元保育士のひなた葵です。小学生の子どもがいて、幼児期から偏食に悩んだので食育インストラクターの資格も取って勉強をしました!勉強していて知ったのですが、奨励される離乳食の内容なども日々変化していっています。私たちの親世代の頃とのギャップはもちろんですが、第1子の頃とも内容が変わっているかもしれないぐらいのスピード感で見直されていっているのです。これらを含めて今知っておきたい離乳食の新常識をテーマに掲げ、これからお話ししていきたいと思います!
昔は常識だった意外な離乳食の常識とは?!
白湯
昔は、お風呂上がりや散歩から帰った時など、汗をかくようなシーンがあった時はまずは白湯を飲ませてあげるのが常識でした。なぜ白湯を飲ませていたのかというと、昔の粉ミルクは、ミネラルやたんぱく質が必要以上に配合されていたそうなんです。なので、それを薄める目的として、新生児のうちから赤ちゃんに湯冷ましを飲ませるように指導があり、それに従って食事以外の時間に粉ミルクをあげると胃腸に負担がかかるからと白湯だけをあげていたのでしょう。
現在の粉ミルクは母乳に成分が近いので、水分補給は母乳・粉ミルクで充分とされています。離乳食が始まってからも、白湯をわざわざ足す必要はなく、食事から採れる水分で足りていると言われています。ただし、便秘気味の時に水分を補う目的で白湯をあげることは今でもあります。赤ちゃんの便秘に悩んだら小児科や保健師さんにアドバイスをもらいましょう。
果汁
昔は生後2カ月から果汁を与えるのが一般的でした。母子手帳の項目にも、「果汁を飲ませていますか?」という項目があったほどです。その理由は、昔の粉ミルクには、ビタミンの成分を配合することができなかったので、ビタミン補給の目的で果汁を与えるように指導していたそうです。また、母乳や粉ミルク以外の味を覚えさせ、離乳食をスムーズに進めようという考えもありました。
現在は、離乳食開始の6ヶ月頃まで果汁は必要ないとされていますし、虫歯・アレルギー・下痢など様々な心配があるので、果汁を飲ませることは必須ではなくなってきています。
はちみつ
昔は、「甘くて栄養があるから」と栄養補給目的で赤ちゃんにはちみつを積極的に与えていたこともあったようです。ですが、これはご存知の通り1歳未満の赤ちゃんには絶対NGとなります。はちみつに含まれるボツリヌス菌による食中毒やアレルギーの危険性があり、死亡事故に繋がってしまったケースもあるので、「あげたらダメ」と強く親世代の方にも伝えましょう。
意外と見過ごしがちなのが、お菓子などに含まれているはちみつです。洋菓子にはちみつが使われていることはよくありますし、最近流行りの高級食パンなどにもはちみつが含まれていることもあります。必ず原材料を確認してから赤ちゃんに食べさせるという習慣をつけておくと、思わぬ事故を防げるので安心できますよ!
食べ物は親が口で砕く
今聞くと「えー?!」と思われるかもしれませんが、硬いものや大きいものは口の中に入れて嚙み砕いて柔らかくしてから食べさせてあげることは昔は珍しくありませんでした。私の親も今でも同じようにして飼い犬にご飯をあげているのを見ます。きっと昔の習慣がまだ残っているのだろうと思うと複雑な気持ちになりますね…。
最近では、大人が噛み砕いたものを与えたり、箸やスプーンを共有するのは虫歯の原因になるミュータンス菌がうつる可能性があるので良くないことと言われています。最近の研究では、ミュータンス菌に関してはそこまで神経質になる必要はないといった研究データも出ているようですが、余り衛生的なことではないので辞めておいた方がいいでしょう。大きいもの、固めのものをあげる時は、調理ばさみや麺カッターなどの専用の器具を使って食べやすくしてあげてくださいね!
