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【授乳中の食欲が止まらない!】「授乳期」の食生活のポイントと食べ過ぎないコツ 助産師監修

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更新日 2026/02/23

こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このコラムでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!

今回のテーマは「授乳中の食生活」です。

授乳中はお腹がすいてしょうがない…
食べ過ぎたくないのに食べずにはいられないのはなぜ??
そんな疑問を持っている方必見!
食べ過ぎないコツや、授乳中に控えていた食べ物についての先輩ママの体験談も紹介しています。

1.授乳中の食欲が止まらないのはどうして?


「授乳中はとにかくお腹がすく!」「特に甘いものが欲しくなる!」という人は少なくありません。
ここではその理由を紹介します。

授乳中に食欲がアップするのはなぜ?

まずは、母乳育児をしているとお腹がすきやすくなる理由を確認しましょう。

① 母乳をつくるためのエネルギー消費が大きい

母乳を1日に800ml作ると、約500〜700kcalのエネルギーを使います。これは、軽いジョギング約1時間分に相当する消費カロリーです。

800mlは1か月くらいの赤ちゃんの1日量に匹敵しますが、赤ちゃんの成長とともに必要な量は増えていくため、ママの体では分泌量をどんどん増やしていこうとします。そして、体が「もっと食べてエネルギーを補給して!」とサインを出し、食欲が増します

② ホルモンの影響

授乳中は母乳をつくるホルモンである「プロラクチン」が分泌されます。プロラクチンには母乳育児を継続するための体の自然な仕組みとして食欲を高める働きがあります。

③ のどの渇きを空腹と感じることがある

母乳の約90%は水分です。そのため、とてものどが渇きますが、「のどの渇き=食欲」と感じてしまうことがあります。
水分不足を空腹と勘違いし、つい間食が増えてしまう人もいます。

④ 睡眠不足などのストレスの影響

ストレスで食欲が乱れることもあります。
特に慢性的なストレスでは、体がエネルギーを蓄えようとするため食欲がアップしやすくなります。

緊張や不安が強い場合は、逆に食欲が低下するケースもあります。

授乳中に甘いものが食べたくなるのはなぜ?

授乳中には、特に甘いものが欲しくなることがあります。
その理由は、以下の通りです。
甘いものがほしくなるのは、自然な体の働きでもあるのです。

① 甘いものは効率よくエネルギーを補給できる

授乳では一日に数百kcalのエネルギーが消費されます。
そのため効率よくエネルギーを補給する必要があり、甘いものがうってつけです。「手っ取り早いカロリー補給」を求めて自然と甘いものに手が伸びてしまうのです。

② 授乳による血糖値の低下をすみやかに回復

母乳には糖分が多く含まれています。そのため特に授乳後は低血糖になりやすいです。
すると体は「糖を補給して血糖値を回復させよう」として、甘いものを欲するようになります。

③ 睡眠不足やストレスの影響

赤ちゃんのお世話などでストレスや寝不足が続くと脳にも疲れが溜まります。
脳の主なエネルギー源は糖
であるため、甘いものを食べたい気持ちが強くなります。

④ 鉄分やマグネシウム不足

鉄やマグネシウムといったミネラルが不足していると甘いものを食べたくなることがあります。

鉄は、酸素と栄養を運ぶ働きをするヘモグロビンの材料です。そのため鉄が足りないとエネルギーが不足してしまい、糖分を補給したくなります。
また、マグネシウムが不足するとイライラや不安が強くなりやすく、甘いもので脳を落ち着かせようとします。

2.授乳中の食事のポイントと食べ過ぎない工夫

授乳中は食欲アップすることが多いですが、どの程度まで食べて大丈夫なのでしょうか?
また、つい食べ過ぎてしまう場合は、どうしたら良いでしょうか?

ここでは食事の量や内容のポイントと、食べ過ぎないための工夫について紹介します。

授乳中の食事のポイント

厚生労働省によると、授乳中の1日の摂取カロリーは、妊娠前と比べて450kcal増加させるとしています。

妊娠前の摂取カロリーの目安は以下の通りです。

参考:妊娠期・授乳期にはエネルギーの必要量が増加|厚生労働省

また、単にカロリーを増加させれば良いわけではなく、「食事バランスガイド(厚生労働省:下図)」では、増やすべき食べ物として以下のような例を紹介しています。

引用:妊娠期・授乳期にはエネルギーの必要量が増加|厚生労働省

食べ過ぎない工夫をしよう!

食事量の目安がわかっても、食べたい気持ちを抑えるのは大変です。
食べ過ぎることなく満足できるよう、以下のような工夫をしてみてはいかがでしょうか?

