こんにちは!助産師のユイです。これまでに新生児訪問や乳幼児健診、そして子育て支援センターなどで赤ちゃんの成長についてたくさんの相談を受けてきました。このブログでは、最新の研究を元にパパ・ママの心配や疑問に答えます!
今回のテーマは産後の抜け毛です。
産後に抜け毛が増えるのは、多くのママが経験する自然な体の変化です。ホルモンの影響や体の回復に伴う一時的な現象がほとんどなので、正しい知識を持って落ち着いて対処していきましょう。
産後の抜け毛はなぜ起こる?原因とメカニズム

産後の抜け毛には、実は体の仕組みによる明確な理由があります。
ここでは、その原因とメカニズムをわかりやすく解説していきます。
産後の抜け毛の原因(1)ホルモンバランスの急激な変化
産後の抜け毛は、エストロゲンをはじめとする女性ホルモンの急激な減少が大きな原因のひとつです。
妊娠中に多く分泌されていた女性ホルモンは、産後急激に減少し、抜け毛の増加を引き起こします。
髪の毛は、以下のように生え変わりのサイクルを繰り返しています。

エストロゲンは妊娠の維持に必要なホルモンですが、髪の毛にも以下のように作用します。
- 髪の生え変わりサイクルの「成長期」を延ばす
- 髪を太くする
- ツヤを保つ
そのため、妊娠中は髪が抜けにくく、抜け毛が減ります。髪の量が増えたり、ボリュームやツヤが増す人も多いです。
しかし、出産を終えるとエストロゲンの分泌は急激に減少し、髪の多くが休止期に移行します。休止期に入った髪は数か月後にまとめて抜け落ちるため、産後2〜4か月ごろから短期間で大量の抜け毛が発生します。
この現象は「分娩後脱毛症」と呼ばれ、多くの女性が経験する体の変化です。
産後の抜け毛の原因(2)血流の低下
髪の毛は、毛根の奥にある細胞で作られます。この細胞に栄養と酸素を届けるのが血液の役割です。血流が良いと細胞が活発に働き、太くしっかりした髪が育ちます。
ところが、産後は睡眠不足・疲労・ストレス・貧血などによって全身の血流が低下しやすくなります。さらに、育児中は慣れない生活リズムや不安から交感神経が優位になりやすく、頭皮の血流も低下します。
その結果、毛根への栄養供給が滞り、髪が細く弱くなります。
産後の抜け毛の原因(3)睡眠不足・ストレス
産後は夜間授乳やおむつ替えで睡眠不足になりがちです。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、体の修復が促される大切な時間です。この時間が削られることで、髪の成長が一時的に停滞しやすくなります。
また、ストレス状態が続くと、体内で「ストレスホルモン」と呼ばれる物質が増え、髪の成長が一時的にストップしてしまいます。その結果、新しい髪が生えにくくなり、抜け毛が増えることがあります。
産後の抜け毛の原因(4)栄養不足
妊娠・出産そのものが、体内の栄養ストックを大きく消耗させます。胎児の成長や出産準備のために大量の鉄分・カルシウム・タンパク質が使われ、さらに出産時の出血で鉄分が失われます。見た目は元気でも、産後の体は栄養貯蔵がかなり減っている状態です。
さらに、授乳中は母乳に栄養が優先的に使われるため、栄養不足が続きやすくなります。栄養不足が続くと、髪や爪など「命に直接関わらない部分」への栄養供給は後回しになります。
特に、以下のような髪の生成に欠かせない栄養素が不足すると、髪の毛の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増える原因になります。

産後の抜け毛の原因(5)出産からの体の回復による影響
出産による体力の消耗は回復に時間がかかり、髪の毛の成長にも影響します。
特に帝王切開や会陰切開などで傷がある場合や産後の体調不良が続いている場合は、血流や栄養は傷口の治癒や体の回復を最優先にします。
髪や爪といった命に関わらない部分は後回しになりやすく、その結果、髪の回復が遅れることがあります。
逆に、体が回復すると髪にも栄養が届きやすくなり、自然と髪の回復につながります。
産後の抜け毛はいつまで続く?

産後の抜け毛は、ほとんどの場合一時的な現象です。しかし、始まる時期や落ち着くまでの期間には個人差があります。ここでは一般的な流れと、その理由を解説します。
産後の抜け毛が始まる時期とピーク
ここでは、産後の抜け毛はいつから始まるのか、そしてどの時期にピークを迎えるのか、気になる流れを見ていきましょう。
①抜け毛が始まる時期:産後2~4か月ごろ
多くのママは産後2〜4か月ごろから抜け毛の増加を実感します。
これは、妊娠中に成長期で保たれていた髪が出産後のエストロゲン低下によって一斉に休止期に移行し、休止期の髪が抜け落ちるまでに数か月のタイムラグがあるためです。
②ピーク時期:産後4~6か月ごろ
抜け毛の量が最も多くなるのは産後4〜6か月ごろといわれます。
この時期は、休止期に移行した髪が新しい髪に押し出されて抜ける時期と重なり、排水口や枕元に大量の髪が落ちて驚く人も多いでしょう。
落ち着くまでの期間と回復が遅れるケース
一般的には産後6か月〜1年ほどで徐々に抜け毛が落ち着き、髪のボリュームも回復していきます。毛周期が正常に戻ることで、新しい髪が生えそろい、全体の見た目も改善されます。
ただし、以下のような場合は回復が遅れることがあります。
- 栄養不足(タンパク質・鉄・亜鉛・ビタミン類)
- 慢性的な睡眠不足や強いストレス
- 傷の治癒や体の回復が遅れている場合
こうした場合は、生活習慣や食事の見直しが必要です。抜け毛の改善が遅れている場合、それは体の回復そのものが遅れているサインでもあります。「たかが抜け毛」と思わず、体調を整えることを優先しましょう。
十分な食事や睡眠時間を確保するには、自分以外にも赤ちゃんのお世話を担う人の存在が不可欠です。パートナーや家族はもちろん、ときにはベビーシッターや保育園の一時預かりなども活用し、体の回復を第一に考えましょう。
また、貧血や甲状腺機能低下症などの病気が原因で抜け毛が続くこともあります。回復が長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
産後の抜け毛のケア方法