アレルギー
子どもの命にもかかわるアレルギーは非常に慎重にならなくてはいけません。しかし、昔はアレルギー=好き嫌い・甘えなどといった考え方もあったようです。昔は今よりもアレルギーを抱える子どもが少なかったため、正確な知識を大人が持っていなかったといったことも背景にあるでしょう。でも、当然のことながらアレルギーは甘えではありません。
現在は、アレルギーは医師の指示に従いって自己判断はしないようになっています。保育園や幼稚園でも除去食をお願いしたり、お弁当を持参するのが当たり前ですよね。アレルギーの子は決して珍しくなく、将来的に治っていく子もいるので根気よく受診をしながら対応していきましょう。
WHOが提唱している離乳食の勧めとは?
WHOが離乳食に必要としている要素は
・エネルギーと栄養素が豊富
・衛生的かつ安全
・家庭の食事から簡単に準備ができる
・地域で入手可能かつ購入可能なものを与える
といった4点です。
どうですか?栄養素も重要なことですが、こう見るといかに保護者が無理なく離乳食を用意できるかにスポットが当てられているかが分かります。
離乳食は、 WHOでは「補完食」と呼ばれ、生後半年ごろから母乳やミルクだけでは足りなくなる栄養素を補充するための食べ物という位置づけになっています。また、今後ずっと続く食事に少しずつ慣れていくための時期という考え方でもあるので、あくまで食事の練習と思って構え過ぎずに進めていけばいいことが分かります。
2019年に改定!厚生労働省の離乳食の新ガイドとは?!
2019年3月、授乳・離乳の支援ガイドが12年ぶりに改訂されました。うちの娘は2014年生まれなので、娘が離乳食をしていた頃ともまた指針が変わったということになります。新しく決められた指針はどのような内容かをまとめていきます!
卵は生後5~6カ月から開始
改定前はアレルギーを危惧して生後7~8カ月から開始推奨だった卵が、「食べることを遅くしてもアレルギー予防にはならない」ということが分かり、生後5~6カ月からの開始を目安とすることになりました。固ゆでした卵黄を耳かき1杯程度の量から少しずつ始めていきましょう。
生後6カ月ごろから鉄分不足を補う必要がある
母乳育児の場合、改定前は生後9カ月ごろから鉄分が不足するとされていましたが、改定後は生後6カ月ごろから積極的に鉄分を摂るように推奨と時期が早められています。また、ビタミンD欠乏の指摘もあることから、母乳育児を行っている場合には適切な時期に離乳を開始し、鉄やビタミンDの供給源となる食品を意識的に取り入れることが重要である旨が記載されました。
鉄分が不足すると、発育発達遅延や運動機能・認知機能低下などの影響が出てしまうこともあるので積極的に鉄分を意識しましょう。ほうれん草などは吸収率が低いので、赤身の肉などがおすすめです。私は市販のレバーペーストを使ったりもしていました。
イオン飲料の多量摂取への警告
改定前のガイドには、果汁を離乳開始前に与えることによる栄養学的意義がないということが記載されていましたが、改定版ではそれにイオン飲料も追記されました。イオン飲料とは糖質とナトリウム、カリウムなどのイオン、クエン酸などを含む清涼飲料水です。体液の成分と似ているとも言われ、「飲む点滴」などと称されることもあります。スポーツドリンクタイプの他に乳幼児専用の製品や経口補水液なども市販されています。
手軽に飲めて便利に思うイオン飲料ですが、多量摂取による乳幼児のB1欠乏も報告されていることから、イオン飲料については授乳期から離乳期を通して摂取する必要がなく、必要な場合は医師の指示に従うことと記載されています。発熱したらイオン飲料をあげたくなりますが、まずは病院に相談をしてみるようにしてください。
離乳食の常識は日々変わっている!
いかがでしたか?親世代との考え方のギャップにも驚きですが、2019年に改定された内容にも驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。このように離乳食の常識は日々変わっていっているので、常に知識をアップデートしていきたいところです。ただ、新改訂のガイドにも上手にベビーフードを活用して!などの文章が盛り込まれていることもあり、必要以上に離乳食について神経質になる必要はないと思います。
「これをやってはいけない」というところさえ押さえておけば、あとは赤ちゃんのペースに合わせながら無理なく楽しく離乳食を進めていきましょう!
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