できそうなことから始めてみるのがポイントです。

① 甘いものを食べたくなったら、まずは自然な甘みの食べ物を選ぶ

チョコレートやアイスなど「甘いものを食べたい!」と感じたら、にぎりや果物、ヨーグルトなど自然な甘みで栄養もとれるものをまずは食べましょう

空腹が満たされることでお菓子を食べずに済んだり、食べても少量でやめやすくなります。

また、バナナやナッツ、チーズや牛乳は心の安定にである「セロトニン」の材料になるので、おやつとして特におすすめです。

② お菓子は少量パックのものを選ぶ

スナック菓子などは大袋のものを買ってしまうと、一度開封したら全部食べたくなってしまいます。小分けになっているものを購入しましょう。

また、目につくところに置いたり、テーブル上など手を伸ばしやすい場所に保管しないようにしましょう。

③ 鉄やマグネシウム不足に注意

鉄やマグネシウムが不足すると、甘いものを食べたい気持ちが強くなります。
以下の表を参考に、鉄やマグネシウムを含む食品をしっかり食べるようにしましょう。

これらの食品を食事でとることが難しい場合は、サプリメント等を検討しても良いでしょう。産後1か月以内の方は、出産した産院に相談しましょう。

④ こまめな水分補給

のどの渇きを空腹と勘違いすることが意外とあります。
授乳をしていると体の水分が不足しやすいので、注意しましょう。
一度にたくさん飲むよりも、こまめに補給する方が効果的です。

また、家で過ごす日でも自分用の水筒やペットボトルを用意すると、その都度コップで飲むよりも飲んだ量を確認しやすいです。

食事以外で1日2リットル程度を目安にしましょう。
尿の色が濃くなったら水分不足のサインかもしれません。

⑤ 深呼吸やストレッチでリラックス効果

深呼吸やストレッチは自律神経が整ってリラックス効果が得られるため、気持ちが落ち着き、食べ過ぎ予防が期待できます。

おすすめの深呼吸の方法や、ストレッチを紹介します。

【自律神経を整える深呼吸】

ただの深呼吸ではなく、途中で2~4秒息を止めることで自律神経がより整いやすくなります。
息を吐くときは「細く長く」吐くことを意識しましょう。

※無理の無い範囲で3~5回繰り返しましょう

【胸ひらきストレッチ】

肩や胸が開いて自然に呼吸が深くなり、自律神経が整うストレッチです。

やり方
※3~5回繰り返しましょう
※腰を反らないように注意します

【背中まるめストレッチ】
緊張した背中がゆるみ、リラックス効果が高まるストレッチです。
やり方
※3~5回繰り返しましょう

3.【先輩ママに聞く】授乳中はこの食べ物を控えていました!

「授乳中に脂肪の多いものや甘いものを食べると、乳腺炎になりやすい」と聞いたことはありますか?

昔からさまざま言われていますが、実はこれらには「科学的根拠」はありません
それでも、実際に「私は〇〇を食べると必ず母乳が詰まります!」という方はいます。ここでは、先輩ママたちの体験談を紹介します。

(1)甘いものを食べると体調によっては母乳の調子が悪くなった体験

私は完全母乳で育てています。

出産した産院は、食事が豪華なことで有名な病院で、入院中はグラタンやステーキ、ケーキなどをおいしくいただきました。

退院してからは忙しくて簡単なものばかり食べていたのですが、赤ちゃんがいる生活は想像以上に大変で、睡眠不足もあってストレスが溜まりました。

そんなときに夫がケーキを買ってきてくれたので喜んで食べました。その日は問題無かったのですが、翌日におっぱいが詰まってしまったのか、出が悪く、少し痛みも出てきました。あわてて母乳外来を受診したところ、乳腺炎になりかけていると言われてしまいました。
助産師さんによると、食べ物が原因で乳腺炎になるという根拠は無いそうなのですが、消化が悪いものは体調が万全でないときに食べると体の負担になるので注意した方が無難かもしれないと言われました。

とは言っても、育児をしているとストレスのせいか甘いものがほしくなることも少なくありません。そういうときはフルーツやプリン、ヨーグルトなど、比較的さっぱりしたものを選ぶようにしています。たまにケーキを食べることもありますが、体調が良いときにしているせいか、あれ以来おっぱいが詰まることなく過ごせています。

(2)母乳を気にして食べ物を制限していたけれど、実は必要なかったことがわかった体験

私は妊娠中から母乳育児を強く希望していたので、事前にネットでいろいろ調べていました。そして、甘い食べ物や脂肪の多い食べ物は母乳には良くないと書いてあったので、産後はそれらを食べないようにしていました。

幸い母乳の出がとても良く、ミルクを足すことなく授乳できたのですが、その分すごくお腹がすくようになりました。さらに、元々甘いものや脂っこい食べ物が大好きだったのに食べずにいたので、どうしても我慢できなくなって産後半年経ったときに初めて大福を食べてしまいました。

乳腺炎になっちゃうかも!とすごくドキドキしたのですが、翌日になってもまったく変化がなく、自治体の育児相談会でそのことを話してみたら、意外とみんな制限なく食べていると聞いてびっくりしました。

その後はあまり我慢しすぎず、基本的には食べたいものを食べていますが、乳腺炎など大きな問題が起きたことはありません。実は私は制限する必要は無かったようです。

まとめ

授乳中の食生活についてまとめました。
食べても食べてもお腹がすいてしまうのは、授乳中の体にとって自然なことです。
できる範囲で工夫して、必要以上に食べ過ぎず、無理なく栄養がとれるよう心がけていきましょう。

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