元保育士のひなた葵です!
プライベートでは小学4年生になる娘が1人います。
産後クライシスという言葉を聞いたことはありますか?
簡単に言うと、出産をきっかけに夫婦仲にヒビが入ってしまうことを指します。
「赤ちゃんが産まれて1番幸せな時期なのに?!」と不思議に思うかもしれません。
今回は、なぜ産後クライシスが起きてしまうのか、起こらないようにするにはどうしたらいいのかなどを実体験も交えて解説していきます!
是非、記事を参考に産後の時期を夫婦仲良く過ごしてくださいね!
もくじ
産後クライシスって何?
産後クライシスとは冒頭で触れたように、出産後に夫婦関係が急激に冷え込んでしまう現象のことです。これは決して珍しいことではなく、ある調査では、9割以上の夫婦が産後半年以内に関係が悪化したと感じているという結果が出たそうです。
(出典:PR TIMES)
また、厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査結果報告(2016年)」によると、離婚件数全体(死別を除く)の約4割が「産後2年以内」に離婚を決意していることも分かっています。
(出典:PR TIMES)
9割以上が産後半年以内に夫婦関係が悪化、さらには産後2年以内に約4割が離婚と聞くと驚いてしまうと思いますが、「夫にイライラする」「会話が減った」「気持ちがすれ違う」といった悩みを抱えていませんか?
こう聞くと「それなら分かる!」と感じる方もたくさんいると思います。
育児が始まると、どうしてもママは赤ちゃん中心の生活になり、パパは仕事との両立に悩みます。その結果、「わかってほしい」「助けてほしい」と思っているのに、生活のすれ違いなどもあって、少しずつギクシャクした関係が生まれていってしまうのです。
でも、安心してください。産後クライシスは対策次第で乗り越えられます!
- 初めての育児で夫婦関係がギクシャクしている
- 産後、パートナーの態度にイライラしやすくなった
- 夫婦円満で育児を楽しみたい
と思っているママが共感しやすく、パパも「なるほど」と思えるポイントを紹介していきます。
産後クライシスとホルモンバランスは関係してる?
産後2年以内に急速に夫婦関係が悪化する要因は、育児への関わり方のすれ違いもありますが、産後のホルモンバランスの乱れも大きく関係しています。
妊娠中は「エストロゲン」「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が急減します。
そして、代わりに愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」の分泌が増えることも分かっています。
「オキシトシン」は赤ちゃんに授乳したり、抱っこしたりと触れあうと分泌が始まります。
「オキシトシン」は、
- 不安や恐怖を和らげる
- 幸せな気持ちになる
- 母子の絆を強くする
などの親子にとって嬉しい効果があるものの、他者への攻撃性を高めてしまう作用もあります。
“ガルガル期”という言葉はご存知でしょうか?
自分の赤ちゃんをとられるのではないか?といった本能的な警戒心が強まり、周りに対してイライラしてしまう時期のことを指します。
この“ガルガル期”を巻き起こすのも「オキシトシン」が原因であることが分かっています。
産後クライシスが起こる主な原因
産後の夫婦関係がギクシャクするのには、ちゃんと理由があります。
状況をイメージしやすいようにママ視点とパパ視点に分けて見ていきましょう。
産後のママが感じる一般的なこと
「とにかく寝不足!イライラする!」
新生児期の赤ちゃんはまとまって眠ることができません。
2~3時間おきに昼夜を問わずお世話も必要となりますよね。
慣れない赤ちゃんのお世話でまとまった睡眠がとれない期間が続くと、心も体も悲鳴を上げていきます。
パパは仕事があるからなるべく夜は寝かせてあげたい。
そう思いはするものの、赤ちゃんが泣いている中、横でスヤスヤ眠っているパパを見ると、「少しぐらい代わってよ!」なんて気持ちが芽生えても当然です。
「夫が育児を手伝ってくれない!」
日中のお世話を終えたところで、パパが帰ってくるとホッとすると思います。
なんせ1人だと自分のご飯を食べることさえままならない状態であることも珍しくないからです。
せめて自分がご飯を食べる間や、お風呂に入る間ぐらい赤ちゃんのお世話を代わってほしいと思っても、横を見たらスマホでゲーム…。
自分から「何か手伝える?」という気持ちは生まれないわけ?!などとイライラしてしまいますよね。
また、お世話をお願いすると「仕事で疲れてるんだけど…」などとイヤイヤ感を出されると幻滅が止まりません。
「私ばっかり大変なのに、夫は普通に生活してる…」
外で働いてくれているのは分かるけど、パパは出産前と変わらない行動をしているように見えてしまうこともありますよね。
休日は許可なく、これまでのように自分の趣味に出かけようとして喧嘩になったなんて話もよく聞きます。
「俺は息抜きもできないの?」などと言われても、息抜きができていないのは、ずっと赤ちゃんのお世話をしているママだって同じです。
そんなことを言われてしまうと、私の大変さ、全然伝わってない!」と感じてしまいますよね。
「1日中赤ちゃんと2人きり…孤独感がつらい」
育児中に孤独を感じるママはとても多いです。
誰とも会話せずに1日が終わると、なんだか無性に悲しくなってしまいますよね。
私も大人との会話に飢えていると当時感じていました。
何だか世間から取り残されているような何ともいえない孤独感が襲うのですが、外で働いているパパにはこの気持ちはイマイチ伝わらないようで、余計に心に距離ができてしまいがちです。
産後のパパが感じる一般的なこと
「産後の妻が冷たい…何かした?」
