こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。
このコラムでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回のテーマは「赤ちゃんのうんちが出ない!」です。
赤ちゃんのうんちが2〜3日出ていない、いきんでいるのに出ない、おならばかり出る—。「これって便秘?」「病院に行った方がいい?」と迷う方は少なくありません。
この記事では、赤ちゃんのうんちが出ない時の判断基準を3ステップで整理し、月齢別の正常範囲、自宅でできる対処法、そして「すぐ病院へ行くべきサイン」までをわかりやすく解説します。
もくじ
赤ちゃんのうんちが出ない!赤ちゃんの便秘とチェックリスト

赤ちゃんのうんちが出ないと心配になりますね。
ここでは「そもそも便秘ってどんな状態なのか」を確認し、便秘かどうかを確認するチェックリストをご紹介します。
(1)赤ちゃんのうんちが出ない=便秘?
便秘とは、うんちが滞っている状態や出にくい状態のことです。
そのため、赤ちゃんのうんちの回数が少なくても、必ずしも便秘というわけではありません。
逆に、赤ちゃんのうんちがよく出ていると感じていても、、便秘の可能性もあります。
大切なのは、うんちが出ないことで、赤ちゃんの機嫌が悪かったり飲みが悪くなったり、出すのが苦痛な状態となっていないことです。
(2)赤ちゃんのうんちの回数と出ないときの便秘チェックリスト
赤ちゃんは成長するにしたがって、消化能力が高くなり、大腸にはうんちを溜める力がついてきます。また、うんちを出すときにいきむ力もついてくるので、うんちの回数はだんだんと減っていきます。
以下は、赤ちゃんのうんちの回数の変化例です。

ただし、赤ちゃんのうんちの回数は個人差がとても大きいです。
大切なのは回数そのものよりも、赤ちゃんが快適に過ごせていることです。
逆に、以下のポイントが当てはまる場合には、要注意です。

また、赤ちゃんのうんちが出ない日が続くとおっぱいやミルクを飲む量が減り、長期的には体重増加が少なくなることがあります。その場合、短期的にはおしっこの量も減るので、おしっこが減っていないかはいつも気にしておきましょう。
(3)母乳とミルク、うんちが出やすいのはどっち?
一般的に、母乳の方がミルクよりうんちが出やすいことが多いです。
母乳は消化吸収が良く便が緩めになるのに対し、ミルクは脂肪やタンパク質の構成から、便が硬くなりやすいためです。
ただ、うんちの出やすさは赤ちゃんの体質にも左右されるので、母乳にすれば便秘にならないというわけではありません。
赤ちゃんがうんちを出せなくなる4つの原因【月齢別】

赤ちゃんのうんちが出ない原因は成長過程の生理的な変化であることが多いのですが、授乳量が足りないことが原因となることもあります。
ここでは代表的な4つを紹介します。
(1)消化器官や筋肉が未発達|新生児に多い
生まれて数か月程度までの赤ちゃんは、消化器官や腹筋・横隔膜の発達が未熟です。「いきむ力」が十分でないため、便を押し出せず溜まりやすくなります。
これは病気ではなく、成長過程で自然に改善する一時的な現象です。
(2)排便のコツがまだつかめていない|新生児~6か月頃
排便のコツがまだつかめていないために、「いきんでも便が出ない」「真っ赤になって泣くのに出ない」状態が続くことがあります。
これは便が硬いわけではなく、いきむ力と肛門のゆるめるタイミングがうまく協調できない発達上の現象で、「ディスケジア(乳児排便困難症)」と呼ばれます。
病気ではなく生後6か月頃までに自然に改善することが多いですが、症状が長引く場合は小児科医に相談しましょう。
(3)離乳食の開始|5か月頃~
離乳食が進んできたタイミングは便秘になりやすい時期です。
それは、母乳・ミルクから半固形・固形食に変わることで、水分摂取量が少なくなりがちなためです。また、新しい食材を消化する酵素や腸内環境がまだ発達途中で、腸の調子が一時的に乱れることも便秘の原因となります。
以下のことに注意しながら離乳食を進めましょう。
- 水分を多めにとるよう意識する
- 食物繊維の多い食材(さつまいも、かぼちゃ、プルーン、バナナ、りんごなど)を取り入れる
- ヨーグルトなどの発酵食品も徐々に取り入れていく
(4)授乳量の不足|全期間
授乳量が足りないと十分な量のうんちが溜まらず、さらに硬くなることで出にくくなります。この場合、体重増加も緩やかになっていることが多いです。
また、水分の不足も便が硬くなり、便秘につながりやすいです。
特に夏場は水分が汗として使われてしまうため、1日の授乳回数や量、尿の回数や量、色を確認しましょう。
おしっこは、正常な回数が医学的に決まっているわけではありませんが、おおむね1日10回前後~15回程度が目安です。成長するにしたがって膀胱が大きくなり回数が減ってきますが、赤ちゃんのオムツが何時間も濡れない場合は水分が足りていないと考えましょう。
また、おしっこの色が濃い場合も水分不足のサインです。普段のおしっこの色を確認しておきましょう。
3. 【今すぐできる】自宅でできる4つの便秘対処法

