こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回は「母乳育児についての思い込み」の後編で、おっぱいケアについての思い込みや、母乳育児中のママの体調不良や服薬するときの思い込みについて紹介します。
前編はこちら↓
【母乳育児】つまずく原因は思い込み?知っておきたい8つの誤解 前編 母乳スタート・母乳量 助産師監修
母乳育児をしたい!と頑張っているのに、なぜかうまくいかない…それはもしかしたら「思い込み」のせいかもしれません。正しい知識をつけて、母乳育児を楽しみましょう!
もくじ
おっぱいのケアについての思い込み

おっぱいのケアについてもよく質問される「思い込み」があります。
乳腺炎にならないためにも、正しい知識を持ちましょう。
思い込み①:授乳のたびにおっぱいをカラにしないといけない
母乳は飲まれた量を参考に、次にどれだけ作るかがある程度決まります。赤ちゃんにとってちょうど良い量が作られるため無駄がなく、お母さんの体への負担という面でもメリットがあります。
そのため、飲み残しが多い場合、母乳量は徐々に減っていく可能性があります。
現時点で母乳量が足りていないと感じている場合、分泌を増やすためにはおっぱいをカラにした方が良いということになります。赤ちゃんに全部飲んでもらうか、難しい場合は搾乳でおっぱいをカラにすると良いでしょう。
一方で、現時点で母乳量が足りている、または多すぎると感じている場合は、赤ちゃんの飲み残しを無理にカラに近づけようとすると、分泌量がさらに増えてしまうかもしれません。
おっぱいをカラにする努力をした方が良いのか、しない方が良いのかは状況に合わせる必要があります。
また、飲み残しをそのままにすることで乳腺炎のリスクも考えられます。判断が難しい場合は、母乳外来などで相談しましょう。
思い込み②:おっぱいがすぐに張ってしまうから、授乳以外に搾乳もした方がよい
強いおっぱいの張りは、乳腺炎につながることがあります。
特に赤ちゃんが夜中よく寝てくれるようになって夜間授乳がなくなると、夜は母乳が作られやすいため、張りが強くなるかもしれません。
乳腺炎予防のためには、張りが強い時には搾乳も一つの手段ですが、搾乳しすぎることで母乳分泌がどんどんアップしてしまうこともあるため、注意が必要です。
もし、張っていても痛みはなく、赤ちゃんが欲しがるタイミングの授乳で改善するのであれば、母乳分泌量と赤ちゃんの必要量が徐々にマッチしてくる可能性があります。
授乳まで待っていると痛みが強い場合は、少し楽になる程度に搾乳したり冷やしてみるのもよいでしょう。
冷やす場合は、冷蔵したタオルなど気持ちよいと感じる程度がおすすめです。また、以下のようなジェルパッドなら冷蔵庫に常備しておけば必要な時にサッと使えて手軽です。
レンジで温めることもできる商品であれば、おっぱいに使わないときには温めて目や耳の後ろに当てると副交感神経が刺激されてリラックスできます。
強い張りや痛みが続いたり、おっぱいが赤くなるようであれば、乳腺炎になりかけているかもしれません。母乳外来などで早めに相談しましょう。
母乳育児と体調不良・薬についての思い込み
お母さんが体調不良になると、体のつらさだけでなく不安にもなりますよね。
ここでは体調不良や薬に関する思い込みを紹介します。
思い込み①:風邪をひいたら母乳をあげてはいけない
「風邪をひいたときは、母乳から赤ちゃんにうつしてしまうといけないのでおっぱいはやめておいた方がいいですよね?」と質問されることがあります。
答えはむしろ逆で、積極的に授乳した方が良い場合が多いです。
母乳には免疫が入っています。お母さんが風邪をひくと、お母さんの体では風邪ウイルスに対する免疫を作るので、母乳を通してその免疫を赤ちゃんに渡し、感染を予防できる可能性があります。もしうつってしまっても、赤ちゃんが免疫をもっていることで重症化の予防が期待できます。

とは言っても、母乳をあげていれば絶対に大丈夫というわけではないので、授乳前の手洗い、マスクの着用、授乳以外のお世話はお母さん以外の人がやるなど、注意は必要です。
ちなみに、母乳に風邪のウイルスが入っているのでは?と心配されることもありますが、母乳自体に風邪のウイルスは入っていませんので安心してください。
※ただし以下の3種類のウイルスは、母乳を介して赤ちゃんに感染することが分かっているため、母乳を中止しなければなりません。

また、新型コロナウイルスに感染した場合も、基本的には母乳育児を続けることが推奨されています。詳しくは以下をご覧ください。
新型コロナウイルス感染症と母乳育児について|国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
思い込み②:薬を飲むなら授乳してはいけない
「母乳をあげているうちは薬はダメ?」「薬を飲むなら数日間は授乳してはいけない?」という質問もよく聞きます。
例えば出産後の入院中に、痛み止めや解熱剤を処方してもらった経験がある方は多いと思います。母乳育児中は、飲んではいけない薬ももちろんありますが、痛み止めをはじめ、飲んでも大丈夫な薬もたくさんあります。
具体的には以下のサイトで授乳中にも安心して使える薬を紹介しています。ドラッグストアなどで購入する際は、薬剤師さんにサイトを見せ、相談しながら決めると安心です。
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
赤ちゃんの生活と母乳についての思い込み