妊娠中は優しかったのに、産後はなぜかイライラMAXの妻。
「俺、何か悪いことした?」と戸惑うパパも少なくありません。
ママが育児に追われて心身共に余裕が持てなくなっていることに気付けず、「自分に怒っているのだろうか?」と考えてしまうようです。
「育児を手伝いたいけど、何をすればいいか分からない」
育児が忙しそうだから「何かやろうか?」と聞いてみたら、「聞かないで自分で考えて!」と不機嫌そうに言われてしまった。
ママ側から見たら「何をすればいいかこの状況を見たら分かるだろ!」と言いたいところですが、どう手を出したらいいか分からず、結局様子を窺うだけになってしまうことも…。
「仕事が忙しくて、家のことまで手が回らない」
「育児をもっと手伝え」と言われても、仕事でクタクタ。
余裕がないのにどうしたらいいんだ?!と苦悩しているパパも少なくないようです。
手伝いたい気持ちはあっても、なかなか行動に移す余裕がないと苦悩しているパパも多いんです。
「夫婦の会話が減って寂しい」
赤ちゃん中心の生活になり、夫婦の時間が激減。
それは、新米パパママなら当たり前のことだと思います。
でも「このままずっとこうなのかな…?」と不安に思う男性はたくさんいます。
ただ、この場合、どちらかが悪いのではなく、お互いに余裕がないことが原因ということです。
些細なすれ違いが関係悪化を生み出していると思うと切ないですよね。
夫婦関係を悪化させないためにできること
では、ここからは産後クライシスで夫婦関係が悪化してしまわないようにできることを考えていきましょう。
パパができる具体例
「手伝う」ではなく「一緒に育てる」意識を持つ
「育児はママの仕事」ではなく、「パパとママの共同作業」です。
育児書に1度目を通してみるのがおすすめです。
全てが育児書通りに進んでいくわけでは当然ありませんが、一般例を知っているかどうかで動き方も全然変わってきます。
「これってどうするの?」と都度ママに聞くよりも、自分で動けるようになればママからの信頼度もぐんとアップします!
ただし、自己判断だけで動くのはNGです。
コミュニケーションはしっかりと取りつつ、協力して育児を進めていきましょう。
ママが休める時間を確保する
「俺が見てるから大丈夫だよ」と、ママが1人になれる時間を確保できるようにしてあげると、ママの負担もぐんと和らぎます。
赤ちゃんの様子や成長具合で、息抜きに外に出かける時間を持てるかもしれないし、それが難しくても別室で仮眠する時間を設けられるだけでもリフレッシュに繋がると思います。
「いつもありがとう」と言葉で伝える
育児はして当たり前。
そうかもしれませんが、日々の頑張りを「当たり前」で片づけられるのは、とてもしんどいものがありますよね。
いつも一緒にいるパパだからこそ分かるママの頑張りを「ありがとう」と言葉に代えるだけで、張りつめている気持ちも少しは軽くなるのではないでしょうか。
ママができる具体例
「察してほしい」よりも言葉で伝える
「この大変な状況、見て分からないかな?!」とイライラしてしまうと思いますが、先ほどもお話ししたように、パパはなかなか自分だけではどう動いていいか掴めないものです。
なもで、「何で気づかないの?!」とイライラするよりも「〇〇してくれると助かるな」と伝えた方が結果的にお互い楽になります。
夫に頼むときは「ありがとう」を忘れずに
2人の子どもなんだからパパが育児をしたって当たり前。
そう思うのは当然です。
でもあまりに「やって当たり前」という態度を全面に出すと、なんだかげんなりされてしまうことも…。
言葉の最後に「ありがとう!」と加えるだけで、夫婦の雰囲気もぐんとよくなるはずです。
「夫も不安なんだ」と少しだけ心に余裕を持つ
子育ては毎日が初めてのことだらけ。
ママも不安でいっぱいだけど、それと同様に初めて尽くしのことにパパもいっぱいいっぱいだったりします。
「一緒に成長していこう」くらいの気持ちで、心に余裕を持って助け合っていけたらいいですね。
我が家がやっていたこと
例に漏れず、我が家も産後はやはり家庭内がギスギスしました。
特に娘が生後10ヶ月ぐらいの頃に、私が仕事に復帰したのが大きかった気がします。
私はフルタイムではなく、土日のパートから仕事を始めていったのですが、そうなると家族揃っての時間が取りにくくなりますよね。
今思えば、コミュニケーション不足から来る不和だったと思います。
そんな状況を打破するために我が家が行ったのは、
- 週に1回は「夫婦の話し合いタイム」を作る
- LINEやメモでもいいから気持ちを伝え合う
- 「ありがとう」を照れずに伝え合う
などです。
どれも難しいことではないですが、コミュニケーションを取ることをなるべく意識して過ごしていくうちに家庭内の雰囲気も改善していったように感じています。
まとめ:産後クライシスは2人で乗り越えられる!
初めて尽くしの子育ての中で、お互いに余裕がなくなって、すれ違いが起こるのは当たり前です。
そんな時、どうしても相手にイライラしてしまいますが、夫婦が「敵」となってしまってはもったいないですよね。
いがみ合う「敵」ではなく、一緒に子どもを育てる「チーム」になることを意識すれば、関係も改善されていくのではないかと思います。
「今はつらい…」と思うかもしれないけど、きっと大丈夫!
一歩ずつ、夫婦で支え合えば産後クライシスも乗り越えていけるはずです!
ラッキーインダストリーズについて
本コラムを運営するラッキーインダストリーズは1934年から続く日本の抱っこ紐メーカーです。POLBAN,pittoresk,Lucky 1934ブランドを展開し、子育てをサポートしています。このコラムを通じて、さらに多くの方々の子育てを支援できれば幸いです。
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