ここでは、自宅で簡単に始められる、赤ちゃんの便秘解消方法を4つご紹介します。
続けていくことでだんだんとうんちを出しやすくなっていくことが期待できます。
※浣腸や便秘薬を使いたい場合は医師に相談することをおすすめします。
(1)お腹を「の」の字にやさしくマッサージ
最も基本的で安全な対処法です。
やり方は以下の通り。
- 1.授乳直後を避け、機嫌の良い時間帯を選ぶ
- 2.赤ちゃんを仰向けに寝かせる
- 3.おへその周りを、時計回りに「の」の字を描くようにゆっくりさする
腸の動きをやさしく刺激してガスや便を出しやすくします。1回5分程度、1日2〜3回が目安です。
歌に合わせてマッサージするのもおすすめです。
授乳直後や赤ちゃんが嫌がる時は中止してください。肌に触れる程度で優しく撫で、強すぎないよう注意しましょう。
(2)綿棒浣腸
綿棒浣腸は安全に行えば短時間で効果が得られることもあります。

出血や粘膜損傷を避けるため、強く差し込んだり長時間刺激することは避けましょう。
頻度の目安は1日1回。
授乳後・食後30分程度経ったタイミングが、腸の動きも相まって成功しやすいです。
また、綿棒浣腸をしてもうんちが出ない場合や、綿棒浣腸をしなければ出ない状態が続く場合は、早めに受診しましょう。
(3)足の運動(自転車こぎ)
赤ちゃんを仰向けに寝かせ、両足を持って自転車をこぐようにゆっくり動かします。
1分程度で十分です。
腸の動きを刺激し、ガスや便を出しやすくする効果があります。マッサージと組み合わせると効果的です。
(4)水分・授乳量の見直し
おしっこが少ない(数時間オムツが濡れない、色が濃い)、体重増加が緩やかな場合は、水分や授乳量が足りないためにうんちが出にくくなっているかもしれません。
例えば次のような点を見直してみましょう。
- 授乳量・回数を増やすことを検討
- 離乳食が始まっている場合は、水(白湯)や麦茶などの飲み物も与える
- 離乳食が進んできたら、スープや果物など水分の多い食べ物も取り入れる
4. こんな時はすぐ病院へ|受診目安と緊急サイン

ほとんどの便秘は自宅でのケアで改善しますが、すぐ受診すべき危険なサインも存在します。3段階の判断軸で整理しました。
スマホでうんちの写真を撮っておくと、医師の判断材料として役立ちます。
(1)【夜間救急OK】すぐ受診すべきサイン
以下の症状がある場合、夜間や休日でも救急受診を検討してください。
- 繰り返す嘔吐(特に緑色の嘔吐)
- 便に血が混ざる
- お腹がパンパンに張って痛がる
- ぐったりして反応が鈍い
- 38.5度以上の発熱
- 激しく泣く(長時間泣くこともあれば、短時間の泣きを繰り返すこともあります)
腸閉塞や腸重積など、緊急の病気が隠れている可能性があります。
(2)【翌日でOK】かかりつけ小児科を受診
以下の場合は翌日にかかりつけの小児科を受診しましょう。
- 4~5日以上うんちが出ない
- 繰り返し便秘になる
- 自宅ケアで改善しない
- 体重の増えが悪い
- 授乳量や離乳食を食べる量が減ってきた
(3)【様子見でOK】機嫌が良ければ慌てなくていいケース
2〜3日出ていなくても、これらが揃っていれば緊急性は低いです。3章で紹介したホームケアをしながら様子を見て良いでしょう。
- 機嫌が良く、いつも通り授乳できている
- お腹が張っていない
- 嘔吐や発熱がない
- 体重が順調に増えている
(4)迷ったら「#8000」小児救急電話相談を活用
特に、夜間・休日に判断に迷ったら、子ども医療電話相談「#8000」を活用しましょう。
電話をかけると地域の小児科医や看護師につながり、受診すべきかどうかを相談できます。全国共通の窓口で、ほとんどの地域で利用できます。
5. 赤ちゃんのうんちが出ない|よくある疑問Q&A

最後に、赤ちゃんの便秘でよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 赤ちゃんの便秘に綿棒浣腸をしても出ない場合はどうしたらいい?
A.綿棒浣腸をしても効果がない場合は、以下の理由が考えられます。
- 綿棒がしっかり入っていない
- 時間が短い
- うんちが近くまで下りてきていない
- うんちがすでに硬くなりすぎている
綿棒浣腸で強く刺激することは危険です。思ったような効果が得られない場合は受診しましょう。
Q2. マルツエキスやイチジク浣腸など市販薬は赤ちゃんに使ってもいい?
A. 薬を使う場合はまずは受診することをおすすめします。
月齢や症状に合わせて使うことが大切です。また、実は便秘ではなく病気が隠れている可能性もあります。
特に月齢が小さいほど薬の影響が大きくなるため、医師の診察の上で処方してもらうと安心です。
Q3. 赤ちゃんが便秘ですが、おならばかり出るのはなぜ?
- 便は腸の中で出るタイミングを待っている状態でも、おならはその隙間を通って先に肛門まで通り抜けられるからです。
つまり、おならが出ているということは、腸は動いていて排便の準備が進んでいるサインであり、多くの場合心配いりません。
ただし、お腹がパンパンに張る・授乳量が極端に減る・嘔吐するなどの症状を伴う場合は、便とガスがうまく排出できていない可能性があるためすぐに受診してください。
Q4. 一度便秘になると癖になる?
- 便秘が長引くと腸が排便のリズムを取り戻しにくくなります。
また、うんちが硬くなって排便で強い痛みを感じるようになると、赤ちゃんが排便を我慢してしまい、慢性化することもあります。ホームケアでも改善しない場合は、早めに受診しましょう。
まとめ
赤ちゃんのうんちが出ない時は、まずはホームケアを実践してみましょう。それでも改善しなければ受診して、早めに解決することが大切です。
また、繰り返す嘔吐や血便、激しい痛みなどがある場合は、夜間でもすぐに受診しましょう。判断に迷ったら、小児救急電話相談「#8000」やかかりつけ医にすぐ相談してください。
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