産後の抜け毛は自然な体の反応です。多くの場合は時間とともに回復しますが、日々の食事・頭皮環境・睡眠・ストレスケアで回復をサポートすることもできます。
ここでは、自宅で無理なく続けられるケア方法を紹介します。
栄養バランスの整った食事を意識する
髪の主な成分はタンパク質(ケラチン)です。また、成長には鉄分・亜鉛・ビタミン類も欠かせません。そのため、産後の髪の回復には、十分な栄養が必須です。
一方、産後の女性は栄養が不足している場合が多く、母乳育児中であれば必要な栄養量がさらに増えるため、意識的な栄養補給が必要です。
以下のような食品を積極的に食べると良いでしょう。

タンパク質は髪の材料となるため、三食でまんべんなく食べるのが効果的です。特に肉や魚は亜鉛の吸収率をアップさせる働きもあります。
鉄分は単品で食べると吸収率が低いのですが、ビタミンCと一緒にとることで吸収が高まります。サラダやフルーツなどを組み合わせるのがおすすめです。
また、ビタミンEは油と一緒にとると吸収が良くなるため、炒めたりドレッシングやオリーブオイルなどをかけると良いでしょう。
ビタミンB群の中でも特に髪への影響が大きいものに、ビオチン(ビタミンB7)があります。ビオチンが多い食材には、レバー、卵、納豆、あさり、まいたけ、ナッツ類などがあります。
頭皮環境を整えるシャンプーと洗い方
産後の抜け毛や髪の回復には、頭皮を清潔かつ健やかに保つことが欠かせません。
以下のように、毎日のシャンプーやケア方法を少し工夫するだけで、髪が育ちやすい環境を整えることができます。
▼毎日のケアの工夫
- 低刺激でアミノ酸系洗浄成分のシャンプーを選ぶ
- 爪を立てず、指の腹で頭皮をやさしくマッサージしながら洗う
- 高温は頭皮の乾燥を招くため、熱すぎない38〜40℃のお湯で流す
- コンディショナーは毛先中心につけ、頭皮にはつけない
頭皮のマッサージは、耳の上・こめかみ・後頭部の付け根などを重点的に、頭皮を小さく円を描くように動かすことで、血行を促進します。強くこする必要はなく、心地よい圧でリズミカルに行うのがポイントです。リラックス効果も得られるので、ストレス軽減にもつながります。
一方、爪を立てて強くこすったり刺激の強いシャンプーを使うなど、頭皮を傷つけてしまうと髪の成長の妨げになることもあるため注意しましょう。
睡眠と休息で髪を守る
髪の成長には、睡眠も大切です。
深い眠りの間に分泌される成長ホルモンは、細胞の修復や髪の再生を助ける働きがあります。育児中はどうしても睡眠が細切れになりがちですが、以下のように睡眠を補うようにしましょう。
▼睡眠をしっかりとるための工夫
- 昼間に短時間でも仮眠をとる
- 赤ちゃんの生活リズムに合わせて一緒に寝る
- 寝る直前のスマホやカフェイン摂取を避ける
また、ちょっとした時間にうまく眠ることができなくても、横になって目を閉じて休むだけでも髪への効果は十分に期待できます。
体を休めることで副交感神経が優位になってリラックスでき、頭皮への血流が促され、毛根への栄養補給の助けになります。
ストレスケアを意識する
産後は睡眠不足や体調の変化に加え、慣れない育児で心身ともにストレスが溜まります。ストレスは血流の低下やホルモンバランスの乱れにつながり、髪の健康に大きく影響します。
例えば、以下のように意識的にリラックスできる時間を作ってみてはいかがでしょうか。
▼日常に取り入れやすいストレスケアの方法
- 深呼吸、軽いストレッチ、音楽などでリラックスする時間を確保する
- 家族や友人に気持ちを話す
- 完璧を目指さず、周囲に任せるタスクを増やす
自分では、ストレスが溜まっていることに気づきにくいことも多いものです。
「私は大丈夫」と思っても、ぜひ一度これらを試してみてください。
皮膚科に相談する
気になる抜け毛が続くときは、皮膚科で相談するのも一つの方法です。
セルフケアを続けても改善しない場合や、不安が大きい場合には、相談してみると良いでしょう。
産後の抜け毛はホルモン変化による一時的ものであることがほとんどですが、まれに貧血や円形脱毛症、甲状腺の不調といった他の原因が隠れている場合があります。医師に相談することで、病気の可能性も含めて診てもらうことができます。
また、産後の一時的な抜け毛であっても、育毛剤やローションなど授乳中でも使用できるものを処方・紹介してもらったり、不足しがちな栄養や日常のケアについてのアドバイスを医療的な観点から受けられることもあります。
医療的なサポートを得ることで、安心して取り組めるだけでなく、回復を早めることも期待できます。
まとめ
産後の抜け毛は一時的なもので、生活習慣の工夫やセルフケアで回復をサポートできます。長引く場合でも医師に相談すれば安心でき、より早い改善につながります。
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