赤ちゃんの成長とともに、母乳育児について「これでいいのかな?」と思うことも増えるかもしれません。
ここでは、赤ちゃんの生活と母乳についての思い込みを3つ紹介します。
思い込み①:赤ちゃんの成長とともに授乳間隔を開けないといけない
育児書を開くと、赤ちゃんの授乳回数は成長とともに段々と少なくなり、間隔があいてくると書いてあることが多いです。
でも、特に母乳育児の場合には、必ずしも当てはまらないケースが多くあります。
例えば、人によっては一回の授乳で作られる母乳の量が少な目で、回数を多くすることで一日のトータル量が赤ちゃんの成長にちょうどよい量となることがあります。
この場合、授乳後に赤ちゃんが「もっとほしいよ」と泣くのであればミルクを足すのもひとつの方法ですが、毎回赤ちゃんが満足できて、適切に体重が増えているのであれば授乳間隔があかなくても特に問題はありません。
もちろん、頻繁に授乳するのが大変ならミルクを足しても大丈夫です。
また、一回の授乳で少ししか飲まず、頻回に欲しがる赤ちゃんもいます。
母乳育児は、赤ちゃんの食欲だけでなく母乳をつくるお母さんの体の個性も関わってくるので、必ずしも授乳間隔があかないことがありますが、赤ちゃんの発育が順調なら心配ありません。
思い込み②:遊び飲みはやめさせた方がいい
2~4か月頃になると遊び飲みを始める赤ちゃんが増えてきます。
おっぱいを欲しがっていたのに、いざ授乳を始めるとママの顔を見てにっこり笑いかけてみたり、お口で遊んでみたり…。
「ちゃんと飲まないと体重が増えないのでは?」と心配になるかと思いますが、そんなときには赤ちゃんのおしっこの量が減っていないか注意してみてください。
十分に飲めていないと排尿量が減り、いつもより色の濃いおしっこになります
また、赤ちゃんの体重が適切に増加しているかどうかも、できれば確認しましょう。
遊び飲みは、赤ちゃんにとっては「ママと遊んでいる時間」です。抱っこされながら、大好きなおっぱいを通してママに話しかけたり、おっぱいから口を離すとママが「もっと飲んで」と背中をトントンしてくれたり…赤ちゃんはママとのやりとりを楽しんでいます。
もし、おしっこの量が少なかったり体重増加が十分でない場合は、赤ちゃんがウトウトしているときに授乳してみたり(ウトウトしているときは一生懸命に飲んでくれることが多いです)、授乳回数を増やすなどの工夫が必要かもしれませんので、母乳外来などで相談するといいでしょう。
特に問題ないのであれば、赤ちゃんの遊び飲みは「成長した姿」と思って大丈夫です。
思い込み③:母乳は1歳になったらやめた方がいい
お子さんが1歳頃になると、「そろそろ卒乳した方がいいですか?」と聞かれることが増えます。
1歳すぎて授乳することに対する心配のひとつに「虫歯」がありますが、実は母乳だけで虫歯になることはないと言われています。ただ、ごはんやおやつの後にしっかりと歯磨きができていないと、そこに母乳が加わって虫歯になるリスクはあります。
そのため、赤ちゃんの歯が増えてきたら、食後の歯磨きの習慣づけ、定期的に歯医者さんで診てもらう、フッ素を塗ってもらうなどの対策を行った方が安心でしょう。
保育園への入園を機にやめようか検討する方もいますが、保育園ではさまざまな感染症が流行します。母乳は免疫をたくさん含んでいるので、むしろおっぱいを飲んでいた方が安心かもしれません。
また、新しい環境は赤ちゃんにとってもストレスが大きいものです。帰宅後はあわただしいかもしれませんが、おっぱいタイムがあることで赤ちゃんもママもホッと一息つく時間にもなります。
世界的には、WHO(世界保健機構)は2歳以上まで母乳を続けることを推奨しています。これは、母乳は栄養面はもちろん、免疫やスキンシップとしても大切であるとしているためです。
もちろん栄養はごはんから摂れますし、スキンシップも母乳がすべてではありません。お母さんが「もう十分あげたから、いいかな」と思ったらやめるのもひとつの選択です。
でも、「1歳だからおっぱいはやめなきゃ」ということはない、ということは覚えておくとよいでしょう。
まとめ
母乳育児についての思い込みを、前編 ・後編にわけて15例紹介しました。
母乳育児は「こうするべき」という情報があふれていて、悩んだり、迷ったりすることも多いかもしれません。でも、すべてのママと赤ちゃんに当てはまる「正解」はありません。
大切なのは、「自分たちにとって無理のないやり方」を見つけていくことです。
もし迷ったときは、ひとりで抱え込まず、母乳外来などで相談してみましょう。
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