもちゃなどを掴むのがスムーズになってきます。また、親指の動きが他の四本の指から分離し、「親指と他の四本で挟む」という持ち方ができるようになります。

6~8か月の赤ちゃんとの遊び方

✔動き始めの赤ちゃんには、少し移動すれば手が届く位置におもちゃを置いてあげて遊びましょう。

✔安全に広く動き回れるようスペースをできる範囲で確保して、探索遊びを楽しみましょう。

✔パパやママが「マテマテ~」とハイハイで赤ちゃんを追いかけてあそびましょう。

自由にたくさん動き回ることで目も発達する

動きが自由になるに従い、目も発達します。移動の経験を積むことで、手の届かないものと自分との距離感や方向を測り、実際にそのモノを手にするためにはどの方向にどの程度移動したら良いのか、ということを目で理解できるようになっていきます。広い範囲を自由に動けるような環境で遊ぶ機会があると良いでしょう。おうちの中でも、安全を守りつつ自由に動き回れるスペースを可能な範囲で用意しましょう。

H2 9~11か月の赤ちゃん


移動が上手になった分、後追いが始まる赤ちゃんも多い時期です。こっそりといなくなると余計に不安になるので、「ちょっといなくなるけどすぐ戻るよ」と声をかけてから離れましょう。「ちゃんと戻ってくる」ことが分かるようになるまでの辛抱です。

9~11か月の赤ちゃんの運動発達

空間への興味がより強くなり、つかまり立ちが始まります。余裕が出てくるとソファや階段を登れるようにもなり、びっくりすることもあるでしょう。「よじ登る」という動きには、足裏にしっかりと体重をかけて体を支えることなど一人歩きの獲得やその後の発達のための要素がたくさん詰まっています。転落事故などには十分注意が必要ですが、ぜひたくさん経験しましょう。

9~11か月の赤ちゃんの手の発達

手先が器用になってくる時期です。そして指先の細かな動きを目でしっかりと見ることで、モノの形態を手と目で理解する力が発達します。モノへの理解や指先の器用さが進むことで形態に合わせたいじり方を考えるようになり、スプーンなどモノを道具として使おうとすることも少しずつ始まるでしょう。

9~11か月の赤ちゃんとの遊び方

✔赤ちゃんの興味を代弁するような言葉でおしゃべりしましょう

・赤ちゃんが犬を見ている→「ワンワンだね」「ご飯美味しいね」

✔パパやママが見つけたもの、気持ちなどを伝えて遊びましょう

・「見て!お花だ」「帽子を被ろうね」

✔渡したり渡されたりのやりとり遊びを楽しみましょう

・「どうぞ」「ありがとう」と言葉をつけながら遊ぶのがオススメです

✔決まったタイミングで決まったしぐさをして遊びましょう。真似る力が育ちます

・おもちゃのやりとり遊びをしたときに拍手、「ごちそうさま」と手を合わせるなど

9か月革命:コミュニケーション能力が急激に発達する時期

この時期には、「9か月革命」と呼ばれている社会性の急激な発達が起こります。それまでは「自分とママ」「自分とおもちゃ」など二者間の関係(二項関係と言います)を生きてきた赤ちゃんが、「自分とママと、ママが持っているおもちゃ」というように三者間の関係(三項関係)を結べるようになります。そして三項関係を結べるようになった赤ちゃんは、「パパやママが注意を向けているものに自分も注目する」などの「共同注意」というコミュニケーションをとることができるようになります。これは「パパ・ママは自分とは違うものに注意を向けていることがある」という自分と他者は違うということの理解の始まりです。

まねっこ遊びが始まる

「ミラーニューロン」という特別な脳細胞によって、「バイバイ」や「拍手」などのまねっこ遊びも始まります。ミラーニューロンは、他人の動きを見ているだけでまるで自分も同じ行動をとっているかのような反応をする脳細胞で、動きだけでなく相手の気持ちを感じ取る「共感力」も育てると言われています。

まとめ(赤ちゃんの発達の目安チャート付き)

赤ちゃんは育つ力をいっぱい持って生まれています。そして一番身近な存在の大人との安心な関係を土台に、持って生まれた力で次々と発達していきます。赤ちゃんとの一年はあっという間です。大変なこともたくさんありますが、今しかない成長を赤ちゃんと一緒に喜び合えたら嬉しいですね!


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